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読んだ本の感想あれこれ。
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51rmYpKXv5L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2009年3月


仲間と一緒に大海原を駆けた、あの夏の日を、僕は永遠に忘れない――。
「かはたれ」「たそかれ」の作者 朽木祥の新境地――。

僕らの船は、風の靴になって、どこまでもどこまでも駆けていく。海が空にふれてひとつになり、空が天にとどくはるか高みまで――。

第57回産経児童出版文化賞大賞受賞


                                        (講談社HPより)


少し前に読んだ朽木さんの「引き出しの中の家」が面白かったなぁ~とふと考えていて・・・
そういえば、ほかの作品も是非、読みたいと思っていたのに忘れてた!!
と気づき、図書館で予約して借りたのが本書。
表紙の絵が、今の季節にピッタリで、とても美しいなぁ~と惹かれて・・・・。

そして、やはり素敵なお話でした。

物語は、4つ上の兄が高等科に通う同じ私立中学の中等科受験に失敗した海生。
ショックから立ち直れない最低の気分に追い討ちをかけるように大好きな祖父が急死の知らせ。
祖父との思い出は、ヨットだった。
祖父は風に靴を履かせたように滑るように進むヨットを操縦していた。
受験が終わったら、再び祖父とヨットに乗るはずだったのに・・・・・。

そして、思い立つ家出。
同級生の田明も一緒に、ヨットで家出を計画する。
海生の愛犬・ウィスカ-も連れて行くことにする。
2人と1匹のはずが・・・・・田明の妹・八千穂が強引に同行することに。

二人の少年の会話に八千穂が加わって更に楽しくなった。

ヨットで子どもだけで家出なんて危ないことが起きるに違いないなんて思っていたけど、そんな危ないことは起こらず・・・・けれど、思わぬことは起きて・・・・
でも、結果的には、そんなハプニングも素敵なことに繋がっていく。


少年の抱えていた重たいものが、最後には除かれて、前向きに進もうと気持ちが変わるところが気持ちいい。
周りの大人たちも海生の気持ちを聞いて反省するべきことは謝って、良い家族だなぁ~。
優等生の兄・光一も気遣いの出来る素晴らしい青年だったし、おばあちゃんも優しく見守っているかんじがした。

亡くなったおじいちゃんも素敵な人だったんでしょう。
遺言のように残したものも、その遺しかたも粋だった!


表紙の絵も素敵でしたが、挿画もとても丁寧に描かれた絵で
お二人の画家のほかの作品も見てみたいなぁ~なんて思いました。

そして、朽木さんのほかの作品もどんどんこれから読んでいきたいな。

児童書だけど、大人でも十分に楽しめます!

あとがきの言葉もまた素敵で、あとがきでも感動!


                                       ★★★★★


 
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51-Qy0B8eML__SS500_.jpg発行年月:2011年7月


同じ保育園に子どもを託している、作家のユカ、主婦の涼子、モデルの五月。三人の若い母親たちが抱える、痛みにも似た孤独と焦燥、母であることの震えるような幸福。彼女たちは何に傷つき、何に憤り、何に慰撫されているのか。作家が自身の体験のすべてを注いで描きだす、現代日本の「母」、そして「家族」。渾身の最高傑作!



                                             (新潮社HPより)



途中、読むのが苦しくなった。
ここに書かれている3人の母親が感じた孤独感やら焦燥感は、よ~く理解できるし、自分も同じことを思った!という場面も多かった。
たぶん、子育て経験者には似たことを感じるんじゃないだろうか?


育児って、やはり母親の方が、精神的、肉体的に断然、大変だと思う。
母親なんだから・・・と世間も自分も思う部分があって、追い詰められていく。
十分な睡眠が取れないのが辛かったなぁ~と自分自身の経験も振り返ったりして・・・・。

ここに出て来た3人のうち一番、普通な生活をしていた主婦・涼子の気持ちに共感する部分があったかな?
涼子は息子・一弥を一生懸命、愛情持って接しているけれど、それゆえ自分の考える通りに事が運ばないとイライラして一弥に暴力をふるってしまう。
そうしてしまう自分を冷静に見つめ、一弥にとってこの先、どうすることがいいのか?を考えて行動した部分は偉いな~と思った。

ほかの二人も、それぞれ抱えている問題を解決していくだろうと思える終わり方だったので、最後は少しホッとした。

しかし、読み難かったぁ~。
なんでだろ?難しいことが書かれているわけじゃないんだけど・・・・。
かなり疲れた~(;O;)



芥川賞受賞の「蛇にピアス」を読んだときにも感じたけれど、
この方の文章そのものとわたしは相性がよくないみたい・・・^^;
でも今後の作品も話題性があれば読んでみたいとまた思うかも?


                                            ★★
 
51frkuQhSWL__SS400_.jpg発行年月:2012年2月


田口&白鳥シリーズでおなじみの、桜宮市警察署の玉村警部補とキレ者・加納警視正が活躍する、ミステリー短編集です。ずさんな検視体制の盲点を突く「東京都二十三区内外殺人事件」、密室空間で起きた不可能犯罪に挑む「青空迷宮」、最新の科学鑑定に切り込んだ「四兆七千億分の一の憂鬱」、闇の歯医者を描く「エナメルの証言」――2007年より『このミステリーがすごい!』に掲載してきた4編をまとめた短編集


                                            (宝島社HPより)


短編集なので、スラスラ読めました。
いちおう、流れでは玉村警部補が不定愁訴外来勤務の田口医師を訪ね、過去の事件を一緒に振り返るという設定。
二人の会話がなんとも良い。
田口は白鳥に振り回されているので、加納警視正に振り回されている玉村警部補の苦労がよ~くわかるというところでしょう。
でもお互いに、振り回されながらも、その相手の能力は高く評価しているところも似ている。

今回振り返る事件は4つ。

「東京都23区内外殺人事件」
同じ場所に死体があるのを2回とも田口が発見する。
ここは公共の遺体置き場なのか?・・・・のつぶやきに思わずクスリ^m^


「青空迷宮」
テレビ番組の撮影中、迷路内での事故?他殺?
被疑者は3人。


「四兆七千万分の一の憂鬱」
薬品研究所の副所長の妻、殺害事件。
綿密な計画殺人だったが・・・。
加納警視正、さすがです!!


「エナメルの証言」
ヤクザの遺書つき自殺続出。
歯科医にもこういう闇の仕事が実際あるのか??
事件としては、一番面白かった。


事件を回想しながらという進み方だけど、途中に入る玉村警部補と田口医師の会話
<不定愁訴外来での世迷い言>が楽しい。
「え?それって・・・・?」と気になる会話はあるんだけど・・・・


白鳥が出てこなくても、玉村&田口コンビだけでも、なかなか面白いな。



★★★
 
 
51lFSykkqYL__SX230_.jpg   発行年月:2011年12月


   崩壊寸前の地域医療はドクターヘリで救えるのか?
   赤字病院の再生を図る世良院長は訪問看護の拡充をかかげ、
   外科医の今中を極北救命救急センターに派遣する。
   北海道のドクタージェット構想は実を結ぶのか?
    『極北クレイマー』に続く迫力満点の第2弾。


                          (朝日新聞出版HPより)



「極北クレ-マ-」の続編ですが・・・・話をちょっと忘れてしまっていたので、読みながら少しずつ思出だした次第^^;

極北市民病院で建て直しを図るため派遣された世良ドクタ-。
そしてそれを支える外科医の今中。
医師はその2名。
看護師も数名。
夜間急患を受け入れる体制などとれるはずもなく、そういう場合は雪見市の極北救命救急センタ-にお願いしている状況。

世良ドクタ-の徹底したことは
訪問介護の拡充、人員削減、投薬抑制。

途中、世良の指示で、極北救命救急センタ-に派遣される今中。
そこには、ジュネラルル-ジュの凱旋の主人公・速水ドクタ-が副センタ-長としていた。
知ってる医師が出てくると面白く読めますね・・・笑
そして、相変わらずのハチャメチャぶり。
でもそれが結構、格好いい。
花房師長も登場で・・・このふたりは・・・・と思ったら・・・・最後の方で、意外な人とのラブロマンスが明かされてビックリ!


医療現場の問題提起がいつも物語のなかに描かれる海堂作品。
今回は、ドクタ-ヘリのあり方について、なるほど・・・と思うことがあれこれ。
マスコミによって、現場の問題が公にされてしまうことも、なかなか頭がいたいことだけど、逆にそれを利用するのはいいかも!


しかし、そろそろ、人間関係相関図が欲しいな。
このひと、どこかで出てきたな・・・と思っても???

年代別、医療機関別の相関図が付録でついてくれないかなぁ?
個人的に強く思う・・・^^;

ややぼやけた相関図を頭に描きながらでも十分、楽しめますが・・・・


★★★★
 
7d893c1d.jpeg   発行年月:2012年1月


   小劇団を主宰する大輔と瑞穂夫婦は、児童養護施設に暮らす小学生のひなたを週末だけ里親として預かることなった。天才的子役の才能を持つひなたをめぐり、瑞穂、大輔の三者三様の視点で、現代の新しい家族の在り方をコミカルに描く長編小説。



                              (朝日新聞出版HPより)



大輔・瑞穂の夫婦とひなたの関係が、ほのぼの。

施設で催されていた劇で主役を務めていた、ひなたの演技力に驚嘆して、週末里親に、ひなたを受け入れることに決めた大輔たち。
大輔が依頼人から頼まれた設定の通り、完璧な演技をするひなた。

病気の老人を見舞う孫娘を演じたり・・・・
そして、大輔の主宰する劇団の舞台にも立つようになる。

当初は、子どもの役者が欲しくて、ひなたを預かっていた大輔たちだったけれど、ひなた自身に愛情が沸いてくる。


瑞穂は、無性愛者という変わった設定で、大輔と夫婦ではあるけれど、夫婦という関係を築いていることで世間的に暮らしやすいからという割り切った考え方。

そこにひなたが入ることで、他人からみれば、子どもがいる家族。

ひなたには、母親が居るのだけど、育児放棄の末、施設で暮らすことになった為、母親に対しては嫌悪感しか抱いていない。

終盤、大輔の言った「・・・・俺と瑞穂とひなたは、3人のチ-ムなんです」という言葉はいい!
無理に家族になろうとしなくても、良い人間関係を築いているチームと思えば、ひなたも受け入れ易いでしょう。
10歳のひなたが、大輔夫婦と知り合い、今後も成長しながら、このチ-ムが継続していったら素敵だな。


シェークスピアを愛する大輔のせりふも面白かった♪


                                           ★★★
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