高2の夏休み前、由起と敦子は転入生の紫織から衝撃的な話を聞く。彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。その告白に魅せられた二人の胸にある思いが浮かぶ------「人が死ぬ瞬間を見たい」。由起は病院へボランティアに行き、重病の少年の死を、敦子は老人ホ-ムで手伝いをし、入居者の死を目撃しようとする。少女たちの無垢な好奇心から始まった夏が、複雑な因果の果てに迎えた衝撃の結末とは?
(本裏の解説文より)
前作の「告白」を読んだときの衝撃が、またあるのか?
そんな気持ちで本を開き、いきなり「遺書」で始まるのには、早くもビックリ!
↑の解説文にもあるように、二人の少女(幼なじみ)が、転入生から聞かされた衝撃の事実に心を動かされ「人の死ぬ瞬間をみてみたい」とそれぞれ思う。
二人はそれぞれ別々に「人の死を見る」機会がありそうな場を選んで働く。
ここで、二人が相談して行動してないというのが、いい。
「人の死を見たい」という言葉だけ見ると、なんて子たち!って思うかもしれないけど、わたしは、ある意味、普通の感覚かも?と理解しました。
こんな事かんがえるのはいけないことなのかな?という気持ちが少しあったから一人一人で行動に移したのかな?と。
そこで、自ら手を下したら困るのだけど・・・・・。
二人は、不純な気持ちではありますが、それぞれの場でそれなりに一生懸命、働いていたし。
「人の死を見たい」と思ってはいても、いざ、目の前で苦しむ人がいたら、自然に助けたいと思い行動する場面もあって。
微笑ましい場面もあり、普通の青春小説としても成立しそうな展開。
でも、そうはいかないこの方の物語!^^;
段々、それぞれが働く、病院の患者と老人ホ-ムの入所者に出てくる人たちが、結びついてきて・・・・最後は本当にまた衝撃的でした!!
少女たちが抱えていた諸々のことも、重かったし
最後は「告白」同様の後味の悪さが残りますが
思いがけず、友情の再確認が出来たり、ずっと会いたかった人に会えたりする場面もあったので、「告白」よりは、少し軽く読めたかな?
湊さん、こういう話ばかりずっとこれからも書き続けるのかしら?
普通の青春小説も十分、書けそうなのに。
刺激を受けたいために、また新刊が出たら読むこと間違いなしですが・・・笑
でも、こういう感覚って、少女たちが感じた好奇心とちょっと通じるものあるのかも・・なんてちょっと思ったりして。
人って、どこかで、自分に関係ない事なら残酷なことを見てみたいって思ってしまう生き物?
★★★★
PR
世界的ベストセラ-『悪童日記』の著者による初めての自伝
祖国ハンガリ-を逃れ難民となり、
母語ではない「敵語」で書くことを強いられた、
亡命作家の苦悩と葛藤を描く
(本の帯文より)
文芸誌の紹介文に惹かれて読みました。
1956年、ハンガリ-動乱時にまだ生後数ヶ月の娘を抱いて夫と共にスイスに亡命した著者。
彼女の幼い頃からの記憶を辿りながら、話は進みます。
幼い時は本を読むことばかりしていたが、やがて物語を作り、人を喜ばせることに自身も喜びを得たと。
しかし、国内は他国の軍に占領され、敵語であるロシア語を学ぶことを学校で強いられ、また成人した後、フランス語圏に辿り着いたら、今度はフランス語を生き延びるためには取得しなければならない事態。
話すことは、割とすぐ出来ても、読むこと、まして書くことに関しては遅れる。
自分のなかで、祖国の言葉が殺されていくようと書いている著者の言葉は痛烈。
歴史的背景をみても、一生日本で暮らす日本人には、こういう経験した人いないでしょうし・・・。
想像以上のそこには、苦しみがあったと思います。
しかし、自分は物語をつくり、書くことがしたい!と本来の自分の気持ちを取り戻したとき、ここで書くためには、話せるだけじゃだめなんだ。
文盲のためではいけない!と気づき
26歳で読み方を学ぶための大学の講座に登録し、勉強を始める。
そして、最初に発刊されたのが「悪童日記」とか。
その書は、多くの国の言葉に訳され、世界的ベストセラ-となったそう。
わたしは、まだ読んでいないのですが、近いうちに是非、読みたいと思います。
調べたら、3部作らしいので、根気要りそうですが。
歴史的背景には、過酷なことももっとあったと思いますが、それらにはあまり詳しく触れていません。
ただひたすら、自分が書くことに向かって生きてきた事実のみが記されているかんじ。
100ペ-ジちょっとの短い本なのですが、印象に残る本でした。
★★★★
昭和41年の東京下町。
山形・酒田から出てきた受験浪人生の康夫は、
住み込みの<個室あり>のふれ込みに惹かれて、Y新聞販売店で働くことに。個室といっても段ボ-ルで仕切られただけのもの。
同じように住み込みで働く仲間と、配達先で出会う人々との関わりを描いた青春小説。
著者の北氏は、確か山形県酒田の出身。
以前、読んだ「汐のなごり」でも故郷の物語を書いていました。
故郷の酒田が、きっと好きなんですね。
「汐のなごり」は時代物でしたが、こちらは、ちょっと前の話ですが現代物。
主人公の康夫が、40年前のことを振り返るという形で物語が始まります。
昭和41年の東京といえば、ちょっと前に読んだ奥田英朗の「オリンピックの身代金」と同じ時代。
ちょっと共通するような話もありました。
大学受験に失敗し、故郷で浪人生活をしても合格の見込みは少ないのでは?と考えた康夫は自分の意志で東京に出て、そこの予備校に通うことに決めます。
国立大学入学を目指して。
目標に向かって、慣れない環境でヘトヘトになりながらも懸命に生きる主人公の姿は自然と応援したくなります。
でも、途中、配達先の高校生・サキと出会い、恋に落ち、一時、勉強よりデ-トに夢中になるところでは、苦笑い。
ま、若いから仕方ないけど・・・^^;
でも、これがまた一大事へと発展するのでハラハラ。
出てくる人たちが、一風変わっていて、可笑しい。
でも、みんなそれぞれ夢に向かって真剣に生きてるんだろうな~。
そんななか、浪人生の矢田は、気の毒だったなぁ~。
東大合格後、3ヶ月で休学しその後、退学・・・しばらくして、再び受験、合格・・・・でも入学手続きせず・・・なんで!?
その理由は、哀しい。
勿体無いなぁ~。なまじこんなに頭良くなかったら、別の人生あったかもしれないのに。
でも、それは矢田の性格だから、同じなのかな?
なんて、主人公・康夫の将来よりも、こちらに興味の矛先が変わりました。
最後、再び、現在の康夫に戻って語る話しで、あ~みんなそれぞれ大人になったのね?
と嬉しかった。
表題の「鳥かご」読む前は「なんのことかな?」と思いましたが、なるほど!
ま、これはすぐ分かることですけどね。
★★★
中学校の惨劇はなぜ起きたのか?
いじめを受けつづけた少年たちがとった、最後の行動とは・・・・・。
「普通の中学生」の日常をリアルに描き、《心の闇》に迫る問題作!
ぼくが書いているノ-トは、(中略)さいしょのペ-ジの下のほうに、「計画」という文字と二本の交差させた骨が描いてある。Xの形だ。
ぼくに話しかけなかったり、返事しなかったりしたか、一日ごとに表にしてある。一回につきひとつずつ、X形の骨をたてに描いていくんだ。(中略)月曜日が木曜日をおさえて、いちばん多い・・・・・・・・・・(本文より)
(本の帯文より)
たまたま、図書館の棚で見つけ、なんとなく借りてきました。
読み始めたら、主人公は中学生だし、一般書のコ-ナ-にあったけど、これは児童書かな?なんて思っていましたが、全く違いました。
これは、子どもの事を理解しようとする大人が読む本だと思います。
物語の主人公・エドウィンは日本でいう中学二年14歳。
はっきりしたいじめの理由はわからないのだが、何故かいじめられ、それを見ている者たちもいじめている側の味方。
先生たちにも、目を付けられていて、親が呼び出しをかけられることもある。
唯一の友・フレイクと会話することだけが心のよりどころ。
二人の少年は、お互いの親の事にも不満を持っている。
が、家のなかでは、普通の子ども。
二人の少年の両親はそれぞれ健在で、それなりの社会的地位がある。
今まで少年犯罪の物語を幾つか読んで来ましたが、それらと違うのは特別寂しい家庭環境にあるとかではなく、いわゆる普通の家庭の子だということ。
両親たちも、子どもに特に無関心だったりではないし・・・。
会話もある。食事も家族揃ってしている。
そういう状況の子どもでも、何らかの事態が、子ども達の心を壊し、最悪の犯行を犯してしまうことに恐怖を感じました。
少年・エドウィンが語り手となり、毎日の出来事を淡々と語りながら、最後は、友人・フレイクと二人で銃を乱射し、学校内を惨状の場に変えてしまう。
いったい、どうしてこんな事が起こってしまうのか?
どうしたら、よかったのか?
考えても、考えても、わからない。
日本では、銃の規制がアメリカよりは厳しいので、このような事件はまだないけど、銃以外の無差別殺人はあるし、全く、関係ない話ではないと思う。
この小説の少年たちと同年齢の子どもを持つ親としては、考え込んじゃう重たいものだけが残る話でした。
上手く書けないけれど、だからと言って、読まない方がよかったとは思わない。
読んでよかったと思いました。
★★★
あたしは必ず、脱出してみせる---- -----。
32人が流れ着いた太平洋の涯の島に、女は清子ひとりだけ。いつまで待っても、無人島に助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。果たして、ここは地獄か、楽園か?いつか脱出できるのか---。よくを剥き出しに生に縋りつく人間たちの極限状態を容赦なく描き、読む者の手を止めさせない傑作長篇誕生!
(新潮社HPより)
結構、好きな作家さん。
いつものように図書館から借りたので、随分、順番を待ちました!
でも待った甲斐あり、おもしろかった!
無人島に32人が流れ着いたといっても、一度にじゃないのね。
最初に主人公である女性・清子とその夫・隆が乗っていたクル-ザ-大破により流れ着き、その後、日本人のフリ-タ-の若者たちが流れ着き、また暫くして、中国人の密航者、フィリピン人と島民が増えてゆく。
清子は46歳。島で唯一の女性ということで最初は、男たちからチヤホヤされる。
本人もその状況をまんざらでもなく受け入れていて、日本にいるときには、貞淑な妻だったのに、何やら野生化していく様子は滑稽。
夫の隆は、島に馴染めず体調を崩し、ついには謎の転落死を遂げるが、清子はさほど悲しそうではなく、次の夫を迎える。
何とも気の毒なご主人。
清子は、状況を見て、自分の得になることを素早く判断し行動に移す。
身勝手なようだが、生き延びるためなら仕方ないのかも。
日本人の中でも嫌われ者は、皆と離れた箇所に追い払われ、後から来た中国人たちも日本人は嫌い遠ざける。
しかし、その場凌ぎのやや能天気ぎみの日本の若者に比べて、中国人たちはサバイバル能力は勝っている。
そこにある道具を工夫して使い、塩を作ったり、火をおこしてちゃんと調理したり。
そんな様子を観察して、清子は中国人(皆はホンコンと呼んでいる)たちに近づく。
そして、日本人たちを裏切る行為。
島には、幸いなことに食べ物は結構、豊富にあるようで、それだけでも危機感は半減かな?
これで食べ物も少なかったらもっと悲惨なことが起こったでしょう。
実は、読む前は、それを想像していたので、覚悟していたのですが・・・。
争いはあるけど、なんだか少しリアリティないかんじで最後まで可笑しく読みました。
実際、笑える箇所もあったし。(亀仙人・・・想像して吹き出しました)
最後、ホントに脱出できるのか?気になっていましたが・・・なるほどそういう結末でしたか?
結構、生き残った者、それぞれがその状況を受け入れて明るいかんじなのでホッとしました。
以前、何かの雑誌(だったかな?)の記事に、この話と似た事実は昔あったと読みました。
島の名前がちょっとおもしろかったので、覚えていました!
思い出して探したら・・・アナタハン島事件というのが、ありました。
気になる方は、飛んでみてください。
何らかのヒントにしたのかな?
桐野さん、新刊が出ましたね。
そちらも図書館で予約待ち。
早く読みたいなぁ~
★★★★
カレンダー
| 07 | 2026/08 | 09 |
| S | M | T | W | T | F | S |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||
| 3 | 5 | 7 | ||||
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 | 31 |
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(08/08)
(08/06)
(08/04)
(08/02)
(07/31)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア
