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読んだ本の感想あれこれ。
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51XhQP3QmHL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年5月(文庫)


結婚を目前に控え、事故で失明した菜穂子は、人体実験であることを知りつつも、人工眼を埋め込む。視力を回復したかにみえたが、彼女の担当医の殺害事件をきっかけに、人工眼への信頼が揺らぎ……。
著者が最も得意とする、書き下ろし医療ミステリー。


                    (朝日新聞出版HPより)


ミステリ-の部分は、さほど驚くようなものはなく、読んでいるうちにおおよその予想がつく結末だった。
けれど・・・主人公の菜穂子の心理描写が素晴らしく、そちらの方に惹かれて始終読んでいた。

他者の非によって視力を失い、絶望のふちに立たされている主人公の心理。
父親や恋人の優しさに対しても、自分のために無理をさせているんだという気持ちから素直に感謝出来ず、恋人にもいつか見放されるんじゃないか?と不安感がいっぱい。

そんな菜穂子に、まだ臨床試験中であるので公に出来ない治療だがと持ちかけられる話に乗る。
その治療とは人工眼を埋め込むというもの。
鮮明に見えるわけれはないが、ぼんやりとした視力が再び戻り喜ぶ菜穂子。

少しよそよそしかった恋人も再び菜穂子との結婚を具体的に進めようと言ってくれる。

しかし。。。。。治療に携わってくれた小柴教授が菜穂子の目の前で転落死。
そして、同じくその治療に関わった医師・宮坂が教授殺害の容疑をかけられてしまう。

菜穂子自身も事件の場に居合わせた重要参考人として、事件当時の様子を何度も聞かれる。

事情聴取では人工眼については黙っているように言われていた菜穂子。
まだ試験段階の人工眼について知られたら、試験は中止され再び視力を失うことになるかもという不安から人工眼については警察にも黙っている。

ここで、黙っているようにと強く言った者が怪しいと思うのだけど・・・・それがドンピシャだった(笑)。


ミステリ-としては、結構単純なんだけど、人工眼を埋め込んだ菜穂子の心情がいろいろに変化する様子が良かった!
ある施設で出会った、全盲の青年とその恋人の関係もすごく良くて、二人と出会えた事が菜穂子を精神的に強くして行った。

婚約者の功の揺れる心情もよくわかる。
功も悩みながら、最後の決断を下したんだと思う。

ラストは、ハッピ-エンドでよかった♪


★★★
 
 
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