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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年6月


名門橘第一高校の入試前日、教室の黒板に「入試をぶっつぶす!」の貼り紙が見つかる。迎えた入試当日。振り回される学校側と、それぞれ思惑を抱えた受験生。謎に充ちた長い長い一日が始まった……。

                    (角川書店HPより)
 
 
「高校入試」が事件の現場になるという発想は凄いな。
大学受験でその後の人生が左右されるっていうのは、わかるけど
たかが高校入試で???なんて読み始めは思っていました。


「入試をぶっつぶす!」と書いたのは誰?
在校生?教師?受験生????

怪しいと思った人が犯人でした。
でも、そう思う気持ちは、なんとなく理解できました。

中学生から高校入試に向かう者にとっては、それで人生決まっちゃうくらいの
一大事なんだと、自分の過去を振り返って、当時の気持ちを思い出しました。


入試という制度が抱える問題も提起していたかな?
しかし、採点ミスはなくならないんじゃないかな?
人間の手で行われるものだし・・・・。

読んでいて、あまり面白い話じゃなかったな。
登場人物が多くて読むのに難儀したし・・・

次回作に期待します。

これドラマもやっていたんですね?
後から知りました。
ドラマを見ていたら、もうちょい楽に読めたんでしょうね。


                                ★★


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発行年月:2013年6月


遠い遠い未来でいい。
あの人に出会えるなら、
いつまでだって待っていられるーー。
切なくも優しい連作ミステリー。ベストセラー「ささら」シリーズ第三弾!

ある日、僕の前に「はるひ」という女の子が現れる。初めて会ったはずなのに、なぜか彼女ば僕の名前を知っていてた。「未来を変えるために、助けてほしい」と頼まれた僕は、それから度々彼女の不思議なお願いをきくことになり……。
時を越えて明かされる、温かな真実。
切なくも優しい連作ミステリー。
ベストセラー「ささら」シリーズ第三弾! 

               (BOOKデ-タべースより、発行:幻冬舎)



『ささらさや』『てるてるあした』に続く佐々良シリ-ズの完結編だそうです。
大好きなシリ-ズだったので、これで終わりなのは、ちょっと寂しい。


本書では、少年・ユウスケとはるひという名の少女が出会い、2人は
別の時代の別の時空で再び出会ったり、また別れたりを繰り返す。
そして、2人はすでに死んでしまった人をみることができ、この世に未練を残している気持ちを汲んで行動する。

SFとかホラ-とかの類になるのかな?
不思議だけれど、ただ怖いだけじゃない温かい心の交流みたいなものが
あって、読んでいるとジ~ンと来る。


あとがきの加納さんの言葉にちょっと、気になる箇所があり・・・
少し調べたら、大変な病気で療養していたんですね!?
ビックリしました。
そして、その闘病記も出ていると知り、早速、図書館で予約入れました。

今は完治されたのかな?

まだまだ加納さんの新作を沢山、読ませていただきたいので
お体の具合が心配です。


                         ★★★★

 




発行年月:2013年4月


友を陥れてまで、己は出世を望んだのか? 若き執政がゆく道は、栄達か、修羅か。

職務において冷徹非情、若くして執政の座に昇った桐谷主水。かつて派閥抗争で親友を裏切り、いまの地位を得たと囁かれている。三十半ばにして娶った妻・由布は、己の手で介錯した親友の娘だった。互いに愛情が芽生えはじめた頃、由布の弟・喬之助が仇討ちに現れる。友の死は己の咎か――。足元はにわかに崩れ、夫婦の安寧も破られていく。すべての糸口は十年前、主水と親友を別った、ある<事件>にあった。

著者史上、最上の哀切と感動が押し寄せる。
組織を生き抜く者たちへ――直木賞作家・葉室麟の新作! 峻烈な筆で描き出す、渾身の時代長編!!

                      (講談社HPより)





主人公は37歳の桐谷主水。
幼い頃から親友であった芳村綱四郎を介錯することになった後世河原騒動の真相を追う。
綱四郎はなぜ、切腹しなければならなかったのか?
罪は根源は誰なのか?

主水の妻は、綱四郎の娘・由布。
父親が切腹の前に、主水を恨んではならないと説き、その言葉を信じ、主水の元に嫁ぎ
慕っている。
けれど、息子の喬之介は敵討ちの意向を示す。

後世河原騒動の真相は????


真相を追う主水。
そしてわかる真実にビックリ!
え?それじゃ罪の根源を斬るのは無理じゃない?
なんて思って、どうする主水?
ハラハラドキドキ。
今までの葉室作品のなかで、一番先が読めず緊迫した状況に頁をめくる手が
止まらなくなりました。

八方塞の状況なだけに、最後は必ず主水が勝つと信じながらもハラハラ感はマックス!

相手が誰であろうと許せないものは恐れず向かい自分の正義を貫く。
実際、こんな風に行動できる者は居ないだろうなぁ~と思いつつ、その姿には
惚れます。
格好いいぃ~!!


権力に抗えず、自身の志を曲げてしまった者の哀しさも・・・。
途中で主水の側について行動を共にしていた早瀬与十郎の告白は、辛かったなぁ~。


しかし、最後、主水の重い気持ちを和らげたであろう妻の由布の言葉が素敵だった。

「自らの命を託す相手と出会えた者は、それだけで幸せなのではないでしょうか」


葉室さんの作品は、やはり実在のモデルがいるものよりも
こういうお話の方がいいな。
 

 
 
                            ★★★★★







発行年月:2013年6月


瀬戸内海の小さな島、冴島。
島の子はいつか本土に渡る。
17歳。ともにすごせる、最後の季節。
旅立ちの日は、もうすぐ。別れる時は笑顔でいよう。

母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里(あかり)。
美人で気が強く、どこか醒めた網元の一人娘、衣花(きぬか)。
父のロハスに巻き込まれ、東京から連れてこられた源樹(げんき)。
熱心な演劇部員なのに、思うように練習に出られない新(あらた)。
島に高校がないため、4人はフェリーで本土に通う。
「幻の脚本」の謎、未婚の母の涙、Iターン青年の後悔、島を背負う大人たちの覚悟、そして、自らの淡い恋心。
故郷を巣立つ前に知った大切なこと――すべてが詰まった傑作書き下ろし長編。

                       (講談社HPより)




瀬戸内海に浮かぶ冴島に暮らす4人の高校生たちと島の人たちのふれあいが素敵。
小さな島だから、人間関係が濃い。
島の住人には、以前から住む人と、別の土地から入ってきたIタ-ンの人がいる。
シングルマザ-の蕗子や都会から逃げてきたという本木など。

誰でも多少の問題を抱えているけれど、それがこの島の人々との関わりのなかで
少しずつ解決されていきそうなのが読んでいて楽しかった。

島自体も活気がありそうで、元気な人が多いかんじ。
大矢村長もちょっと計算高いかんじかな?と最初は思ったけれど、人情には厚そうで
こういう人がリ-ダ-シップを取るのは当然なのかな?


島に幻の脚本が眠っている物語の冒頭で探しに来た人物がいて、それは高校生たちの
作戦で誤魔化し追い返したんだけど、それが後に本物らしいものが見つかって・・・という
終盤の話もワクワクした。


高校を卒業し、それぞれの道を進んだ高校生4人組。
島を離れる者あり、残る者あり。
離れても、こんなに素敵な故郷があったら、いつまでも忘れずに島とそこに住んでいる
人たちを大事に思い続けるでしょう。


表紙の絵も素敵!
装画は五十嵐大介さん。
女性が描いているかと思っていましたが、男性なんですね~?


                          ★★★★





発行年月:2013年6月


きっと、また会える。あの頃、団地は、未来と過去を繋ぐ道だったから。

三億円事件の時効が迫り、「8時だョ!全員集合」に笑い転げていたあの頃。ひとつの町のような巨大な団地は、未来への希望と帰らない過去の繋ぎ目だった。失われた誰かを強く思う時、そこでは見えないものがよみがえる。ノスタルジックで少し怖い、悲しくて不思議な七つの物語。ベストセラー『かたみ歌』に続く感涙ホラー。

                   (新潮社HPより)




東京の北部埼玉県境に出来た大型団地、虹ヶ本団地が舞台。

そこに住む人たちの少し不思議で切ないお話7つ。
でもちょっと温かい気持ちにもなれるのが朱川さんの特徴。
時代背景が自分の子ども時代と被るので、懐かしいものが沢山登場するのも楽しみ。


<遠くの友達>
小学3年生で虹ヶ本団地に引っ越してきた裕樹。
夏休みの引越しなので、友達もいない状態で寂しい思いをしていたが
不思議な動物を、目撃し、それから不思議と友達が出来る。


<秋に来た男>
突然、見ず知らずの男から自分の妻を返してほしいと言われ戸惑う。
男の妻は5年前に失踪し、やっと見つけたというが・・・。


<バタ-クリ-ムと三億円>
三億円強奪事件がもうすぐ時効を迎えるというニュ-スが頻繁に流れる。
事件の起きた日は、完全無欠の美少女だった従姉妹のマリアが亡くなった日。
自分とは正反対のマリアに妬ましさを感じていた自分だったけれど・・・


<レイラの研究>
中学生の良輔は探偵まがいの推理を日常的にしていた。
同級生の澄川玲子の密かに思いを寄せているのだが、学校では無愛想。
そしてある日、長い髪をバッサリ切ってきた。
なぜだろう?
違う場所で偶然、会った玲子に勇気を出して声を掛けると意外と明るく会話が弾みその二面性も謎。


<ゆうらり飛行機>
4歳の息子を亡くした杉下。
息子はインフルエンザで亡くなったが、そのことをつい攻めたことが元で妻は家を出て行き一人暮らし。
いつも模型飛行機を飛ばしている森下氏と言葉を交わすようになり・・・


<今は寂しい道>
激しい雷雨から逃れようと雨宿りをしていたら・・・雷と同時に見つけた不思議な動物。
怪我をしている様子なので家に連れ帰る。
すると夜、見知らぬ少女が現れ「友達のところに連れて行って・・・」と頼まれる。


<そら色のマリア>
マリアの恋人だった尚希は、マリアは何者かに殺されたと信じていた。
そして、犯人らしき男を突き止め、その男の住む団地に自分も住み密かに男を尾行していた。
ある日、川で溺れていた少年たちを見つける。
すると男が川に入り一人を抱きかかえ尚希が、川岸に引き上げるという連携で
子どもたちを救出することが出来た。
尾行していた男と面識の出来たところでマリア殺害の事実を問い詰める。



少しずつ、別々の話の登場人物たちがリンクしていくのが
ひとつの団地のなかの物語の楽しさ。

ちょっと哀しく切ない話ばかりですが、そんな中にも人の優しさも感じられ
子どもだった者が後に成長した姿で再登場したり、ちょっとした仕掛けが嬉しい。


登場した懐かしい物は8時だよ全員集合とか、ボクシ-のボ-ルペンでミニカ-の消しゴムを弾いて遊ぶとか、夏休みになるとやる「あなたの知らない世界」。
怖がりなので、弟が見たがると違う部屋に避難したっけ^^;
1960年代生まれのわたしには共感できる懐かしさがたまりません。

ちなみに朱川さんは1963年生まれなので、ほぼ同年ですね。


                           ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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