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発行年月:2016年10月


 焼夷弾が降り注ぐ戦中の東京で真智子が過ごした峻烈なる一夜、沈みゆく昭和末に文が養父から教えられた喜び……時代を超え、生きることに通底する痛みと輝きを凝視する短篇集。

                  (河出書房新社HPより)



8つの短編集。

どの話も、面白かった。

<父を山に棄てに行く>
死にたがる父親。でも決して死なない。
そんな父親を山の中にある施設に入れ、そこを訪ねる。

<インフルエンザの左岸から>
10日前に父親が亡くなり葬式を出したところ。
インフルエンザに罹り一人寝ている。大晦日。
弟は、元旦にサイパンで結婚式を挙げる。

<猫降る曇天>
小説家としてデビューして3年。
編集者と打ち合わせしている飲み屋で知り合った女性と関係を持つ。

<すみなれたからだで>
夫との関係は悪くはないけど、体の関係はもう長いことない。
が・・・中学生の娘が出かけた朝、二人で寝室に。

<バイタルサイン>
16歳のとき、雑誌や本の編集をしている母親が川上さんという男性と
再婚。
仕事で帰りがいつも遅い母親。
母親にはナイショの関係になるけれど、ある日、母親に目撃されてしまう。

<銀紙色のアンタレス>
夏生まれで夏が大好きな16歳の真。
昨年は受験勉強で夏を満喫出来なかったので今年はその分も楽しもうと
海辺の祖母の家で夏を過ごすことに。

<朧夜のスーヴェニア>
家族からは認知症だと思われている真智子。
家族を冷静に観察しつつ、昔の思い出に浸る。
戦時中、爆撃に遭ったとき命を救ってくれた医大生の桂木との思い出。

<猫と春>
バイト帰りに猫がアパートまで付いてくる。
後で帰った同棲中の彼女がその猫を抱えて部屋に。
飼い主が見つかるまで保護しようと名前を「うるめ」にする。



表題作は、中年夫婦のありがちな日常の一コマというかんじで
何故、これが表題作?と思ったけれどまあまあ微笑ましくていいか?^^;

好きだったのは、青春小説ぽい<銀紙色のアンタレス>。
16歳の少年がちょっと訳ありの雰囲気の祖母の近所の家に里帰りしている
たえさんに好意を抱く。
甘酸っぱい感じがなんだかいい。

最後の<猫と春>も好き。
他の男と暮らしたいと出て行った彼女だったけど、案外
うるめ恋しさに戻って来たのかも?
大学卒業後の就活に失敗した同級生カップルだけど、この先、明るい未来が
待っていますように。。。


窪さんの短編集、なかなか面白いな。


                        ★★★★★
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