忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[1651]  [1650]  [1649]  [1648]  [1647]  [1646]  [1645]  [1644]  [1643]  [1642]  [1641



発行年月:2015年2月


 「愛するべき日々に愛することを怠ったことの、代償は小さくない」

長年連れ添った妻・夏子を突然のバス事故で失った、人気作家の津村啓。
悲しさを“演じる”ことしかできなかった津村は、
同じ事故で母親を失った一家と出会い、はじめて夏子と向き合い始めるが…。

突然家族を失った者たちは、どのように人生を取り戻すのか。
人間の関係の幸福と不確かさを描いた感動の物語。

                     (文藝春秋HPより)



作家の衣笠幸男(さちお)・・・作家名は津村啓。
妻・夏子は友人の大宮ゆきと毎年恒例の旅行に出かけ、その先でバスが崖下に
転落の事故で亡くなった。
大宮ゆきも亡くなり、その家族(夫の陽一、小6の息子真平、4歳の灯)との
交流により、夏子の死を少しずつ受け入れて行く。


幸男は、妻との間に子どもはなく、夫婦の関係も冷めていた。
事故後、妻の携帯を開き、送信されずに残っていた自分宛てと思われる
メッセージにショックを受ける。
<もう愛していない。ひとかけらも。>
妻の死は哀しいけれど、泣いたことはなく日々が過ぎる。
そして、妻とともに亡くなった大宮ゆきの夫・陽一から連絡を貰い会う。


やがて、幸男は大宮家に出入りし、陽一の留守中の家の手伝いを買って出る。
子どもにどう接していいのか戸惑いながら、4歳の灯と過ごす場面は
微笑ましかった。

家族を亡くした者同士が支え合っているかんじだったけれど、やがて気持ちの
すれ違いが起きて、一旦は家族から離れる幸男。


幸男の気持ちの移り変わる様子が、見事に表現されていた。
妻が亡くなったことで、気づくこと。
これから自分がどう生きるか?

妻を亡くして、いろいろな人との接触があって、改めて妻のことを考えて
初めて涙する場面はジ~ンと来ました(/_;)。

よくある、立ち直り前を向いて歩きはじめましたという感じではない
もっと複雑な想いがあって、ああ、やっぱり巧いなぁ~と思いました。


大宮家も良い家族でした!
真平も灯も素直で可愛かったなぁ~。

感動の物語でした!



                          ★★★★★
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
mail
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4
7 8 10 12 13
14 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]