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読んだ本の感想あれこれ。
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dc6f97ac.jpg発行年月:2000年4月


学校帰りに気分が悪くなった15歳のミヒャエルは、母親のような年の女性ハンナに介抱してもらい、それがきっかけで恋に落ちる。そして彼女の求めに応じて本を朗読して聞かせるようになる。
ところがある日、一言の説明もなしに彼女は突然、失踪してしまう。彼女が隠していたいまわしい秘密とは何だったのか・・・・・。


                          (本の表紙裏の解説文より)


来月公開予定の映画「愛をよむひと」の原作本です。
映画の予告を観て、その原作があることを知り、図書館で借りました。

全世界500万人が涙したベストセラ-小説・・・・と映画のチラシにもありました。


15歳のミヒャエルが36歳のハンナに気分が悪いときに優しくしてもらい、その後も家を訪ね、恋が芽生える。
が、それは短い時間に幕を閉じ・・・・でも、その後、再会するのは、法律を学ぶ大学生になったミヒャエルがゼミの担当教授の指示で傍聴したナチス時代の強制収容所で起こった事件に対する裁判だった。

ハンナは複数の被告者のうちの一人として、裁かれる側。
その罪とは?

とても重い内容でした。
アウシュヴィッツの近郊の収容所に当時、看守として勤務していたハンナ。
その収容所から再び、アウシュヴィッツに戻される囚人は殺される。
ハンナは再び戻される囚人を呼び出し、本を朗読させていた。
それは、直接的な罪でもないのだが・・・・裁判では、そんな事すらも罪だとハンナを攻める。

複数の被告人のなかでハンナだけが重い罪を着せられるその過程は辛い。
それを傍聴し続けるミヒャエルの心中も想像すると辛い。

一人だけ、重い罪を背負うことになってしまうハンナだが、それを覆すことが出来る事実を掴むミヒャエル。
しかし、それを暴露することをハンナ自身は望むか?自分でその事実を述べないハンナに代わって自分がそれを言うことはハンナにとって良いことなのか?

自分だったら、どう行動するだろう?
でも、そんなに隠したいことだろうか?(あえてここでは言いませんが・・・・)

無知ゆえにこういう仕事に就いてしまったか?と思うとハンナが気の毒でした。


裁判で無期懲役を言い渡され、長い服役生活をする間に、ミヒャエルは同じように法律を学ぶ女性と結婚、娘も生まれ、幸せそう。
でも、ハンナを想う気持ちが常にある。

ラストの方では、恩赦により18年の服役生活から開放されることが決まったハンナとミヒャエルの再会。
だけど結末は。。。。。切ない。哀しい。辛い。
泣けます。
ハンナの気持ちを想像すると・・・・。
彼女の一生って、何だったんだろう?


すごく重たい恋をしちゃったミヒャエル。
でも最後まで、ハンナへの想いを貫き通したのは、スゴイ!
こういうのを本当の無償の愛というのでしょうか?

映画ではハンナ役はケイト・ウィンスレット。

これは映画も観なくては!!と思いました。


★★★★
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