心臓外科医は、なぜ消えた?
「ドナ-予定者」「友のいない男」「関西弁の呟き」
かすかな手がかりを、元刑事・鹿川奈月が追う!
医療ミステリ-界の気鋭が贈るノンストップ・サスペンス!
「私は孤独意外の何ものでもなかった。でも現実から目をそらし、憑かれたように動いた。佐藤基樹も、そういう生活をしていたのだろうか?」
肝臓移植のドナ-になるはずだった心臓外科医・佐藤基樹が失踪した。佐藤はかつての恋人・遼子から捜索を頼まれた元刑事・鹿川奈月は男の生まれ故郷を訪ねる。しかし、以前そこにおた「佐藤基樹」はまったくの別人だった。“佐藤”とは何者なのか?そして、なぜ逃げるのか?足取りを追う奈月は、孤独な男の影にいつしか自らを重ね合わせていた・・・・・。
(祥伝社HPより)
最初は、状況を飲み込むまでちょっと戸惑いましたが、途中から面白くなりました。
心臓外科医として信頼される仕事をしながらいた人がなぜ、突然、失踪したのか?
すごく疑問を持ちながら・・・・
そして、追う奈月が真相を掴んでいく様子が面白かった。
「佐藤基樹」と名乗っていた外科医の本当の名前は、棚田弘志であり、どうして名前を捨てて逃げ
どういう経緯で佐藤基樹になったのか?
ラストで明かされ・・・・・なるほど~といっぺんに納得出来ました。
言ってみれば、勘違いなんですが・・・・こういう状況にもしも追い込まれたら、あり得る話ではあると思う。
途中のハラハラドキドキ感も楽しかったし、真相が分かった後の、後日談にもホッとした。
まあまあ楽しめる作品だったと思います。
医療ミステリ-というには現場から離れ過ぎの話ではありましたが・・・・^^;
元刑事の奈月が、またどこかで登場する話しが読めるといいな。
★★★
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逝ってしまったきみへの追想と祈り----。少年と教師、ひと夏の恋。

追悼式の日、合唱隊が歌い、彼は目を閉じる。夏休みの小さな港町で、少年は美しい教師に恋をした。海辺の出会い、ヨットレース、ビーチドレスと短い黒髪、そしてホテルの夜……織りなす記憶の重なりは、やがて沈黙に満たされる――妻を亡くした巨匠レンツが祈りを紡いだ物語、ドイツでベストセラーとなった清冽な恋愛小説。
(新潮社HPより)
物語は、学校の講堂での追悼式の場面で始まる。
その学校で英語を教えていた教師・シュテラ・べ-タ-ゼンの追悼式。
彼女は、生徒たちに人気があり同僚からも高く評価されていた。
そして、その追悼式のなか、一人の青年・クリスティアンは特別な想いでそこに居た。
先生と過ごした時間を思い出しながら・・・・
一言で言うと高校生と女教師の恋物語を描いたもので、そういう話は結構、過去にも読んだし、物語としてはありがちな設定です。
でも、物語のうしろにある背景が頭に浮かび、それがとても美しい。
海辺が近い場所が舞台で、そこで過ごす二人の姿はロマンチック。
状況として、よくわからない部分もあるのだけど・・・・
例えば・・・シュテラはクリスティアンになぜ、そしてどこに惹かれたのか?
事故の起きたときの状況もちょっとよく分からなかった。
それは、まあ置いておいて
80歳を過ぎてもこういう恋愛話を書けるレンツって、素敵だな。
ほかの物語も読んでみたくなった。
こういう雰囲気のある小説って好き。
海外の作品ぽくて・・・。
★★★★
ビルマ難民を研究していた大学院生女子が、
ある日とつぜん原因不明の難病を発症。
自らが「難民」となり、日本社会をサバイブするはめになる。
命がけエッセイ!
(ポプラ社HPより)
壮絶な闘病記でありました。
この人の精神力の強さには脱帽です!!
自分だったら、とてもこんな風に行動したり、考えたり出来ない。
突然、発症した苦しみから、医療機関を転々とし、病名がつくまで約1年?
その間、あちらこちらの病院のあちらこちらの診療科に廻されている。
その間、一人で歩くのがやっとくらいの最悪な体調で、診療待ち時間は2~3時間とか。
運よく病名を診断してくれた先生に出会えたから良かったけど、出会えなかったら・・・・?と考えてなんだか凄く怖くなった。
病名が診断されたからといって、終わりではなく、そこからがまた凄い壮絶な治療のスタ-ト。
治療方針も確立されていないような病気で、この先どうなるのか?予後診断もつかないというのは、先が見えず、とても不安だと思う。
「死にたい」とさすがの著者も思ったときがあったけど、これを読んだら、そう思ってしまうのも非難する気持ちになれない。
しかし、どんなときも感じるのは、強い意志。
自分はこうしたい!と常に思っている。
そして、その意志に従って行動してしまう・・・なんてパワフル!!!
ちょっとした恋もあったのが、ちょっと救いだった。
彼女は今、現在どうしているんだろ?
気になったので、ブログに飛んでみた。
Blog http://wsary.blogspot.com/
うん、パワフルに活動している様子で、嬉しく思いました!
ホント、よく頑張ってる人だ!
★★★★★
発行年月:2011年12月
『桐島、部活やめるってよ』で鮮烈なデビューを飾った
現役大学生小説家・朝井リョウが満を持して放つ、
書き下ろし青春小説。時間と自由を持て余し
不器用に生きる若者達に訪れる、5つの転機
(幻冬舎HPより)
5つの短編からなる連作集。
「ひ-ちゃんは線香花火」
大学2年の汐梨は同じ大学のの友達、ひ-ちゃんと風人とはマ-ジャン仲間でもある。
夜通し遊びウトウトしてると、突然キスされた。
え?どっち?ひ-ちゃんは女だし、風人?
「燃えるスカ-トのあの子」
遥と翔多は高校時代のクラスメイトだった。
翔多とはなんでも話せるが、翔多はクラスメイトの礼生に映画づくりに誘われる。
礼生は最近、観た映画に回文が出てきてハマっているという。
一緒に映画を撮る椿が可愛いとか・・・・そんな自分の周りの話を楽しそうに喋る翔多。
「僕は魔法が使えない」
美大生の新(あらた)。一浪して大学に入った。
父親は高校3年の時、事故死。母は勤め先の上司と最近、付き合っている。
凄い才能を持っている3年生のナツ先輩から、「次のコンク-ルは人物画でいけよ」と言われ、偶然で見かけた女の子・佐倉結実子にモデルを頼む。
学校に飾られていた先輩の絵が誰かに破られる。
強くて魔法使いみたいだと思っていた先輩だったけど・・・
「もういちど生まれる」
わたし(梢)は、二浪して予備校通い。
双子の椿は、現役で第一志望の大学に合格した。
幼馴染の風人は、おなじ大学のひかる(ひ-ちゃん)のことが好きだと話してくる。
椿が学生サ-クルが作る映画に出演することになったらしい。
ある日、その撮影現場に椿の変装をして行ってみる。
誰にもバレず映画の撮影が始まるが、途中でバレて白状するけど、良いシ-ンが撮れたからOKと。
「破りたかったものすべて」
プロのダンサ-を目指して日夜、練習に明け暮れる遥。
兄は二浪して今は美大に通っている。
兄とは仲が良かった。
でも今はなんとなく気持ちがズレていると感じている遥。
兄が翔多の大学の人たちに映画づくりに参加してほしいと誘われたらしい。
兄が描いた絵が大学に飾ってあるから遥にも見てほしいと言っていたけれど・・・・・
5つの話に登場する若者たちは、それぞれ恋や将来のことに、何かしら悩みながら生活している。
そして5つの話の主人公は別々だけど、みんな何らかの繋がりのある人たちだと、読んでいくとわかる。
あれ?この子は前の方の話の・・・・・だった子だよなぁ~。とか。
今の若者の暮らしぶりもリアルにわかる。
やはり現役大学生ならではの視点だな。
表紙の写真は表題の「もういちど生まれる」を読めば、ああ、このシ-ンなんだ!!と納得。
とても良い写真だ!
★★★★
“お荷物”な過去、売ります。
すばる文学賞作家がゆるやかに綴る、再出発の物語。
ワケアリのアラフォー・りり子叔母さんと、就職できずに大学を卒業してしまった私。厄介者の二人が「気持ちの良いお取引」で売るのは、ダンボールいっぱいに詰まった、人生の、お荷物――。
不倫の果てに刃傷沙汰に及んでしまい、謹慎中のりり子叔母さん。就職が決まらずアルバイトをする私は、気分転換にと、一人暮らしを始めた叔母の様子を見に行くことに。そこで目にしたのは、トラック一台分はある、大量のダンボール。処分に困った二人はそんな「お荷物な過去」をせっせとオークションにかけてゆくが……。
“欲しいもの”を手放していく叔母と、“欲しいものが欲しい”私。世代も生き方も異なる二人を鮮やかに描く、ちょっとしたご縁のハナシ。
(講談社HPより)
表題作「人生オ-クション」ともう1編「あめよび」のふたつのお話が収められていました。
「人生オ-クション」では、母の妹・リリ子の元に通い、荷物整理を始める瑞希。
リリ子は犯罪者らしいと最初にわかるが、どんな罪?と先ずは気になり読みました。
怠惰な様子で、なんだか嫌なかんじの女性だなぁ~と最初は思ってしまいました^^;
でも、瑞希とのやり取りも愉快だし、犯罪の内容も真実を知れば、リリ子の方が被害者だったし。。。
最後は、リリ子も瑞希も新たなスタ-トを切れたようで良かった♪
二編目の「あめよび」は、
眼鏡屋さんに勤めている美子と投稿はがきマニアの鉄男の話。
鉄男の言う「諱(いみな)」の話が面白かった。
鉄男の地元にある古くからの風習。
話の内容より、この風習にすごく興味を覚えてしまった!
鉄男の諱を教えてほしいと言う美子には付き合っているときには教えなかったのに、二年後に再会したときにいきなり教えるなんて。。。。
あぁ~なんという大ばか者!!
でも美子は、そんなところも含めて鉄男のことが好きだったのかな?
二編とも面白かった!
★★★★
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自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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