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読んだ本の感想あれこれ。
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305ecd25.jpg   発行年月:2010年2月

 我が子はその瞳で数え切れないほどの光景をみるはずだった
   
 息子は1歳の誕生日をむかえたばかりで眠るように死んだ。
 圧倒的な彼岸の風景と土地に残る死の記憶がもたらした
 奇跡の再生の物語

                            (文藝春秋HPより)


静かに胸を打つ物語でした。

43歳の関根には、再婚した妻・洋子との間に由紀也という息子が居たが、1歳の誕生日を迎えてすぐに突然、息を引き取ってしまっていた。
お互いが「あの時もし・・・していたら・・・」と後悔し自己を責める日々が続いていた。

関根には、先妻・美恵子との間に15歳の娘・明日香がいて、離れて暮らしている。

関根は息子の死後、会社を休み旅に出る。
東京から北に向かって・・・恐山、奥尻島、北海道へと進む。
高校生だが、学校は不登校続きの明日香が、その旅に時々、合流し、いろいろな人々と出会う。

出会う人々は、それぞれ、家族を突然亡くし、年月が経っても未だ心に重たいものを抱えている。
それぞれの亡くした家族の死の受け入れ方、その後の生き方が描かれていて、つい自分がその立場なら?と考えてしまいました。


関根の先妻であり明日香の母親・美恵子も病に侵されホスピスに入院することになる。
ホスピスの医師・富見城と看護師である妻の患者の接し方は、理想的。
窓から見える景色も綺麗のようで
こういう場で死を迎えられたら、幸せだろうな~。


由紀也を亡くしてギクシャクしていた夫婦の関係は、明日香や美恵子、美恵子の知人と接することで、少し柔らかくなった様子。
明日香がしっかりして、かなり皆の気を遣っているのが、やや切なかったけど、
きっとこの先、いろいろな人に助けられて幸せに暮らしていけるかな?


今回も重松さんらしい、優しさが詰まった物語でした♪

★★★
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