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読んだ本の感想あれこれ。
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51whaPK3MzL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年6月



 作家=小説を書く人。
文芸編集者=小説のためになんでもする人。

 本を創るために本に携わる人たちのまっすぐな思いに胸が熱くなる一作。


                     (ポプラ社HPより)



主人公は、老舗大手の出版社で編集担当をする29歳の工藤彰彦。
担当する作家の書いた作品を読んで、自分が読んで出版できないものは「ダメ」と言う。

そして、偶然あるパ-ティ会場で見かけた泥酔気味の作家・家永嘉人を介抱し、自宅に送り届け、そこで家永の書いた小説の原稿を手に取る。
まだ何処にも持ち込んでいない作品。
今は、忘れ去られたかんじの作家・家永だけど、なんとなく読んだ彰彦は、その作品を自分の手で出版したいと強く思う。
家永は、大手出版社では無理なことだと最初は、消極的。
社内に持ち込み、編集長に打診するけど、当初はうまくいかない。
ほかに確実に売れる作家の作品があるから・・・。
大手では無理とはそういうことだったのか?
出版業界の内情が垣間見れるのも面白かった。

若手敏腕営業マンの若王子も最初は、彰彦と衝突したけど、良い本を売りたいという気持ちでは彰彦と共通の思いで、2人は最強のコンビとなる。
若王子の戦略はさすが~!!

作家の家永の娘・冬実との関わり。
祖父の隠し子で自分とは10しか年が違わない叔父・尚樹との思い出。

いろいろなグチャグチャしていたことが、家永の「シロツメクサの頃」が出版されることにより、クリアになっていく。

彰彦の人柄にも好感が持てました。
最初の方でだめだしをした作家と再会した場面もジ~ンとしました。



良い本を作りあげていく人たちの熱い思いにも感動した。
本が好きで、出版業界に興味がある人には勉強になることも多いかも?

素敵な物語でした♪


やはり元書店員の経歴をお持ちの大崎さんだからこそ書ける分野の話かも。
過去作品の「平台がおまちかね」も「背表紙は歌う」も良かったですからね~。
編集者とか書店員のお話、まだまだ書いてくださるかな?


★★★★★


 
 
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51aUUlgAiPL__SX230_.jpg   発行年月:2012年1月


   カワイイ至上主義の世界に放り込まれた男子の運命は!?

   少女向けファッション誌の新米男子編集者・佳孝は
   くせ者揃いのスタッフや年下のモデル達、
   かわいい洋服や小物に囲まれ悪戦苦闘!


                         (文藝春秋HPより)



以前、読んだ本屋さんでのお仕事の奮闘振りを描いた「平台がおまちかね」「背表紙は歌う」も面白かったけれど、今回のお仕事の話も面白かったぁ~。

文芸誌担当を希望する出版社勤務3年目の若者・新見佳孝が主人公。
入社から今までは時事ネタ満載の週刊誌にて勤務。今度こそ文芸部門に・・・・と思っていたら、異動先はロ-ティ-ン向け月刊誌を編集する「ピピピ編集部」。

先輩編集者は、女性。
そして、その雑誌の専属モデル(ピピモ)たちは、中~高校生の女の子。

そこでの通称は、南吉(なんちゃん)。
モデルたちにもその愛称で親しまれる。

最初は、全く希望していない部署での仕事に戸惑う佳孝だけど、与えられた仕事を真面目にこなしていく姿は好感が持てた。
がんばれ~!!と心の中で応援したくなる奮闘振り。

失敗もあるけど、腐らずに、誠意ある対応でカバ-していく。

うんうん、いい!
こういう経験大事だと思う!

雑誌づくりの裏側も知れて、なかなか興味深かった。

華やかな専属モデルたちの裏の姿もなかなか凄いものがあったなぁ~。
仕事をするって、厳しいこともあるんだよね?


こういうお仕事の裏側がわかるお話は面白いな。


                                         ★★★

51lAZGl81TL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年5月


突然消えた気になる先生。
後を追った悠奈が再会したのは別人のような鋭い目の男。
さらに「お迎えにあがりました」と謎の男達が現れて……。
超ドキドキの巻き込まれ型ドラマチックミステリー!



                       (幻冬舎HPより)



中盤までは、一気に読みました。
17歳の主人公・水島アイが、非常勤で数学を教えていた津田先生を追って行く。
目立たなく冴えない教師だったので、誰も先生の突然の辞任に気を止める者はなかったのだが、アイには気になる存在だった。
亡くなった父が生前、書いた本を図書館で津田先生が手に取っていたことから会話するようになっていたから・・・。
そして先生の実家があると思われる住所にも見覚えがあった!

中盤までは、先生に再会出来るのか?
亡くなった父親と何らかの関係があるのか?などなど謎がどんどん膨らみ、その真相究明が待ち遠しいかんじでした。

そして・・・結構、早い段階で先生には再会。
でも、学校で見た先生とは、まるで別人の雰囲気。

その後は、やたら出てくる登場人物たちの翻弄。
父親の死の真相も掴みたいと思っていたら、何やら訳のわからない場所に拉致されて・・・
父親と同時に火災で亡くなった津田美里の子どもだとか
自分は大金持ちのお屋敷の主・大公路誠太郎のひ孫に当たるとか?
代々継承されてきた巫女の血を引き継ぐ大事な存在だとか?
この辺から、ちょっと人間関係が難解になってきて、読むのに手惑いました^^;

昔からの家と家の確執問題から命まで狙われちゃうことになったり・・・何がなんだかちょっとわからない展開になって・・・・どうなるの?この物語は?

でも、津田先生の生い立ちやらがわかった辺りから、いろいろな謎が見えてきて、危険な目に遭いながらの悠奈も無事、元の場所に生還して、ホッとした。



もうちょい、スッキリした物語だったら読みやすかったんだけどね~。

でも、迷路に迷い込んで難儀しながら明るい場所に出られたようなスッキリ感は読後に味わえたかな?

この表紙絵はちょっと幻想的で本の内容にすごく合ってる!


★★★
 
7b52af99.jpg   発行年月:2011年3月


   新米教師と中学生男子が守るのは、謎めいたお宝と気になる女の子。
   手に汗握る、痛快アドベンチャーミステリー!

お騒がせコンビの中学生男子が持ち込んだのは、金色に輝くお宮の写真。
トラブルが始まったのは、それがきっかけだった……。

片野厚介は新任の中学教師。教え子の笹井と勝又が、
立ち入りが禁止されている神社の裏山で、
美しい奥宮をみつけたと言ってきた。

その在処をめぐって接触してくる、怪しい組織と、謎の美少女中学生。
降りかかるピンチの連続に、三人は、幻のお宝を守れるのか!?


                                          (光文社HPより)


青春ミステリ-というかんじで、ドキドキするけどわくわく感の方が大きいかな?
大人のミステリ-と比べると迫力はないけど、この年代の子どもだったら、十分なミステリ-と言えるでしょう。

中学生の冒険好きなコンビが、森の奥の洞窟内で偶然、見つけたお宮。
装飾も豪華だけど、何でこんな場所に?

この設定だけで、なんだかワクワク。

その真相を探る手助けに、少年たちが選んだのが担任の新米教師。
実家が神社という偶然も手伝って、教師と生徒なんだけど、もう1つのチ-ムみたいで微笑ましかった!

優等生の女子・ひろ香の存在もなかなか良かったし、
興信所からある人からの依頼でお宮を調べる与木、他校の中学生・レオナなど

気になる人物がいっぱい。

そして、謎のお宮の過去のいきさつ。

ラストは無事、いろいろな謎が解決されて良かった♪

レオナの本名がわかったときは・・・・・なるほど・・・・いろんな意味で、ちょっと驚いた(笑)


大崎さんの青春ミステリ-次はどんなのかなぁ~?

★★★

 
832db394.jpg発行年月:2010年9月


「とある地方の小さな書店が経営の危機にあるらしい」。よくある悲しい噂のひとつだと思っていたが、書店営業仲間の女性がそのことを妙に気にしていて……(表題作)。個性的な面々に囲まれつつ奮闘する井辻くんは、東に西に今日も大忙し! 出版社の新人営業マンの活躍を描いた、本と書店を愛する全ての人に捧げるハートフル・ミステリを五編収録。
好評〈出版社営業・井辻智紀の業務日誌〉シリーズ第二弾!

                         (東京創元社HPより)

前作「平台がおまちかね」の続編ですね。
出版社・明林書房の新人営業マン・井辻智紀の物語。

5つの話が連作形式で綴られ、本をめぐっての井辻くんの仕事場での出来事あれこれ。
営業先で出会う、ほかの出版社の者。
最初の「ビタ-な挑戦者」に登場の者に突然、暴言を吐かれて戸惑う。

「新刊ナイト」は、最近人気が出てきた新人作家・白瀬みずきの新作についての謎。
作者自身の体験に基づくものじゃないか?と憶測を呼ぶが、その内容は、結構、重いもの。
でも最後は、ホッとした。

「背表紙は歌う」は表題作。
井辻と話が合う、先輩営業ウ-マンの久保田。
彼女の過去を知り、彼女が以前関わったとある書店の危機を探る話。
心が温まるお話でした。

「君とぼくの待機会」は、本の授賞式前に流れた「受賞作は〇〇」の噂に翻弄される出版業界と作家たちの話。授賞式前後って、こういう風になってるんだぁ~なんて話とは違うことで楽しんだ。
で、結局、本当に受賞したのは誰だったの??

「プロモ-ション・クイズ」
本の帯に書店員からの推薦のことばを使おうとする井辻くん。
でも、手にしたものに何やら変な文。
なぞなぞみたいなもの。
う~ん、一緒になって考えちゃいました。
答えがわかって「へ~なるほどね~」と感心したけど
井辻くんは、どうこの仕事を片付けたんだろ?想像すると可笑しい。

登場人物たちが個性豊かで、みな本が大好きな人たち。
特にライバルだったりする真柴とは、時には協力したり、飲みに行ったりで良い関係を築いてる。
相変わらず井辻くんを「ひつじくん」と呼ぶのも可笑しい。
いちいち「井辻ですけど・・・」と返す井辻くんも可愛いな。

今回も出版業界の仕事のあれこれが知れて楽しかった♪

まだまだ続くかな井辻くんシリーズ。

★★★
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