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読んだ本の感想あれこれ。
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51v6sRvLMXL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年11月


新鋭作家・辻村深月の興味の赴くままに、人気アニメから伝統芸能まで日本の新(ネオ)カルチャーの現場を歩く初のルポ&エッセイ集。各紙誌へのコラムも満載、ショートショート・短編小説を特別収録。



                    (毎日新聞社HPより)



面白かったなぁ~。
辻村さんの本は何冊か読んでいますが、なるほど、こういうものたちに影響されて来たのですね。

ドラえもん、ルパンとホ-ムズが小さい頃から大好きだとか。
わたしが、全く興味を示さなかったこれらを辻村さんが好きだというのなら、わたしも触れてみようかなぁ?なんて思った。

特にドラえもんに対する愛が凄い!(笑)
これだけ生活のなかにドラえもんが溶け込んでいるのって、面白い!
そして大山のぶ代さんとの対談の様子がカラ-写真入りでありました!!

ドラえもん話に花が咲いているけど、わたしには何ひとつ分からなかったのがちょっと残念(/_;)
・のび太の太陽王伝説
・のび太とブリキの迷宮
・のび太と雲の王国
これらをとりあえず、機会があったら観てみようかな?

本の中ほどにあったショ-ト&ショ-ト 短編小説
「彼女のいた場所」・・・隣に住んでいた女性が事故で亡くなり、その両親が訪ねてきたところに偶然、会った大学生の僕。

「写真選び」・・・祖母の葬式の後、祖父が妹に自分の顔写真を並べ「どの写真がいい?」と聞いていた。

「さくら日和」・・・『ひらかわ』のたいやきは行列が出来るほどに美味しい。ある日、小学生のわたしにたい焼きやのお兄さんがたいやきをくれた。すぐそばの公園でそれをほお張る。
そんなことがたびたび続くけど・・・

「七胴落とし」・・・まだ幼い子どもたちは、猫のミャウダさんからいろいろなことを学ぶ。
子どもにだけ理解出来る猫との会話。


どの話も良かった!!
特に最後の七胴落としが最高♪
SFの要素ありファンタジ-の要素ありで、猫好きにはたまらない(^^)


本の話だけでなく、映画だったり音楽だったり、実にいろいろな身近なもののことを書かれていて、いろいろな物に興味があるっていろいろなことを知ってるということなんだなと思った。

そして、知らなかったけど、結婚していて、出産したばかりだったんですね~。
勝手に独身だと思ってた^^;
またまた、いろいろなことを体験して、今後の作品づくりに活かしてくれそうですね(^^)


                                        
                                       ★★★★★
PR
51bEIgcBNUL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年11月


壊れてゆく家庭、会社の倒産、倒壊するツイン・タワー、親友の死……
望んでもいなかった<人生の第2幕>

「男の本分は仕事」。それは幸せな人生ですか? 歳月を経て、夫婦がたどり着いた場所。働くとは。結婚とは。幸福とは。直木賞作家が描き出す、激動する時代の「家族」の物語。野心や出世のためというより、責任感と義務感で仕事をする。そんな普通のサラリーマンが今の時代は貧乏くじを引く。やりきれない現実の中で、どのようにして人生を立て直し、切り開いていくのか。最後に救われるのは-----


                                       (毎日新聞社HPより)


銀婚式という表題ですが、物語早々で主人公たちは離婚してしまう。
え?と驚いたけれど・・・・最後まで読むと、この表題の意味するところが何となくわかった。

主人公は男性。
高澤修平。証券会社に勤務し、アメリカに転勤となり妻・由貴子と6歳の息子・翔も一緒に移住。
しかし、妻の様子が次第に変化し、家から出たがらず、何をするのも気力がなくなり、日本に帰りたいと漏らし、ついに息子と二人で日本に帰ってしまう。
そして協議離婚が成立。

修平はその後、アメリカに一人残るが、突然、会社が倒産。
しかし、その後の処理に終われ帰国したのは、倒産から二年後。
その後の再就職先は、友人から紹介された損害保険会社に就職するが心労から体調を崩し、受診すると鬱病と診断され退職に追い込まれる。
そして、次は、これまた違う友人から紹介された大学の教師になる。

目まぐるしく職を変える高澤だけど、その場所ごとに多くのことを経験して、少しずつ成長していくかんじだった。

そして、離婚した妻のことをもっと大事にすればよかったというようなことも思ったり・・・・

離婚したけど、お互いが嫌いで別れたわけではないというところが、この夫婦が息子を介してずっと繋がっていけた理由かな?
高澤には、ちょっとした恋愛話もあるけど、結局はうまくいかず、いつも心のどこかで心配なのは、元妻や息子のこと。

年齢が50くらいだと親の介護問題もあったりで、由貴子も苦労していたけど、こういうことはリアルにいずれは自分にも?と身につまされる。

それから子どもの進学問題や結婚問題。
これらについても離婚した修平と由貴子だけど、連絡を取っていた。
別れていても夫婦と変わらないかんじ。

ラストは、成長した息子の翔が独り立ちして、元夫婦は、また新たな絆を結ぶのかな?という終わり方。
一緒に暮らしていようが、離れていようが、信頼出来る人が常にいるというのは心強い。

読み終えて、この表紙の絵を見ると、微笑ましい。


                                         ★★★★

376c5667.jpg発行年月:2012年1月


 

愛し方も
死に方も、
自分で決める。


江戸時代、元禄期の大坂で人々が狂喜したように、激烈な恋の物語が今また私たちの心を掻きたてる。
運命の恋をまっとうする男女の生きざまは、時代を超えて、美しく残酷に、立ち上がる ―― 。


300年前、人形浄瑠璃の世界に“心中もの”の大流行を巻き起こした近松の代表作「曾根崎心中」を、直木賞作家・角田光代が現代に甦らせる!


--
これが恋か。初は思った。これが、恋か。
ほほえみながら、泣きながら、高笑いしながら、物思いにふけりながら、不安に顔をゆがめながら、嫉妬に胸を焦がしながら、記憶に指先まで浸りながら、幾度も幾度も、思った。
これが、これが、これが、恋。
(本文より)
--


出会ってしまった心を、止めることはできない。
これが、恋のかたち。

幾世の時を超え、いま究極の恋物語がふたたび始まる。

              (リトルモアHPより)


とても読みやすく、アッという間に読了。

大阪に実際にあった物語らしいですね。
堂島新地の遊女・お初とそこに通う醤油屋の徳兵衛の物語。
似たような話は、幾らもこの時代にはあったと思うけど、こうして読むと、二人の恋はとても純粋で切ない。

いつか徳兵衛が見受けしてくれると信じていたのに、それが叶わぬ事態に。
徳兵衛の不運が重なり、二人が一緒になれるのは、死しかないと。

こんな風に一人の人を強く想い、死ぬこと(死んだあとのこと)に希望を託す二人が、哀し過ぎる。


原作も読んでみたいな。
そうしないと、角田さん独自の解釈がどの辺にあるのかわからないから・・・。


                                           ★★★★
e0017e45.jpg   発行年月:2011年11月


   栄光を勝ち取るか、無残に打ちのめされるか、これはもう遊びではないのだ----。

 夫の浮気が原因で離婚、娘の小織とともに実家のある名古屋へと転居し、無気力な日々を送っていた藤里梨津子だったが、フィギュアスケートの名コーチに小織の才能を見出され、娘を支えることに生きがいを感じ始める。

 「藤里小織の最大の伸びしろは、あなたにあると思ってます」とのコーチの言葉に、娘のためにすべてを懸ける決意をする梨津子。スケートクラブ内の異様な慣習にとまどい、スケート費用の捻出に奔走し、さらには練習方針をめぐってコーチとの間で軋轢が生じるのも厭わず、娘のことだけを考えてクラブの移籍を強引に進める――そんな母の姿に葛藤を覚える小織ではあったが、試合での成績も次第に上がっていき、やがて……。母娘の挑戦は、実を結ぶのか?

 母と娘の絆をテーマにした、著者渾身の長編小説。


                                       (PHP研究所HPより)

フィギアスケ-ト選手の物語でしたが、選手の母親ってこんなに重要な存在なんだと初めて知り驚きました。
練習を見ているだけでなく、コ-チのようなゲキを飛ばし大声で叱咤し・・・
お金がかかるスポ-ツという認識はありましたが、子どもの側について見守って居られる時間がないといけないんだと。

コ-チと母親たちの関係もこの物語では描いていて、全てがこんな風じゃないかもしれないけど、この物語のコ-チ・美濤先生は、選手以外にその親に求めるものも大きい人で最初は、その厳しさばかりが目立ち、ちょっと好きになれなかった^^;

でも物語が進むうちに本当はすごく人の気持ちが分かる優しい人なんだと気づき、素敵な女性だと印象が激変(笑)。


物語は、かつては、オリンピック選手を目指しフィギアスケ-トの練習に頑張っていた、主人公・藤里小織が大学の友達に、自分の生い立ちを語るという手法で進む。


フィギアスケ-ト選手の練習の様子も詳しく描かれていて、かなり専門家に取材をしたんだろうなぁ~と思う。

読みながら、オリンピック選手となった平松希和が浅田真央選手を思い出させるような事があり、胸が熱くなった。

フィギアスケ-ト選手の母親は精神的・肉体的に強くなければ勤まらない。


                                           ★★★★
41BZuMMnVRL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年10月


思い出せない、最愛の人の言葉。脳裏から離れない、ある夜の景色。

記憶を保存する装置を手に入れた認知症の老女。ダムに沈む中国の村の人々。赴任先の朝鮮半島で傷ついたタンチョウヅルに出会う米兵。ナチス政権下の孤児院からアメリカに逃れた少女――。異なる場所や時代に生きる人々と、彼らを世界に繋ぎとめる「記憶」をめぐる六つの物語。英米で絶賛される若手作家による、静謐で雄大な最新短篇集。


                                          (新潮社HPより)


6つのお話から成る短編集。

「メモリ-・ウォ-ル」
認知症と診断された74歳のアルマ。
使用人のフェコに連れられて、アムネスティ医師の元に通っている。
壁には沢山の沢山の紙片と数百のプラスチック製カ-トリッジ。
それらはアルマの記憶の断片を蘇らせるものたち。
亡くなった夫・ハロルドとの思い出。

表題作の作品は、一番最初。
認知症を患う女性が、医師によってされる治療がなんとも不思議なもの。
頭に埋め込まれたものから記憶を回収されそれはカートリッジに収められる。
そして自宅で遠隔記憶刺激装置により、カ-トリッジを頭にはめ込み映像をみるように記憶が再生される。
ちょっとSFの要素のある物語。


次の「生殖せよ、発生せよ」は不妊治療を受ける夫婦の物語。
自然に妊娠するって、凄い神秘的なことなんだなぁ~と改めて思った。
わかったつもりでいたけれど・・・・。


「非武装地帯」は戦地から手紙を送り続ける息子のはなし。
かもめの群れの話やら鳥をみて思うことなどを綴られている。
そして、あるひ、傷ついたツルを見つけ地雷の恐怖に怯えならがもなんとか助けた話なども綴る。
すごく短い話だけれど、なんだか胸に響くものがあった。


「一一三号村」は、ダムが出来ることで、水に沈むことが決まっている中国の村人たちの様子を描いたもの。
村の自然の美しい情景が目に浮かぶような箇所で村一番の長老の言う言葉が印象的。
<これが見納めだと分かっていると、その場所は違って見えるのだよ・・・・二度と人目に触れることがないと分かっていることが、その場所を変えるのかもしれん>


「ネムナス川」両親を15歳で相次いで亡くした少女・アリソンは、リストニアのおじいちゃんの元で暮らすことになる。
家のそばには、ナムナス川が流れていて、昔はチョウザメがよく釣れたと聞く。
チョウザメ釣りに挑戦するアリソンとおじいちゃん。なんだかほのぼの。
隣(?)に住んでるサボおばあちゃんも可愛い。
彼女がずっと幸せでありますように・・・・



「来世」は、ちょっと重い物語の背景。
ナチスドイツが占領下にあった時代を生き延びたユダヤ人のはなし。
そこからなんとか逃れアメリカに来た少女がやがて、孫に囲まれて暮らしている。
過去の思い出と現在を交互に語りながら進む。
暗く苦しい過去も、子どもたちが新しい世界につくりかえてくれたら、嬉しい。


全然、違う雰囲気のお話ですが、そこにあるのは、「記憶」の物語。

数々の賞をもらっているのも納得!!

訳者のあとがきに、著者は長編作品にとりかっかっているとあった。
早く、完成して翻訳されたものが読みたいな~。


★★★★★
 
 
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