鈴音と和歌子、上条姉妹の前に現れた謎の女、御堂吹雪。
鈴音と同じ能力を悪用して他人の秘密を暴き、恐喝の種にしている。鈴音への憎しみに満ちたまなざしに秘められた理由とは?
大好評『わくらば日記』に続編登場!
(角川書店HPより)
『わくらば日記』は2005年の発行。
わたしも確か、その年に読んだと思います。
昭和の懐かしい時代を描いたような、なんともノスタルジックな雰囲気が好みでした!
そして、今回も不思議な力を持つ、鈴音と、その妹の活躍。
鈴音は、人や物の過去の思い出を見る力があり、前作でも、いろいろな事件解決にその力を発揮していました。
ただ、鈴音自身は、とてもおっとりした性格で、自ら進んでその力を使おうとは思っていないところも好感が持てました。
妹の和歌子(ワッコ)は、お転婆な感じで姉を時には庇ったり、姉の言い難い心中をズバリ代わりに言ったり・・・・そんな姉妹の絶妙なコンビネ-ションが今回にも活きていて楽しかった。
登場人物で気になる存在の薔薇姫(御堂吹雪)の登場で、今回は、この同じような力を持つ者同士の話かな?と思いきや・・・意外と出番が少ない薔薇姫。
やや肩透かしの感を否めないのですが、ま、先へのお楽しみということでしょう・・・^^;
薔薇姫以外の話もなかなか面白かったので、今回の追慕抄もわたし的には大満足。
昭和20年の東京大空襲や、昭和29年の青函連絡船沈没事故などを体験し、その後も心の傷を抱えて生きている人たちの話は切なかった。
それらの人の心を優しく思いやる鈴音の特殊能力の使い方は好き。
薔薇姫は、その点、ちょっと乱暴で、真実のみを伝えるだけの横暴さ。
この書の中では、2人の何やらありそうな因果の部分も明かされず、第3弾が待ち遠しい!
薔薇姫は、鈴音をすごく恨んでいる様子なのも、どうして?
それと、これは、和歌子が成人して、かなりの年になってから、昔を回想する形になっていますが、鈴音は若い時に亡くなったとも。
そのことも気になります。
兎に角、気になることだらけで、終わってしまって・・・・
また来週~と良いとこで終わるドラマみたい。
朱川さん!記憶が薄れないうちに、ぜひとも続きを早く書いてください!!(笑)
★★★★
恋人を弔うために東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。-------はずだった。
ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。
不可解な想いを胸に自宅に戻ると、存在しないはずの「姉」に出迎えられた。
どうやらここは、「僕の産まれなかった世界」らしい。
(本の解説文より)
軽快なかんじで書かれていますが、よく考えると重い状況。
崖下に転落し、「死」を覚悟した主人公・リョウ(高校1年生)が気が付いたら、見慣れた地元の街中に戻っていて、自宅に帰った先で、遭遇したのが自分の世界では存在しない「姉」。
お互いに、別の世界の第2子なんだと理解し、それぞれの家庭の状況や学校の友達関係のことなどを教えあう。
そんななかで、リョウは、自分のいる世界より、こちら側にいる皆が平和そうだと気づく。
ちょっとそれって、切ないなぁ~。
自分の世界では、事故で死んだ兄も、やはり事故で死んだ好きだった女の子も生きている。
両親の関係も、明らかに姉の存在している世界の方が、円満そう。
自分がいるより、姉がいるほうが良いということか?
表題の「ボトルネック」の意味も本文中にあったけど、ボトルネックは自分なのか!?
と、悩んじゃうリョウが気の毒。
救いがないじゃない!?可哀相過ぎる・・・・。
ラストはどうなる?と思ったら、元も自分の世界に戻るのだけど、この先どういう気持ちで生きていくんだろ?と想像したら、胸が痛くなっちゃった。
あまり後味よくないわ~。
話としては、なかなか面白いのだけど・・・・。
幼い命の死。報われぬ悲しみ。
遺された家族はただ慟哭するしかないのか?
良識派の主婦、怠慢な医師、深夜外来の常習者、無気力な公務員、尊大な定年退職者。
複雑に絡み合うエゴイズムの果て、
悲劇は起こった・・・・・・
(本の帯文より)
複数の人のそれぞれの日常が交互に書かれます。
普通の暮らしのなかで、ちょっとしたル-ル違反。
家庭ごみを出先のサ-ビスエリアに捨てたり、暇つぶし半分で道路拡幅工事に伴う街路樹伐採に反対のクレ-ムをつけたり、退職後の虚しさを埋めるため、犬を飼い、その散歩に出かけることに充実感を得るが糞の始末はしなかったり、虚弱体質ゆえ、頻繁に風邪をひくが、混みあう昼間の診察へは行かず、空いている夜間救急外来を利用したり・・・・・・などなど。
ここに出て来る事は、わたしはやってない!と半ば呆れながら読んでいましたが
その小さなル-ル違反が、少しずつ繋がって、一人の幼い命が犠牲になってしまって・・・
なんともやり切れない気持ちになりました。
誰が一番、悪いのか?
簡単には言えない状況で、幼い命が犠牲になったことには、皆、胸を痛めるが自分は悪くないと言い張る人たち。
命を落とした子の父親がル-ル違反者たちを新聞記者という職業柄もあってか、調べて追い詰める。
気持ちとしては、わかるけど・・・・ちょっとその行為は引いちゃいました。怖いです。
そのなかで、医師が夜間診察の常連者の名前を言ってしまうのにはビックリしましたが(笑)
普通、こういう事は医師や看護師なら言いませんからね^^;
一人一人にル-ル違反を責めていきながら・・・・最後にふと気づくこと。
切ないけど気づいてよかった。
後味は、あまりよくない話ではありますが、なかなか考えさせられるものでした。
わたしも何か知らずに人の迷惑になってる行為してないかしら?と不安になりました。
発行年月:2007年1月
人生には4つの小さな学校(スコ-レ)がある。
家族、恋愛、仕事、そして---------
骨董品店の三人姉妹として生まれた麻子は、欲しいものを人と最後まで争ったことがない。すぐ下の妹、七葉のように欲しいものを人に渡さないほどの執着がない。親友のように仲のより七葉は美しい子で、そのため子供の頃から可愛さで勝負することはあきらめていた麻子だったが、骨董店で父親から美しいものを見せられて育った審美眼が認められ、繊細な感受性を持った女性に成長していく。
丹念に重ねられた日常の描写から立ち上がる瑞々しさに定評がある著者初の書き下ろし長篇。
(光文社HPより)
宮下さんの作品は前にも2つほど読んでいるかな?
心理描写がやはり上手い!
物語は4部制で、麻子の成長を順番に追う形。
NO・1では、中学生になったばかりの麻子。姉妹のなかでは大人しく、すぐしたの七葉のように強く主張したりは出来ない。なんだかどれを取っても七葉には負けている感が強い麻子。
一番下の妹、沙英とは年がかなり離れているので、いつも面倒を見てあげるべき子と思っている。
友達の好きな人と自分の好きな人が同じ!?と少々、複雑な心境になったり。
要するに、良い子なのです。麻子は。
そして長女らしい長女かな?
NO・2では、共学の公立高校に進学した麻子。
いとこの槇にちょっぴり恋心を抱いたり・・・・・でも妹の七葉も同じ気持ちなのだと気づいて、またまた複雑な心境に陥る。
NO・3では、国立大学の英文科に進学した麻子。
七葉から離れよう・・・いつまでも負け続けてしまうという思い。
初めて男子から「可愛い」と言われてもすぐに本気にせず・・・何十回目に同じように言われて初めて向き合い付き合うことに。
そうそう!男子がこのくらい強引なくらいじゃないとダメね、この子は・・・なんて思ったりして^^;
卒業後は、貿易会社に勤め、いつのまにか恋人は別の人に。
この男子も告白したみたいで・・・・あれれ?本人が思うのと違って、魅力のある子なんだ!と気づく。
しかし、週末も仕事でなかなか恋人と会えず・・・・「このままの状態が続くなら。。。仕事を辞めれば?」の言葉を境になとなく溝が出来たかんじで付き合いは消滅。
自分も好き!と強く思える相手には、まだ出会ってないんでしょうね・・・・。
現場を先ず学ぶの会社の方針で靴屋の販売員として2年働く。
職場の人たちに恵まれ、最初はうまく溶け込めないが少しずつ、仕事の面白さを実感していく過程が良かった!
NO.4では、会社の本社に配属が変わり、靴屋の現場から事務仕事に。
ここでも最初は要領を得ず、四苦八苦の日々。
しかし、真面目に取り組み、あるとき、イタリアの買い付けに同行することが決まり、上司たちとイタリアに。
彼女は靴の買い付けを任される。
不安いっぱいでの買い付けだったが、2年間靴屋で培った販売の経験が役立ち、途中からは、買い付けが楽しくて仕方なくなる彼女。
それを同行していた先輩が見ていて褒めてくれる。
自分のことを見ていてくれる。わかってくれていると思える男性がそばにいてくれるっていいな~。
初めて、麻子自身が好きだと思える男性かな?このまま上手くいけばいいのになぁ~と思いながら読んでいました。
そしてラストは、本当にステキ。
ず~っと読んでいると彼女の頑張りを見守り続けた応援者の気持ちになるので、彼女には、きっと幸せな未来が続いていくんだと思える感じは嬉しかった!
★★★★★
ねえ、覚えてる?空から蛇が落ちてきたあの日のことを---
本と映画と音楽・・・・・それさえあれば幸せだった奇蹟のような時間。青春小説の新たなスタンダ-ドナンバ-誕生!
(河出書房新社HPより)
楡崎綾音、戸崎衛、箱崎一、3人は高校の同級生。
高1の夏、授業である町の聞き取り調査をするが、そこで不思議な光景を目撃する。
上の方から蛇が落ち、下を流れていた川を泳いでいく光景。
やがて、彼らは大学に進学する。偶然にも同じ大学。
しかし、それぞれが別のサ-クルで活動し、会うのは、たまに。
物語は三部構成。
第一部は、綾音が一人称で語る。小説家になりたいと思う女の子。
第二部はジャズに打ち込む衛の話を第三者が語る。
第三部は卒業後は映画監督になった一がインタビュ-を受けるなかで思い出す学生時代の話。
それぞれの話のなかで、ほかの2人も出てきて、段々に3人の関係がどういうものだったのか想像できるのが面白かった。
表題の「ブラダ-・サンシスタ-・ム-ン」は、高校時代、3人が初めて一緒に映画館でみた映画の題名。
イタリアに12世紀に生まれた守護聖人、聖フランチェスコの若き日々を描いた映画だそう。
どんな映画でしょう。
綾音は見ながら怖がっていたみたいだけど。。。
学生時代の3人の暮らしぶりが描かれているだけの物語なので、他人から見たら取り留めもない物語。
でも、こういう取り留めのない日々の連続も過ぎたあと、振り返ると今の自分をつくる基になっていたりするのかも。。。
三部で映画監督になった一がインタビュ-を受けながら思い出す学生時代の日々の話を読みながら何となくそう感じました。
ここには、3人の学生時代、小説、音楽、映画に夢中になるそれぞれが描かれていましたが、これは著者の恩田さんの学生時代とも考えられます。
ファンの一人として、それを想像しながら読めたのは楽しかった!
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
