できたてのセカイと、憂鬱なわたしたちの物語。
いま、最も鮮烈な7人の書き手がおくる
青春文学ベスト・トラック集
(本の帯文より)
有川 浩 クジラの彼
日向 蓬 涙の匂い
三羽省吾 ニ-ト・ニ-ト・ニ-ト
坂木 司 ホテルジュ-シ-
桜庭一樹 辻斬りのように
森見登美彦 夜は短し歩けよ乙女
以前、読んだ作品は 「クジラの彼」と「夜は短し歩けよ乙女」は、文句なしによかった!
何度読んでも、いいなぁ~(^^)
ほかの作品は、今回はじめて。
全く初めて読む作家さんは、日向さんと三羽さん。
以前、読んだ作品は、大好きなので、もう一度読みたくて。
そしてほかの作品も読んでみたかったものが多かったので読み始めから期待度が大きかった書。
読後その期待は、外れることなく、大満足の1冊でした!
アンソロジ-は、なかには好みじゃないのもあって普通ですが、これは、どれもいい。
あくまでもわたしの好みには、ドンピシャ!だったというわけですが・・・・。
初めて読む、日向さんの「涙の匂い」は、中学生時代、少しだけ住んだ東北の町の様子を思い出したように書かれた話。
ほのぼのとした暮らしの中で起こる、出来事。
甘酸っぱい初恋。
懐かしいような不思議なかんじがしました。
そして、やはり初めて読む三羽さんの「ニ-ト・ニ-ト・ニ-ト」あまり明るい現実ではないですが、登場人物たちのやりきれない感情が伝わってくるようで、なかなか興味深かった。
アンソロジ-で初めて読んだ作家さんの作品が気に入ると、その方の他の作品を読みたくなります。
自分にとっての新しい作家さん、発掘にはいいですね~♪
この表紙写真もちょっと今の季節っぽくて好き!
発行年月:2008年3月
人気作家7人が贈る
「はじまり」の物語。
迷い、揺れ、苦しみながら選びとった、これがわたしの生きる道------。
オ-ル書き下ろし&オリジナルの珠玉のアンソロジ-。
(本の帯文より)
7人の作家さん。
名前は知っていますが、初めて読んだ方2人。
宮下奈都さんと福田栄一さん。
そして、この二人の作品が凄くよかった!
新しいお気に入りの作家さんに出会えてラッキ-!これぞ、アンソロジ-の良い点!
宮下さんの作品は「よろこびの歌」
母親が著名なヴァイオリニストで自身も幼い時からなんとなく音楽家になるんだと音大の付属高校に入学し、そのまま大学、大学院へ進むものだと思っていた玲。
だが、音大附属高をまさかの不合格。
主人公が仕方なく進学した高校で、今まで音楽に対して持っていた考え方を変える。
挫折を味わったことで、大切なものに気づく彼女。
福田さんの作品は「あの日の20メ-トル」
大学生になったばかりなのに、学校の講義を受ける気力がなく、屋内市営プ-ルに通うことを唯一の日課にしている克彦。
そこに一人の老人が「泳ぎを教えてほしい」と声を掛けてくる。
老人と接するうちに自分は、このままでいいのか?と気づく。
ここで共通してるのは、主人公が学生で、挫折を味わうということ。
二人はそれぞれ違う話の主人公ですが、ちょっと似てるな。なんて思って読みました。
このわたしにとって、初めての作家さんが1話目と2話目だったというのも、印象を強くした要因かも。
勿論、ほかの作家さんの作品も面白かったです!
1番好きだったのは、中島さんの「コワリョ-フの鼻」。
面白い!
夫婦が「鼻」について語るその様子がなんとも言えない雰囲気で、すきだなぁ~こういうかんじ♪
瀬尾さんの「ゴ-ストライタ-」は「戸村飯店青春100連発」の原型だそうで、既に「戸村飯店・・・」は読んでいるので、内容を再び思い出しました。
けど、まだ読んでない人は、是非、そちらを読んでね!というかんじ。
これだけじゃ中途半端な気がします。
伊坂さんの「残り全部バケ-ション」も変わった設定の話だったけど、なんだか愉快な気持ちになれた。
このアンソロジ-は、とても、よく出来たお話ばかりで、楽しかった!
はじまりの一歩というだけあって、状況はいろいろだけど、それぞれの登場人物たちが明るく一歩を踏み出すかんじのラストで読後感を爽やかなものにしてくれました!
★★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;