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読んだ本の感想あれこれ。
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41MlcsV2QyL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2010年7月

少子化対策のため「抽選見合い結婚法」が施行されることになった。この強制見合いに、アキバ系青年は万々歳、田舎で母親と暮らす看護師は、チャンスとばかりにひとりで東京へ。慌てて彼氏に結婚を迫るも、あっさりかわされるOLもいて…。それぞれの見合い事情をコミカルかつ、ハートウォーミングに描いた長編小説



                         (双葉社HPより)


既婚者のわたしには、面白く読めました。
適齢期の結婚前の人が読んだら、ちょっと身に覚えのある言動もあるかもしれない。

政府の打ち出したとんでもない「抽選見合い結婚法」に翻弄される法案の対象年齢者(25歳~35歳)たち。
ある者は、出会いの機会が増えて喜び、ある者は、それを理由に今までの生活を変えたり・・・。

そして、二人の男女の物語が別々に進行してゆく。

女性は、鈴掛好美31歳、看護師。
男性は、宮坂龍彦27歳、コンピュ-タ-ソフト会社勤務。

好美は恋愛経験もあるが、同居の母親にあれやこれやと難癖をつけられ結婚まで至らず。
龍彦は、恋愛経験ゼロ。彼女居ない暦27年。

好美と龍彦のお見合いが1回目から描かれる。
好美は3回目で出会った銀林嵐望と気が合い良いかんじでお付き合いが始まる。
龍彦は断られ続けるが6回目に出会った美人の冬村奈々には会えば辛辣に罵られるものの何故か断られず。

この法案にはいくつかの規則があり、
お見合いを断っても良いのは3回まで。
しかし、その3回以降、結婚まで至らなかったらテロ撲滅隊に参加して2年間の任務に就かなければならない。
そして奈々はこのテロ撲滅隊に行くかどうかの瀬戸際だった!
わざと嫌な女を演じているんだと推理した龍彦の言動が愉快。

好美と龍彦は果たして結婚までいくのか!?

結末は、物語の最後、一年が経過した話でわかる。


なかなか面白い話でした♪


★★★
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cd315801.jpg発行年月:2010年9月


明治10年。根津遊廓に生きた人々を描く長編
ご一新から十年。御家人の次男坊だった定九郎は、出自を隠し根津遊郭で働いている。花魁、遣手、男衆たち…変わりゆく時代に翻弄されながら、谷底で生きる男と女を描く長編小説。


第144回直木賞受賞作品

                        (集英社HPより)


幕末から明治へと世の中が大きく変わった時代。
武士の家に生まれ、幼いときから父親から剣術を厳しく叩き込まれた定九郎。
兄・政右衛門と比較されるのもイヤで家を出て遊郭で働く身。

花魁たちの世話をする女性たち。
外回りの仕事をする男衆。
遊郭のなかの様子を垣間見ながら、そこで暮らす人たちの苦労なども知りました。


首を吊り損ねた芳里は木気の毒だった。
得体の知れない寄席芸人のポン太は、最後まで不思議な存在だったけど結構好きなキャラクタ-でもあった。
寄席で語られる噺も興味深かった。

花魁・小野菊の道中は最後、どうなるか?ハラハラしながら読んだ。
小野菊・・・・格好いいなぁ~。
華やかなイメ-ジの花魁だけど、やはり哀しいものも抱えている。

そしてラストが良かった!

置かれた状況から、逃げることばかり考える定九郎だったけど、考え方を変える事で、今までとは違う何か希望のようなものを持てたみたい。


しかし、この時代、武士だったものが一番、時代に翻弄されたのかも。
剣術を極めることが己の道だと信じていたのに、それが崩れた時代。
定九郎の兄の暮らしぶりもなんだか哀れでした。


この表題の意味も納得。

本の帯に紹介のあった著者の書いた新選組の小説も読んでみようかな?

★★★★
 



29109e28.jpg発行年月:2011年4月


夫の浮気を疑った妻が、相手の女性に会いに行く。言い争いの中、突然現れた老婆が「物事は相手の立場になって考えることが大切。つまらない喧嘩ばかりしていると、本当の敵を見失う」と言い、ふたりにとんでもないことをする。確かに相手の立場はわかったけど、これから先、どうやって生きていけばいいの!?



                        (双葉社HPより)


面白かったぁ~。
夫の浮気を疑い、離婚経験のある親友に相談する菱子。
それは相手に会って別れてくださいとお願いするべきとアドバイスされる。
自分は離婚したけど、それは間違っていたと。

そして夫の浮気相手と会い、口論になる。
あ~修羅場だね・・・・と思っていたら・・・・驚きの展開!!

見知らぬ老婆が口論の最中に現れて二人に説教。
そして、二人の姿が入れ替わる。
「相手の気持ちば芯までわかったら元にも戻れるけん」という言葉を残したまま消える。
唖然とする二人。

そこからが面白かった!

以前、父親と娘が入れ替わる小説があったけど、こちらは全くの他人同士。
お互いの家に向かい、お互いの生活環境もそのまま入れ替わる体験を通じて、相手のことを知る。


ラストはめでたしめでたし。
入れ替わったことで、お互いがそれぞれ良い影響を周囲の人たちにも与えたところも良かった。

この作者の本、久しぶりに読んだけど、とっても読みやすい♪


★★★★
 
780b0ce7.jpg   発行年月:2011年4月


この国の病巣にメスを入れよ! 近未来を透視する壮大なメディカル・サスペンス。

関西最大の都市・浪速で新型インフルエンザ・キャメルが発生した。経済封鎖されて壊滅的打撃を受けるナニワ。だが、その裏では霞が関の思惑が絡む巨大な陰謀が蠢いていた----。日本の大変革を目論む風雲児・村雨府知事は、未曾有の危機を打開できるのか。この国を救う“究極の処方箋”とは? 海堂ワールドの新たなステージ、開幕!


                                            (新潮社HPより)


新しいシリ-ズのはじまりか?
バチスタシリ-ズに続くシリ-ズ物になってもおかしくない内容でした。

最初は、海外から持ち込まれた新型インフルエンザ・キャメルの発生から、国内での混乱ぶりを描き、そのまま話は進むのか?と思ったら・・・・
過去の話に戻り、新型インフルエンザによる混乱は、官僚たちの思惑がらみであったとわかる。

そのあたりまでは、結構、面白かったけど・・・・・
段々と著者の考えるところの日本の改造論から成る話になっていき・・・
ちょっと読むスピ-ドがダウンしました(^^ゞ


そして、お決まりのAI導入の話に移り・・・あ~やっぱり話はここに来るのね?なんて思ったり。

でも、物語のなかに「そういえばそうだよなぁ~」ということも多々あり。

例えば・・・メタボ検診の意味ってあるの?っていうこと。
私自身もよくわからん検診だな~なんて思っていたので、医師である著者が

検証もなしで勧めるメタボ検診は予防医学として効果があるのか??には、共感しました!

今の医療制度の問題点、解決策のような物も挙げてあり物語というより、著者の考えを読んでいる感じでした。
いっそ国の医療制度改革のために役人になったらどうだろうか?
なんて考えるのはわたしだけか?


面白くないわけではないけど、物語としては、ちょっと難しい内容かな?
エンタ-テイメント性のあるもっと軽いかんじの小説の方が好みだな~。

真面目に語る本は、また別に出したらどうでしょ?(^^ゞ


★★★
 
02165f45.jpg発行年月:2010年7月


太平洋戦争末期、にわかに帝都防衛の拠点となった太平洋上の小さな島。強制的に連れてこられた朝鮮人の少年インスは、厳しい労働に従事しつつ脱出する機会を窺っていた。ある日、インスは島の少女キヨと出会う----。運命に翻弄されながらも結びついて行こうとする少年と少女を中心に、島という世界を丸ごと描き上げる鮮烈な長編。


                        (新潮社HPより)


図書館棚で見つけた本。

第1章 歴史
第2章 戦争が来た
第3章 <島>へ


これは著者が八丈島を訪れたのを機に書かれた物語だそう。
第1章は、序章のようなかんじで、島のル-ツみたいなものが書かれている。

第2章は、太平洋戦争末期。
戦時下というのに、比較的のんびりしていた島にも、大本営の作戦とかで島にも兵士が続々と来て敵艦の姿も見えるようになる。
島民は、ほかの地に疎開するよう半強制的命令が下る。

そんな時代、島民のキヨは、強制労働を強いられる朝鮮人のインスと出会う。
キヨも疎開しなければならなくなり、いっそ二人で島を抜け出そうか?と思ったり・・・
しかし、そんな事が出来るわけではなく、二人は別れる。
いつか戦争が終わって会えるはずだと信じて・・・・。


第3章は、戦争から随分経った現代。
東京から「光るキノコ」の存在を教えてもらい、島に写真を撮りに来たという女性カメラマ・有希たち。
キヨの娘で東京で美容師をしている娘・朝美に話を聞いたという。
カメラマンたちの案内役に、島で獣医をそているキヨの孫・照彦が買って出る。

光るキノコを探しながら巡る島の戦争の痕跡。
そして偶然、見つけたキヨにとってかけがいのない思い出のもの。


戦争の話だけど、重苦しくならず、楽しめた。
けれどやはり戦争って、本当に多くの人を苦しめて、多くの命を犠牲にして、最悪だな。

★★★
 
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