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読んだ本の感想あれこれ。
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86666b5d.jpg発行年月:2011年3月


直木賞作家・井上荒野氏の短編小説集。アラフォー世代を迎えた、大学時代の同級生である4人の女性たちの微妙な人間関係を描く書き下ろし短編「ハニーズ」をはじめ、思いを寄せる同僚の既婚男性が住んでいる島を訪ねていく、惣菜工場で働く女性の淡い恋心と、やはり同僚のブラジル人との友情を描いた「他人の島」、ゲイカップルの別れを描く「きっとね。」、幼稚園時代の父への回想を描き、著者の父・井上光晴氏との思い出が重なる私小説的短編「泣かなくなった物語」など著者がこれまでに発表した作品のなかから選りすぐった全9篇。

                                           (小学館HPより)


スラスラと読める短編集。
どこにでもありそうな話ですが、そこに現れる女性たちの心理描写は、同じ年代の自分のなかで
「うん、うん、わかるぅ~!!」と言うものが多く面白かった。

面白かったのは5作目の「犬と椎茸」。
この題からして、どういう話よ?って興味あったけど、犬も椎茸も出てくる。
そしてその二つはこの物語の重要アイテム(?)。

30年ぶりにかかってきた電話の主は、かつての恋人と結婚した友人。
出来れば会いたくない友だけど、誘われて再会。
次に自宅の招かれ出かけると、友人の旦那である元恋人もいる。
複雑な胸のうちが巧く描写されていた。
けれど、友人の余命が短いことを知る。
そしてまた考えるあれこれ。

自身には、夫もいる。娘も同棲している恋人が居て、娘の住むマンションに出向いて、最近は夫が飼いたがっている犬、(自分は苦手な犬)に慣れるため、密かに娘の恋人が飼う犬に触れる訓練をしている。

元恋人とその妻である余命短い友人の事を思い悩んでも自宅に戻れば、全く異世界のような日常がある。

家族にはあえて言わないけど・・・っていう事、このくらいの年代にはあっても不思議じゃない。


ほかの短編も、少し秘めた想いみたいなものを抱えている人の話だった。


大きな出来事じゃなく、どこにでもある物語をこうして、書ける作家さんは凄い!と思う。
井上さんもそんな作家さんの一人です。

★★★★
 
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