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読んだ本の感想あれこれ。
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51QC5WltDZL__SX230_.jpg   発行年月:2012年2月


   私たちは逃げられない、女という面倒くさい性から。


17年前、厩橋で拾われた赤子は月子と名づけられ、
大人の香りを身に纏う美しい女に成長した。
一方、育ての母黎子は職場の図書館で会う「川向こうの男」の存在を意識して-----。
二人の女の揺れる思いが錯綜する長編小説


                                           (角川書店HPより)


場所は、スカイツリ-建設途中の隅田川界隈。
16年前、隅田川にかかる厩橋の上で坂下夫妻(親雄と藜子)が月子を拾う。
いったんは養護施設に預けられた月子を夫妻は里親として引き取った。
月子は、年を追うごとに美しさを増していき、藜子は、いつかは誰かの元に返さなければならないのでは?という不安に駆られていく。


ある日、幼馴染の晋太郎がアルバイトとして、盲目の老女に朗読をすることを勧められ二人で老女の元へ。
朗読するのは、「たけくらべ」。
老女・墨は、月子の朗読を褒め、二人は定期的に老女の元へ通う。

藜子は、図書館の司書として働いている。
家から厩橋を眺めていたら、見知らぬ男に手を振られ、思わず自分も手を振り返す。
その男があるとき、図書館に現われるが、自分のことを覚えている様子はない。
自分からもあえて手を振り合った仲であることは言わず、それでも男の再来を待つ藜子。

朗読を月子に頼んでいる老女・墨は、元遊女だったと話す。
そしてその時代に好きで今も忘れられない男がいたことを月子に話してくれる。
「たけくらべ」のなかの美登里の世界と墨の生きた世界がどこか似ていた。
そして現代に生きている月子もなとなく美登里とダブる。

「たけくらべ」は、読んだことがないけれど、是非、読んでみたいと思う。


ラストはちょっと不思議な終わり方。
唐突なかんじもしないでもないけれど、個人的には凄く好きな終わり方でした(^^)
物語のなかに3.11の震災も出て来るし、建設中のスカイツリ-が少しずつ伸びていく様子も描かれる。

過去の隅田川界隈に生きた女性と現在に生きる女性達の物語かな?

なかなか面白い物語でした!!


表紙の絵も近代的なかんじもするし、どこか古風なかんじもして物語の雰囲気をよく表していると思う。

初読みの作家さんだったけれど、ほかの作品も読みたいと強く思った!!


★★★★★

 
 
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