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読んだ本の感想あれこれ。
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94da3afb.jpg発行年月:2010年9月


文学がなんであったとしても、化け物だったとしても、おまえは超然とするほかないではないか。

おまえはこの町に来て初めて知ったのだ。ここでは、夕日はいつも山の向こうに沈む----。
「妻の超然」「下戸の超然」「作家の超然」を収録。
                異色の三部作


                                            (新潮社HPより)


超然って言葉は普段の生活ではなかなか言わないし、聞かない言葉ですが
意味は手元の国語辞典に「物事にこだわらず、平然としているさま」と書いてあります。



3つの話の主人公たちは皆違う人。
最初の「妻の超然」の主人公は妻。
5歳年下の夫の浮気を超然とした態度でやり過ごす日常が書かれていて、なかなか面白かった。
もう夫に対して今更どうこう言う気持ちもなく、気づかないふり。
でも、最後、夫の寝顔を見て思うこと・・・・・なかなか微笑ましい。
こういう夫婦が長く続くんだろうな。
わたしも万が一、こういう立場になったら超然として過ごすだろうけど・・・^^;


二番目の「下戸の超然」の主人公はお酒が飲めない下戸。
会社のコンパで知り合い同じ趣味で盛り上がった女性と付き合いが始まるが
次第に些細なことで衝突するようになる。
酒に酔う彼女の姿にも隔たりを感じたり
・・・・・・
ある日、彼女に言われる言葉「・・・いつまでも超然としてればいいよ。わたしはもう合わせられないけど・・・」
う~ん。リアルな男女の付き合いの終わり方。


三番目の「作家の超然」は、女性作家が主人公。
首の腫瘍摘出のため、手術を受けることになり入院。
その入院生活のなかで、思う今後の自分のあり方。
あれこれ周りの事を気にかけて悩んでも仕方ないって事に行き着き、超然としているしか仕方ないと思う。
なるほど・・・・超然って言葉、なんだかいいな。


絲山さんの文章は、ズバズバと突き進む感があって良い!
読みやすいし、共感もし易い箇所が多い。


かなり楽しめました♪♪

★★★★

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