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読んだ本の感想あれこれ。
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41fkEd2MonL__SX230_.jpg   発行年月:2011年6月


   届け、この思い。
   明日の日本のために-----
   1羽の伝書鳩が運んできた50年前のSOS
   時を越えて2人の男をつなぐ奇跡の行方は?
   ファンタジーノベル大賞受賞の気鋭が贈るハートフル・サスペンス!

未曾有(みぞう)の危機に、すべてを託された1羽の伝書鳩
高度経済成長真っ盛りの昭和36年、明和(めいわ)新聞の記者・坪井永史(つぼいえいじ)の元に日米安保に絡む特ダネが舞い込んだ。情報提供者は女子大生・山岸葉子(やまぎしようこ)。だが接触した直後に彼女は失踪してしまう。かつて戦地で死に別れた軍鳩(ぐんきゅう)・クロノスと瓜二(うりふた)つの伝書鳩を伴い、坪井は葉子の消息を追う。だが、訪れた米軍基地・川俣(かわまた)飛行場で正体不明の一党に拉致(らち)されてしまう。50年後の平成23年、アルバイトの溝口俊太(みぞぐちしゅんた)は明和新聞の屋上で1羽の鳩と出会う。鳩の足につけられた通信管には、日本の命運を握るメッセージが……。



                                           (祥伝社HPより)

すごく良かった!!物語に惹き込まれて読み続けました。
ファンタジ-の要素もあるけど、戦中、戦後の日本の重苦しい時代背景もあってか、すごく重厚なかんじのお話でした!

中村さんの話は、いつもいろいろな資料をたくさん調べたうえで物語を構築されたじゃないかな?と思わせる物語で、読み応え十分です。

今回は、時空を越えて現代に住む青年・俊太と50年前の世界で危機的状況に陥る永史が伝書鳩(名前はクロノス)を介して通じるとお話。

二人が交錯する前に、それぞれの話が交互に進行。

永史は戦地で激戦を体験していた。伝書鳩の世話をする係り・鳩兵だった。
ことさら可愛がっていた鳩をクロノスと名づけていたが激戦中に死んでしまった。
終戦後、永史は明和新聞社の記者として働くが、その新聞社の鳩舎でクロノスの生き写しか?と思うほどの鳩の雛を目にする。

俊太はもうすぐ30歳。
最初に勤めた会社で、心理的ストレスからうつ病になり自ら退社していた。
従兄弟・優介の勧めで彼が勤める明和新聞社のアルバイト員として働くことになる。
そしてある日、社の屋上で迷い鳩を見つける。
普通の鳩と思ったが、以前、使われていた鳩小屋のなかに入っていった。
レ-ス中の鳩が何か助けを求めているのか?


交互に語られた二人が一羽の伝書鳩・クロノスによって繋がる。
全く違う時代なのに、クロノスが時空を超えてそれぞれのメッセ-ジを繋ぐ。

戦時中の日本とアメリカの関係、日本国内の紛争、いろいろな過去の事象も交えた話もあって、ここではクロノスがもしかしたら起きていたかもしれない日本の危機を救うという大きな話にもなっている。
そして、ラストにはびっくりで嬉しい対面も!


図書館になかなか入らないので、リクエストして入れて貰った本。
うしろに予約者も少ないから、まだメジャ-じゃないのかなぁ?

以前、読んだ本もすごく良かったので、わたしのなかでは新刊が出たら必ず読みたい作家さんの一人です。!

                                      ★★★★★

 
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448c567b.jpg   発行年月:2011年7月


   死んだ人の部屋に住むのが彼女の仕事
   自らの不貞で離婚をし、戻るべき家を失い
   事故物件に住むことを仕事にしたりさ子。
   移り住む先々で人と出合い、衝突することで彼女は何を手放し、何を取り戻したのか。
   人生再生の物語。


                             (集英社HPより)



なかなか面白い話でした。
主人公の内田りさ子は、相場不動産から依頼された部屋に住むのが仕事。
住む部屋は、変死などがあった事故物件。

部屋を貸すものは、事故直後に部屋を借りるものには、そういう物件であることを知らせなければならないというきまりがある。
多くの者は、そのような部屋だとわかれば借りたがらない。
なので、りさ子が住むことにより、部屋がロンダリング(浄化)されれば、また何事もなかった部屋のように貸すことが出来、部屋の所有者には有難い。

りさ子は、感情表現が希薄。
なんだか浮世離れしているような不思議な人。
事故部屋に仕事とはいえ、躊躇なく住める。

いったいどんな過去があったのか??とそちらにも興味が沸く。

ロンダリング期間は意外と短く、住む場所はいろいろに変わる。
そんななかで、出会う人たち。
すぐ居なくなるのだから・・・とあえて人と関わらないようにしてきたりさ子の生き方を変えるキッカケを作ったのは、ロンダリング依頼したアパ-ト経営者・真鍋夫人。
真鍋夫人を介して、食事に通う「冨士屋」で、成り行き上、仕方なく手伝いをするはめになり・・・・


少しずつ、りさ子の過去の話もわかって、辛い目に遭って来たんだなぁ~と理解したら、なんとかりさ子自身が別の生き方を見つけられたらいいのになぁ~と見守る気持ちで読み進め
ラストは、その想いが叶いそうなかんじで終わってくれてホッとした。


淡々と描く人間関係のなかに、温かいものも感じられて、なかなか面白かった
次の作品も期待したいです!


★★★★
 
 
51yHGXB2tkL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年8月


市営斎場前に建つ、一軒のうどん屋。暖簾をくぐるのは、命の旅立ちを見届けたひとたち-----。
いま、届けたい物語。

中学二年生のよっちゃんは、祖父母が営むうどん屋『峠うどん』を手伝っていた。『峠うどん』のお手伝いが、わたしは好きだ。どこが。どんなふうに。自分でも知りたいから、こんなに必死に、汗だくになってバス停まで走っているのだ。
おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん。そして『峠うどん』の暖簾をくぐるたくさんの人たちが教えてくれる、命についてのこと-----。

わからないことはたくさんあるの、あっていいの、いまは……




                                      (講談社HPより)


いつも泣かせてくれるなぁ~。

14歳の淑子がうどん屋を営む祖父母の手伝いをしながら学ぶことは、読みながらわたし自身も学ばせてもらったというかんじ。

職人気質っぽいおじいちゃんと、接客上手なおばあちゃん。
この二人がいい!
特におばあちゃんの語るウンチクはメモに取っておきたいようなことばかりでした!

うどん屋のそばに市営の斎場が出来、そこに集う人が、うどん屋に立ち寄ることも多い。
人の死に向き合った人たちに接し続けることで、気づくこと。

後ろの方の斎場の霊柩車を運転するトクさんと別れた奥さんの話は、感動した。
認知症を患ってる元妻の和子さんは、トクさんに会いたがっているというけれど、トクさんは会いにいかない。
それにはちゃんと筋の通った理由があった。
なるほどね・・・・。

見送るひとは死んでいく人に、後ろ髪を引かせちゃだめ・・・・


涙腺を刺激されながら、アッという間に読了の上巻でした。
下巻も読むのが楽しみです。


★★★★
 
51i7E7pprYL__SX230_.jpg   発行年月:2011年9月


   今、恋や友情を育(はぐく)んでいるあなた
   そして1980年代に青春を過ごしたあなたへ
   夢見がちなマンガ少女だった鮎子
   気が強いけどどこか陰のある美少女、武美
   30年ぶりに再会したふたりのでーれー(=ものすごい)熱い絆(きずな)の物語

   「ずっとあなたに伝えたかった──」


                                          (祥伝社HPより)

1980年代に青春を過ごしているので、主人公たちの会話が懐かしかったなぁ~。

今は40代半ばの佐々岡鮎子は、漫画家として活躍している。
ある日、懐かしい母校の高校での講演会依頼が来る。
久しぶりの懐かしい同級生たちにも会いたい!
そして、27年ぶりに岡山に向かう。

物語は、27年前の高校生だった鮎子たちの話と現在と入り混じりながら進む。

中学卒業と同時に東京から岡山に父親の転勤で引っ越してきた鮎子。
最初は、岡山弁がうまく使えず苦労するけど、それがいつしかニックネ-ムになってしまうのも楽しい♪
「で-れ-佐々岡」って・・・・笑

会話の内容に、昔懐かしいテレビ番組や芸能人が登場して、一気に自分もその時代のことを思い出したりした。
毎日、学校で友達と話すのがすごく楽しかったなぁ~。

鮎子は中2の終わりから漫画を描いていて、タイトルは「ヒデホとあゆの物語」。
空想上の恋人ヒデホくんと自分の空想上のラブスト-リ-が展開されるというもの。

友達の武美がその漫画をみて、勝手にそれは実話だと思い込み、鮎子もそれを否定しない。
漫画のなかのヒデホは頭も顔もスタイルも良く、武美もヒデホくんが大好きになり、二人の恋を真剣に応援している。
でも鮎子には、偶然、知り合った淳くんという男の子と仲良くなって・・・・・

そして終盤、27年前の話と現在のそれぞれに衝撃的なことが起きる。

え?そんな事になってたなんて・・・・・(/_;)


でもラストは、温かい気持ちになれました。
今回も感動させていただきました!というかんじ。

表紙の絵もいいです!


★★★★

 




315D7MD914L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2003年1月


はたちになる直前、ハムスターとマンションを相続した、まちる。実家を出て、一人暮らしを始めるが…。奇妙な設定を静かなユーモアで包んだ、注目作家のデビュー作ほか『豆姉妹』収録。
第26回すばる文学賞受賞作



                      (集英社HPより)

栗田さんの変な話が好きです・・・・笑

デビュ-作をまだ読んでなかったので、読んでみました。
やはり変な話で期待通り^^;

表題作と「豆姉妹」の二編。

どちらも良かった!(変なんだけどね)

「ハミザベス」って何!?と思ったら、ハムスタ-の名前でした。
1歳のとき、別れた父親が亡くなったと知らせれ、その遺産相続手続きを執行する女性・あかつきからの手紙で父親の遺志であるマンションを主人公のまちるが相続する事になる。
マンションの33階の部屋で一人暮らしを始めるのだけど・・・あかつきからいままで飼っていたハムスタ-の世話が出来なくなった状況なので代わりに育てて欲しいと言われ、その名前を「ハミザベス」とする。
まちるとあかつきの会話も可笑しい。
でもなんだかホッとするのは何でだろ?

そして、まちるの生い立ちには隠された真実があって。。。。。
なかなか波乱万丈の様子だけど、まちるの何事も平然と受け止めている姿が良かった。


「豆姉妹」は、7歳違いの姉妹、永子と末美のお話。
両親は離婚。
姉妹は母親と暮らしていたが、永子15歳、末美7歳のときに母親が再婚。
やがて永子と末美は二人で家を出て、永子が末美を養う生活が始まり、現在末美は16歳。
永子は看護師だったけど・・・・・SMクラブに職を変える。
この動機が、笑える。
なるほどね~なんて思ってしまった(笑)

永子の性格も面白いけど、末美もとんでもない行動に出て、なんと長い髪の毛をアフロにしちゃう。
学校で問題になるでしょ!?と思いきや・・・OKになっちゃう。
良い学校だなぁ~。
担任の先生も教師っぽくないけど、なんだか憎めないかんじ。


これがデビュ-作なんだ~!
いや、素晴らしい!!


変な小説だなぁ~と思うけど、やはりこの作家さん面白い!!


 

★★★★★


 
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