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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2005年11月


身長175センチ、22歳、処女。いや、「女の童貞」と呼んでほしい―
就職が決まった大学四年生のだるい日常の底に潜む、
うっすらとした、だが、すぐそこにある悪意。
そしてかすかな希望…?第21回太宰治賞受賞作。


                 (筑摩書房HPより)


著者の本は、結構、読んでいるけれど、こちらのデビュー作は知らなかった。

読み始めは・・・へ~こんな青春小説からデビューしたんだなぁ~と
自己評価の低いちょっと変わった女子大生の日常を、緩い気持ちで
「なんか、いいな。学生のころをちょっと思い出すなぁ~」なんて読んでいた。

が・・・そんな生半可な物語じゃなかった!!

主人公の女子大生・ホリガイの周りにいる大学生たち(辞めて社会人の人もいる)
の抱えているものが結構、ヘヴィだったりして「( ゚Д゚)!?」となること度々。
リストカットを繰り返す人、自死しちゃった人、過去に酷い暴力に遇った人
などなど・・・

ホリガイは、そんな人たちに普通に接して、そっと寄り添ったりしている。
でホリガイ自身も過去にそれに近い経験があったから、わかることもあったのかな?
放っておいても何ら責められないのに、きっと見過ごせないんだろうな。


大学卒業後の進路も決まっていて、地元の県職員になるという。
児童福祉に関わりたいと。
その動機が、なかなか凄い。
テレビで4歳の男の子が行方不明のままというのを18歳で知り、その子の
ことが気になっているという。


実際、偶然にも男の子を助ける。
その子は、間違いなく、ホリガイの行動がなかったら、助け出せなかった。
この場面は、泣けた。
そのことを知らせた自死した同級生のことも、助けてあげられたらな・・・と。


ホリガイが知り合った1つ下のイノギとの関係も、いい。
イノギは、ホリガイと出会ったことで救われたこと多いと思う。
二人の再会が近いうちにありそうなラストもよかった。


ホリガイは自分のことを低く評価しているけれど、大したもんだと思う。
凄いよ!と褒めてあげたいくらい。

どんな社会人になっているだろうか。


全部、読み終えて、表紙を見ると、なんだかジ~ンとする。
この表紙、いいな。
少年が穏やかな顔で微笑んでいて・・・
この表題もいい。 元の題は「マンイーター」だったそうだけど、
こちらの方がいい、断然、いいと思う。


映画化されているみたいなので、是非、観てみたい!!

                      ★★★★★

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