働き、嫁ぎ、子を産み、育て上げた。
胸に秘めた強い想いは、だれに語ることもない。生きて、生きて、生きる。そして大人になる。
厳しく美しい知床の自然に翻弄されながら、ひたすら大正から昭和の時代を生き抜く。感動の最終章!
講談社創業100周年記念出版
小樽での奉公を終え、知床に帰った少女は、かつて家族を救ってくれたアイヌの青年と再会する。1度きりのかなわぬ恋。そのとき少女ははじめて思う。人は自分の人生を、どこまで選び、決められるのか、と
(講談社HPより)
上巻では、奉公先での暮らしが始まった少女・とわでしたが、下巻では、更に成長したとわの人生を追う物語となりました。
奉公先の越前家は、長男・基、 次男・真、 三男・衛 末っ子で長女の蝶子の4人の子ども。
とわが奉公先として入ったときには、衛の子守から始まり、やがて生まれた蝶子の子守もする。
裕福な越前家だったけど、次男の真は、神経衰弱にて部屋にこもりがち。
以前は活発で、海外留学もしていたというのに・・・帰国したら人が変わっていたとか。
ある日、1日、自由な時間の出来たとわを映画に連れて行ってくれ、洋食もご馳走してくれたりと優しい人柄を見せて、ああ、こういうことを機に真の精神状態も好転したらいいな~。
なんて若い二人の楽しげな様子を読んで明るい気持ちになったのに・・・ショッキングな事態になって哀しかった(/_;)。
そして越前家の商い自体もうまくいかなくなり、とわも解雇。
実家に戻り、また別の奉公先に出たり・・・・
どこまでも苦労続きのとわの暮らしぶりに、いつになったら平穏で幸せな生活を送れるんだろ?と心が痛くなってきた。
幼い頃から、好きだった三吉に再会したが、とわには縁談話がまとまり嫁ぎ、夫となった片貝松二郎との間に二男二女を儲ける。
しかし、時代は昭和10年以降で日本は戦争に向かっていく時代。
松二郎にも召集令状が届き、戦地に。
時代背景も苦労しない人は居ないような時代。
でもとわは生き抜く。
今の時代をのほほんと生きている、わたしには想像出来ない苦労をしながら、生きてきた女性・とわ。
ラストは、やっとこの後は、少し穏やかな暮らしが出来るのかな?というかんじで終わっていたのが救いでした。
読み応え充分な物語。
北海道の開拓移民の苦労やアイヌの人たちの物語は時々、見たり聞いたりすることがありましたが、こうして一人の女性を軸に物語として読むと心に残ります。
知床=アイヌ語で、地のはてという意味だそう。
アイヌの人のことをもっと深く知りたいなとも思った。
機会があったら、そんな本も探してみようかな。
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
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★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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