ヒロシマ原爆投下の後を生き抜いた若者たちの物語
ヒロシマ原爆投下のあとを、生き抜いた10代の若者たちは、
生き残った哀しみを記憶することで生きる力を得ようとする。
魂の救済の物語三編。
(偕成社HPより)
本の裏表紙の言葉
あの朝、ヒロシマでは一瞬で七万の人びとの命が奪われた
とあります。
この本には、その日を体験した3人の少年少女たちの物語。
自分たちは命こそ助かったけれど、心に深い傷を負ってしまった。
目の前で苦しんで命を落とす人たちをみて、自分はただ逃げることしか出来なかったと
責め続ける。
亡くなった人はどうして亡くならなければならなかったのか?
自分はどうして生き残ったのか?
何か出来ることはなかったのか?
実際に被爆した現存の方は段々と少なくなっていく。
わたしたちは、この事実を決して忘れることなく、後世に伝えていかなくてはならない。
この本は、そんな勤めを果たしてくれそう。
沢山の子どもたちにも是非、読んで欲しい書です。
あとがきでも、この物語を書いた著者の強い気持ちが伝わってきました。
★★★★★
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私たちは逃げられない、女という面倒くさい性から。
17年前、厩橋で拾われた赤子は月子と名づけられ、
大人の香りを身に纏う美しい女に成長した。
一方、育ての母黎子は職場の図書館で会う「川向こうの男」の存在を意識して-----。
二人の女の揺れる思いが錯綜する長編小説
(角川書店HPより)
場所は、スカイツリ-建設途中の隅田川界隈。
16年前、隅田川にかかる厩橋の上で坂下夫妻(親雄と藜子)が月子を拾う。
いったんは養護施設に預けられた月子を夫妻は里親として引き取った。
月子は、年を追うごとに美しさを増していき、藜子は、いつかは誰かの元に返さなければならないのでは?という不安に駆られていく。
ある日、幼馴染の晋太郎がアルバイトとして、盲目の老女に朗読をすることを勧められ二人で老女の元へ。
朗読するのは、「たけくらべ」。
老女・墨は、月子の朗読を褒め、二人は定期的に老女の元へ通う。
藜子は、図書館の司書として働いている。
家から厩橋を眺めていたら、見知らぬ男に手を振られ、思わず自分も手を振り返す。
その男があるとき、図書館に現われるが、自分のことを覚えている様子はない。
自分からもあえて手を振り合った仲であることは言わず、それでも男の再来を待つ藜子。
朗読を月子に頼んでいる老女・墨は、元遊女だったと話す。
そしてその時代に好きで今も忘れられない男がいたことを月子に話してくれる。
「たけくらべ」のなかの美登里の世界と墨の生きた世界がどこか似ていた。
そして現代に生きている月子もなとなく美登里とダブる。
「たけくらべ」は、読んだことがないけれど、是非、読んでみたいと思う。
ラストはちょっと不思議な終わり方。
唐突なかんじもしないでもないけれど、個人的には凄く好きな終わり方でした(^^)
物語のなかに3.11の震災も出て来るし、建設中のスカイツリ-が少しずつ伸びていく様子も描かれる。
過去の隅田川界隈に生きた女性と現在に生きる女性達の物語かな?
なかなか面白い物語でした!!
表紙の絵も近代的なかんじもするし、どこか古風なかんじもして物語の雰囲気をよく表していると思う。
初読みの作家さんだったけれど、ほかの作品も読みたいと強く思った!!
★★★★★
仲間と一緒に大海原を駆けた、あの夏の日を、僕は永遠に忘れない――。
「かはたれ」「たそかれ」の作者 朽木祥の新境地――。
僕らの船は、風の靴になって、どこまでもどこまでも駆けていく。海が空にふれてひとつになり、空が天にとどくはるか高みまで――。
第57回産経児童出版文化賞大賞受賞
(講談社HPより)
少し前に読んだ朽木さんの「引き出しの中の家」が面白かったなぁ~とふと考えていて・・・
そういえば、ほかの作品も是非、読みたいと思っていたのに忘れてた!!
と気づき、図書館で予約して借りたのが本書。
表紙の絵が、今の季節にピッタリで、とても美しいなぁ~と惹かれて・・・・。
そして、やはり素敵なお話でした。
物語は、4つ上の兄が高等科に通う同じ私立中学の中等科受験に失敗した海生。
ショックから立ち直れない最低の気分に追い討ちをかけるように大好きな祖父が急死の知らせ。
祖父との思い出は、ヨットだった。
祖父は風に靴を履かせたように滑るように進むヨットを操縦していた。
受験が終わったら、再び祖父とヨットに乗るはずだったのに・・・・・。
そして、思い立つ家出。
同級生の田明も一緒に、ヨットで家出を計画する。
海生の愛犬・ウィスカ-も連れて行くことにする。
2人と1匹のはずが・・・・・田明の妹・八千穂が強引に同行することに。
二人の少年の会話に八千穂が加わって更に楽しくなった。
ヨットで子どもだけで家出なんて危ないことが起きるに違いないなんて思っていたけど、そんな危ないことは起こらず・・・・けれど、思わぬことは起きて・・・・
でも、結果的には、そんなハプニングも素敵なことに繋がっていく。
少年の抱えていた重たいものが、最後には除かれて、前向きに進もうと気持ちが変わるところが気持ちいい。
周りの大人たちも海生の気持ちを聞いて反省するべきことは謝って、良い家族だなぁ~。
優等生の兄・光一も気遣いの出来る素晴らしい青年だったし、おばあちゃんも優しく見守っているかんじがした。
亡くなったおじいちゃんも素敵な人だったんでしょう。
遺言のように残したものも、その遺しかたも粋だった!
表紙の絵も素敵でしたが、挿画もとても丁寧に描かれた絵で
お二人の画家のほかの作品も見てみたいなぁ~なんて思いました。
そして、朽木さんのほかの作品もどんどんこれから読んでいきたいな。
児童書だけど、大人でも十分に楽しめます!
あとがきの言葉もまた素敵で、あとがきでも感動!
★★★★★
同じ保育園に子どもを託している、作家のユカ、主婦の涼子、モデルの五月。三人の若い母親たちが抱える、痛みにも似た孤独と焦燥、母であることの震えるような幸福。彼女たちは何に傷つき、何に憤り、何に慰撫されているのか。作家が自身の体験のすべてを注いで描きだす、現代日本の「母」、そして「家族」。渾身の最高傑作!
(新潮社HPより)
途中、読むのが苦しくなった。
ここに書かれている3人の母親が感じた孤独感やら焦燥感は、よ~く理解できるし、自分も同じことを思った!という場面も多かった。
たぶん、子育て経験者には似たことを感じるんじゃないだろうか?
育児って、やはり母親の方が、精神的、肉体的に断然、大変だと思う。
母親なんだから・・・と世間も自分も思う部分があって、追い詰められていく。
十分な睡眠が取れないのが辛かったなぁ~と自分自身の経験も振り返ったりして・・・・。
ここに出て来た3人のうち一番、普通な生活をしていた主婦・涼子の気持ちに共感する部分があったかな?
涼子は息子・一弥を一生懸命、愛情持って接しているけれど、それゆえ自分の考える通りに事が運ばないとイライラして一弥に暴力をふるってしまう。
そうしてしまう自分を冷静に見つめ、一弥にとってこの先、どうすることがいいのか?を考えて行動した部分は偉いな~と思った。
ほかの二人も、それぞれ抱えている問題を解決していくだろうと思える終わり方だったので、最後は少しホッとした。
しかし、読み難かったぁ~。
なんでだろ?難しいことが書かれているわけじゃないんだけど・・・・。
かなり疲れた~(;O;)
芥川賞受賞の「蛇にピアス」を読んだときにも感じたけれど、
この方の文章そのものとわたしは相性がよくないみたい・・・^^;
でも今後の作品も話題性があれば読んでみたいとまた思うかも?
★★
田口&白鳥シリーズでおなじみの、桜宮市警察署の玉村警部補とキレ者・加納警視正が活躍する、ミステリー短編集です。ずさんな検視体制の盲点を突く「東京都二十三区内外殺人事件」、密室空間で起きた不可能犯罪に挑む「青空迷宮」、最新の科学鑑定に切り込んだ「四兆七千億分の一の憂鬱」、闇の歯医者を描く「エナメルの証言」――2007年より『このミステリーがすごい!』に掲載してきた4編をまとめた短編集
(宝島社HPより)
短編集なので、スラスラ読めました。
いちおう、流れでは玉村警部補が不定愁訴外来勤務の田口医師を訪ね、過去の事件を一緒に振り返るという設定。
二人の会話がなんとも良い。
田口は白鳥に振り回されているので、加納警視正に振り回されている玉村警部補の苦労がよ~くわかるというところでしょう。
でもお互いに、振り回されながらも、その相手の能力は高く評価しているところも似ている。
今回振り返る事件は4つ。
「東京都23区内外殺人事件」
同じ場所に死体があるのを2回とも田口が発見する。
ここは公共の遺体置き場なのか?・・・・のつぶやきに思わずクスリ^m^
「青空迷宮」
テレビ番組の撮影中、迷路内での事故?他殺?
被疑者は3人。
「四兆七千万分の一の憂鬱」
薬品研究所の副所長の妻、殺害事件。
綿密な計画殺人だったが・・・。
加納警視正、さすがです!!
「エナメルの証言」
ヤクザの遺書つき自殺続出。
歯科医にもこういう闇の仕事が実際あるのか??
事件としては、一番面白かった。
事件を回想しながらという進み方だけど、途中に入る玉村警部補と田口医師の会話
<不定愁訴外来での世迷い言>が楽しい。
「え?それって・・・・?」と気になる会話はあるんだけど・・・・
白鳥が出てこなくても、玉村&田口コンビだけでも、なかなか面白いな。
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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