苺、桃、マスカット……鮮やかな果実に囲まれて娘は育った。
捨ててきたはずの故郷と母、交わされた約束。
停電の夜に、記憶の灯がともる。
みずみずしくて甘酸っぱい、家族の物語
(中央公論新社HPより)
主人公・鈴子は、夫の誠一郎と盲導犬の茶々とアメリカで暮らしている。
誠一郎はピアノと作曲をニュ-ヨ-クにあるカレッジで教えている。
鈴子の実家は、青果店。
母親が祖母から受け継いで営んでいる。
鈴子のアメリカでの暮らしぶりと、日本で過ごしてきた思い出を回想するかたちで物語が進む。
まだ祖母が元気だった頃の思い出だったり、2つ上の幼馴染・隆史との初恋の思い出だったり、
誠一郎と出会い、付き合いが始まった頃の思い出だったり・・・・
そこにはいつも、母・咲恵が、鈴子に対して話した言葉や態度が絡んでくる。
娘を心配する気持ちからだと頭ではわかっていても、どうして母親の言葉って、素直に聞けないんだろう?
反発して、心にもないひどい事を時には言ってしまったり、それでまた喧嘩になったり・・・
娘なら、ここでのやり取りは、自身の母親とのやり取りにも過去あったものではないかな?
各章が果物の名前になっている。
第一章 夏みかん
第二章 すももと枇杷
第三章 グレ-プフル-ツ
第四章 苺
第五章 りんごとみかん
第六章 栗と苺
第七章 ゆず
果物の部類だと思っている「苺」は、スパイなんだという例えが面白かった♪
鈴子の夫・誠一郎さん、素敵な人だったなぁ~。
盲目であるけど、ほかの人が見えないものも、ちゃんと見えている。
わだかまりをもった母と娘が最後は歩み寄れたのも誠一郎さんの力もあるかもね。
★★★★
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世田谷区、松陰神社前駅から徒歩15分。
女性専用の下宿「タマヨハウス」には、年ごろの三人の女が暮らしていた。
弁護士を目指す涼子、アパレルのデザイナーとして働く撫子、
そして不条理なリストラに遭い、人生にも道にも迷い続ける柊子。
幸せでも不幸せでもない日常を過ごしていた彼女たちだが、
春の訪れとともに現れた真面目だけが取り柄の臨時管理人の過干渉によって、
少しずつ「足りない何か」が浮き彫りになっていく。
(ポプラ社HPより)
表紙から子どもが主人公の児童書?と思ったけれど、違いました。
そして、なんとなく哀しい話かな?と勝手に想像して読みましたが、それもハズレでした。
女性専用の下宿屋「タマヨハウス」に暮らす3人と、管理人のタマヨがアメリカの友達(恋人)の看病のため渡米し、代わりに管理人として来たのは、トモミ。
トモミはタマヨのいとこ。そして、男性だった!
でも、タマヨが今までやっていた通り、朝、晩の食事の用意から細々した日常のことを完璧にこなしてくれる。
そして、思ったことをズバズバ言う。
下宿人の3人の女性たち
涼子(26歳)・・・・弁護士を目指す司法浪人生
撫子(36歳)・・・・アパレルデザイナ-、24歳の上堂薗くんに結婚を迫られている。
柊子(34歳)・・・・前の会社で横領の濡れ衣を着せられリストラ後、就職活動中
3人には、それぞれに父親とのことで、抱えている想いがある。
表紙の絵は、柊子が幼いときの記憶。
それは父の葬儀に参列したときの記憶。
よくわからないけれど、黒い服を着せられ、なぜか不機嫌な母親に連れられ姉とともに葬儀会場に向かった幼い柊子。
雨が降っていたので、持っていた赤い傘をさして、先を歩く母を必死で追う。
表紙の絵から、何か悲壮感が漂ってきましたが、実際には、父親の記憶は乏しく、姉から後にそのときの状況を聞く柊子。
ほかの二人も父親との関係には、ちょっとした確執があるのだけれど、管理人のトモミさんからのアドバイスだったり、タマヨハウスに集う人たちによって、その確執が少し和らいでいく。
自分の心の中で悶々としていることも、こうして良い方向に向かうことって、良い人間関係のなかに居る人にはあるだるだろうなぁ~。
こういう人と人との関わり方、いいなぁ~。
素敵なお話でした♪
ほかの本も読んでみよう!
★★★★
私たちは無力だけれど、傍らに立ち、そっと寄り添うことができる。
男の求愛に破滅していく0Lが語る衝撃の表題作。
しだれ桜の下に立つ白い男とは。教会に現れた野生児は神に選ばれし者なのか。
残された日々を生きるがんの父に寄りそう娘の決断は…?
魂を揺さぶる四編の愛の物語。
(角川書店HPより)
表題作「私の愛した男について」だけ書き下ろし作品で他の3編は、既に発表の作品に多少加筆して1冊の本にしたらしい。
表題作は、一番最初。
妻子がありながら、部下の私に接近し、関係を求める男性・高野。
セックス依存症とか。
う~ん、こういう病気本当にあるらしいけど、その標的にされたらイヤだな。
病気とはいえ、高野には嫌悪感を抱いてしまう。
しかし、それを淡々と受け入れていく主人公の女性の心理がわたしにはわからない。
奥さんからあの人は病気だから気をつけてと忠告されても、関係を続け妊娠。
う~ん。わからない。
好きになってきたということなら少しは理解出来るのだけど・・・・
「幻桜」
知的障害者のみっちゃんと脳性まひの女性の物語。
ともに障害を持ち、意思疎通が困難な二人だけど、気持ちは通じあっていた。
切ないけれど、温かいものも感じた。
「命のつけし名は」
ある日、教会に訪れた不思議な青年。
牧師さん夫婦は、その青年を預かることにする。
先天性の聴力障害を持つ青年は、その病気のため生きていく術を知らなかった。
牧師夫妻が温かい愛情を注ぎやがて、別の場所で暮らした青年の成長ぶりに
じ~んとした。
「森に還る人」
骨折のため入院した病院の医師により肺に癌があることが発見される。
余命わずかなステ-ジまで進行した癌のため、ホスピスに転院することになった父。
ホスピスに入るには、本人への病気の告知が前提。
告知のとき、泣いていた父だが、その後はそんなことを忘れたように明るい表情。
人が死ぬことは避けられないけれど、その最期のときに、自身も周りも納得した末の死が理想的と思う。そういう意味ではこの物語の父娘は、理想的な死を迎えたのかも。
そういう最期を迎えた人の死は哀しいけど、なんだか清清しいと思う。
どの話も読み応えがあり、良かった!
★★★★
北千住の洋館を改装した<弓島珈琲>。店主の僕(弓島大)はかつて、恋人の死に関する事件に巻き込まれた。その時関わった刑事の三栖は、今では店の常連だ。近所の小学生の少女から、いなくなった姉を探してほしいと頼まれた僕。少女の両親は入院と言い張り、三栖も何かを知るようだが、事件性がないと動けない。そんな折り、麻薬絡みで僕の恋人を死に追いやった人物が出所。事態は錯綜するが、店の営業も中学生の少女探しも続けなくてはならない……。
(実業之日本社HPより)
主人公・弓島大は、随分前に読んだ「モ-ニング」でも登場するらしいけど、ちょっと確かな記憶なく
彼が抱えた辛い過去のことも読んでいく途中に何となく思い出したかんじでした^^;
ダイが営む喫茶店に来る常連客や登場人物の面々が皆、いいかんじ♪
刑事の三栖、高校生カップル、中学教師、商店街の世話好きおばさんなど。
しかしゆるりとしたかんじの弓島珈琲に、誘拐事件?麻薬取引?の二つの事件が関わってくる。
ダイの過去の話にも絡んだものなんだけど、その辺は前にも書いた通り、よく思い出せず残念だった。
「モ-ニング」をもう一度読んでみなきゃ

しかし、終盤、誘拐された子どもが居るのでは?と突き止めた場所に、作戦を練って突撃する様子は面白かった!
真剣な場面なんだけど、ちょっと笑える。
しかし、さすが刑事の三栖は格好よかったなぁ~。
事件の真相は、わかったけど、ちょっとスッキリ感がなかったな。
出てくる人たちは味があって、良いので、過去の事件が絡まない話だけでも良かったのでは?と
個人的には感じた。
★★★
この世はすべて幻影?
震災後の生と死を鋭く問う問題作
郷里を離れ東京で酒造メ-カ-に勤める熊沢武夫。
震災後に起きた不思議な出来事をきっかけに、
ある女性の顔が浮かぶ・・・・
(文藝春秋HPより)
予備知識なしで読んだので・・・^^;
冒頭に、起きた不思議な現象を読んで、パラレルワ-ルド的なはなし?と思ってしまった。
郷里の母から電話で、「こっちに帰って来てたのなら、知らせなさい」と言われ「?」と思う主人公・武夫。
バス停付近にあったネ-ム入りのレインコ-トを駐在さんが届けてくれたという。
そして、ポケットには子どもの頃からの好物m&mが入っていた。
郷里に帰った覚えは全くない武夫は混乱する。
そして、そのコ-トを送ってくれるように母親に頼む。
届いたコ-トは、自分が少し前に百貨店で購入したものと同一で、自宅にちゃんとそれはあった。
そして、m&mのほかに、内ポケットから、SDカ-ドも出てきた。
そして、そのなかに入っていたデ-タは、武夫が仕事用に使っているSDカ-ドと全く同じであった。
ただ、知らない女性の写真など、自分で撮った記憶がない画像もあった。
不思議なことが次々起きながら、その真相ははっきりとはわからない。
でも、そんなことがあっても別に不思議じゃないのかも・・・・なんて物語を読んでいくうちに思ってしまった。
物語のなかには、3.11の震災も出てくる。
武夫の祖父が話してくれた過去の大水害の悲惨な状況も。
人が死ぬことについて書かれていた。
死だけが誰にも訪れる平等なこと。
そのほかのことは幻影のようなものなのかも。
そんな風に考えると、どんな辛く哀しいことが目の前に起きても少し受け入れられるかも。
読みながら、「死」とか「時間」について、考えさせられた。
なかなか深い話でした。
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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