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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年10月

待望の初エッセイ集!
――“宮下奈都”を形作るもの、すべてがここにある――

迷いながらも真摯に生きる登場人物の姿を、瑞々しい文章で丁寧にすくいあげる作風で、初の単行本『スコーレNo.4』刊行以来、静かな、けれども熱い視線を注がれ続けてきた著者。3作目の単行本『よろこびの歌』では、登場人物たちの成長が共感と注目を集め、シリーズ化を望む声に応え2012年に続編『終わらない歌』が上梓された。2011年刊行の『誰かが足りない』が2012年本屋大賞の第7位に選出されるなど、書店員からの熱い支持を受け、新作を待望される気鋭作家のひとりである。

単独の著書として10冊目にあたり、『終わらない歌』以来1年ぶりとなる本書は、著者初のエッセイ集。小説を書く理由、自著の創作秘話、三人の子供たちを愛おしむ日々、大好きな本や音楽と共にある暮らし……。2004年の作家デビュー以来9年間で紡がれたエッセイ81編と、単行本初収録となる掌編小説4編を収める、宮下ファン必携、極上の一冊の誕生だ!
 
                  (実業之日本社HPより)


初めてのエッセイだったんですね~。
小説はいくつも読んで、すごく好きな作家さんの一人。

作家デビューは、37歳で、三番目のお子さんが生まれて間もなくだったんですね~。
結構、大変な時期なのに、だからこそ、書きたいと思ったんでしょうか?

お子さんたちの話も興味深く読みました。
けれど、ご主人との出会いが小説になりそうなくらいステキです!!

付き合っているときに渡したバレンタインのチョコレートを20年経って、
思わぬ形で再び目にした宮下さん。
笑っちゃいました~^m^
ステキだなぁ~。


エッセイの間に出てくる掌編小説4編も、それぞれ良かった!
短いお話なのに、どれも温かい気持ちになれました。

<オムライス>
母子家庭の男の子が公園で拾った本に載っていたオムライスの作り方を
真似て母親のために、作るオムライス。

<あしたの風>
総合病院の会計窓口で知り合った老紳士。
娘の名前と亡くなった妹さんが同じ名前だという。

<ちゅうちゅう>
ちゅちゅうが怖いから幼稚園に行きたくないという妹を同じ幼稚園に通う
お兄ちゃんが懸命になだめる。

<サンタクロースの息子>
サンタクロースになるために家を出た夫。
そしてクリスマスの日、サンタになったお父さんが息子の元へ。


また、こんなエッセイ書いてほしいなぁ~。
ああ、楽しかった(^^)


                          ★★★★★

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発行年月:2013年8月


 48歳になったキョウコは、まだ古いアパートのれんげ荘に住んでいた。相変わらず月々10万円しか使えない貯金生活者のままである。心配しても仕方がないことを悩みすぎずに、「お天道さまのいう通り」と、マイペースな暮らしを続けている。そんな「れんげ荘」に新しい住人がやって来た。背が高くて、気持ちのいい若い女性だ。クマガイさんとお寿司屋でささやかな歓迎会をした。自称旅人のコナツさんと住人が全員女性のアパートになったのだ……。読書に疲れたら散歩し、刺繍にも熱中しつつ、自然食品店で買った野菜でおかずをつくり、土鍋でご飯を炊き、ゆっくりコーヒーを呑み……季節を感じ丁寧な暮らしを大切に生きるキョウコの愛おしい日々はつづく……。

                  (角川春樹事務所HPより)



れんげ荘物語の続編。
アパートの住人が一人増えましたね~(^^)

身長180cmのモデル体型のチユキさん。
住んでいたタワーマンションを知人に貸して、自身はれんげ荘に移り住んだ人。
その家賃収入でも生活できるけれど、アルバイトをしている。
でも両親が幼いときに別々に行方知れずになっているって、凄いな・・・^^;


キョウコは相変わらず、マイペースな暮らしを続けていたけれど、
ある日、役所から電話で「なぜ働かないのか?」問われ、自身の考えを述べるため
役所に出向く。
なるほど・・・・こういう電話するのか。
無収入だと所得税と住民税が発生しないから、出来れば働いて税金を払って欲しいと
いうことなんだろうか??
確かに、キョウコみたいな人が増えると困ることになるからね・・・。


そして、ある日、散歩の途中で寄った喫茶店で、女性達が集い、刺繍を取り出し
会話する様を見て、自分もやってみたいと思い、刺繍を始めるキョウコ。
夢中になれるものがあると張り合いも生まれるでしょうからね~。
でも思うように進まないことに情けなさを感じたり、夢中になりすぎて、
体を疲れさせてしまったり・・・。
根が真面目過ぎるんでしょうね~。
でも、そんなキョウコに的確なアドバイスをしてくれる友が周りにいて
そのアドバイスを素直に受け入れるキョウコ。

時々、電話で近況を確かめてくれるお兄さんも良い人そう。
母親は相変わらずなかんじだけど。


ああ、キョウコは良い人間関係の中に居るんだなぁ~。

まだ48歳だから健康で日々、平和に過ごせているけれど、この先も
いろいろな事が起きると考えるとちょっと他人事ながら心配。
でも、そんなことは起きる前から考えなくていいね^^;

続編読みたいなぁ~。


                       ★★★★★



発行年月:2013年12月


なにをしていましたか?
先週の日曜日に、学生時代に、震災の日に--------

様々な問いと答えを「遊び」にして、あらゆる場所で緩やかに交流する
人々の切実な生を描く、著者四年振りの長篇群像劇。

               (文藝春秋HPより)





東日本大震災の3日後、小説家のネムオはtwitter上で、
「それはなんでしょう」という言葉遊びを始める。

気晴らしの必要な歩とだけ参加してくださいという呼びかけに
徐々に常連で言葉遊びに参加する者たちが増えていく。
そして、震災から1年後までの彼らの日常も追う。 


言葉遊び、面白いなぁ~。

「なにをしたい?」
「どうしますか?」
「なにを願いますか?」などなど・・・。

その質問の前後の文は、期間が来たら発表される。

各自がその質問の前後の文を予測して答えを提出する。


twitterは、興味なしで、やるつもりもないけれど、
こういう人間関係が築かれるのも
いいかも。
メンバーの者同士が実生活で集まる場面は、そのなかの男女の結婚式というのも
微笑ましい。


震災が前面には出てこないけれど、これから先、自分はどう生きるか?
なんていうことも漠然と考えさせられた。


最後の「いいんだよ」聞かれていないのにそうつぶやいた。
大人は寂しくてもいいのだ


この文で終わるのが、なんだか切ないけれど、ジ~ンと来た。


                          ★★★★




発行年月:2013年11月

オーストラリア児童図書賞最優秀賞を受賞した『テレビのむこうの謎の国』の「その後」を描いた物語です。
前作で、主人公パトリックは、パラレルワールド〈謎の国〉のテレビ番組に出演し、見事「さがしものチャンピオン」になりました。
その賞品として〈謎の国〉とやりとりができるコンピューターをもらってから1週間。
二つの世界を隔てるバリアに異常が起き、通信不能に!
SOSをキャッチしたパトリックは、再び〈謎の国〉へと旅立つのですが、今回は、ひょんなことからパトリックの姉クレアと、弟ダニーも、〈謎の国〉に迷いこんでしまい、バリア異常の謎を解くことだけでなく、姉弟も救い出さなくてはいけない羽目に……。

                   (あすなろ書房HPより)



3日続けてのファンタジー作品となりました^^;
児童書なので、安心して読めるのがいい。

杉田さんのイラストも大好きなので癒されるし。


物語は、パラレルワールド(謎の国)と現実の世界を隔てているバリアの異常を察知した
主人公のパトリックが異常の原因を突き止めて、謎の国に迷い込んだ
姉・クレアと弟・ダニーの救出も試みるというお話。

パトリックな姉と弟の真ん中で、何かと窮屈な想いをしていた。
けれど、この救出劇を通じて、3人の絆が深まったというラストは
微笑ましかった。
パトリックの「ぼくは、何よりすばらしいものを見つけたよ」の
言葉で締めくくられるのがGOOD!


                         ★★★

 
 
発行年月:2013年11月

大切な故郷を守りたい――。少女の冒険と成長を描く、壮大な異世界ファンタジー。

貧しいホロー村の少女・イェンが拾った、深海の犬(シェール)。可愛さと凶暴さを併せもつ一匹の不思議な生物により、村は多大な苦難に襲われてしまう。故郷を救うべく、シェールと一緒に目指した都で偶然、国の王子と知り合いになったイェンたち。援軍とともに村に戻った彼女らを待ち受けていたのは、命を懸けた怪物との壮絶な戦いだった。

                 (新潮社HPより)


昨日に引き続き、第25回ファンタジーノベル大賞受賞作品。
こちらは、優秀賞。

こちらのファンタジーはダークなかんじ。
貧しい暮らしで日々生きることが精一杯のガロキン国内のホロー村が舞台。
そこで生まれたイェンは13歳。
父親は商人で村から出て商売がうまく行ったときには、かなりのお土産を持ち帰る。
近隣の者たちにそのお裾分けもする。
村の人々は、貧しいながらもみなで助け合って生きていた。

が・・・ある日、イェンが危ないからと子どもは近づかない磯で瀕死状態の
不思議な生き物を見つける。
危険な生物かも知れないと友達が言うのも聞かず、家に連れ帰る。

案の定、親からは叱られるが、見捨てることが出来ない。
シェールと名づけて可愛がる。

しかし、村人たちのその事が知れ渡り、災いを運ぶものだと指摘され
仕方なく、捨てに行くことに。
しかし、何度遠くに置き去りにしても戻って来てしまう。

シェールの親と思われる族が村を襲う危険にも不安がる村人たち。


シェールとは何なんだ?
想像しながら読みました。
表題に深海の犬とヒントがあるので、犬を想像して読みましたが・・・^^;


結構、残酷なシーンもあったりなので、子ども向きではないけれど
なかなか面白い内容だった。
いろいろ疑問も残ったけれど・・・

ラスト、海のなかに消えたシェール。

イェンとシェールが再び会えるときが来るといいなと思う。
続編あるのかな?


話としては、やはり昨日読んだ大賞受賞の『星の民のクリスマス』の方が
好きだな。


                       ★★★★
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