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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年6月


じぶんではない、だれかのために祈るということ――。


人型のはりぼてに神様にとられたくない物をめいめいが工作して入れるという奇祭の風習がある町に生まれ育ったシゲル。祭嫌いの彼が、誰かのために祈る――。不器用な私たちのまっすぐな祈りの物語。

                    (角川書店HPより)





2つのお話が収録。

一つ目の<サイガサマのウィッカ-マン>
町の特殊な信仰。
サイガサマ・・・願いを叶える代わりに体の一部を奪っていくと言われている神様?
冬至のお祭りとして、人々は願いを叶えて貰った折に奪われて欲しくないからだの部位を
作り物でお供えする。
地元の中学生が大きな人形を作り、人々が作ったからだの一部を入れ
それを燃やす行事。

その祭りでお供えするからだの一部を作る申告物教室なるものを手伝うはめになった
男子高校生・シゲル。
バイトで公民館の清掃をしているのだけど、公民館が会場の申告物教室を
手伝うことになる。
内心では、気が進まない手伝いなのに、与えられた仕事はちゃんとこなす。
ちょっと気になる中学時代の元同級生の女子・セキヅカのことを優しく見守る
姿は凄く好感が持てた。

ひきこもりになった中学生の弟も、少し前に進むかな?


2つ目は<バイアブランカの地層と少女>
京都の大学生の十和田作朗は大学のガイドサ-クルに所属している。
実家から大学に通うことも可能だが、実家が活断層の真上にあることを気にして
以前から住みたいと思っていた嵐山に手ごろな物件を見つけたこともあり
塾の講師と実家からの月2万の仕送りで一人暮らしをしている。

ひょんなことからアルゼンチンに住むファナという少女と文通をすることになり
アルゼンチンはスペイン語だと知り、友人のエンド-の知り合いである
スペイン文化研究会のナカオさんを紹介して貰う。

作朗も1作目のシゲルと似てる。
真面目で人の気持ちを理解しようとしている。
アルゼンチン人の少女からのメ-ルを理解しようして、彼女のことを日々考えている。


2つのお話に共通するのは、自分の家族でも恋人でもない人だけど
その人が幸せであるように祈っているということ。


文章もユニ-クで飽きない。
読んでいると不思議な心地良さに浸れるかんじ。


過去の作品も、もっと読んでみたいな~と思わされた。


                         ★★★★★
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