忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[10]  [11]  [12]  [13]  [14]  [15]  [16]  [17]  [18]  [19]  [20




発行年月:2014年2月


彼女たちを「違う世界」へ連れて行ってくれる〈街に溢れる魔法の言葉〉、
それは――『スタッキング可能』で話題の松田青子が贈る、待望の第2作品集


                   (河出書房新社HPより)


表題作を含む6編からなる1冊。

表題作<英子の森>は割と長め。
高崎英子は、父親は亡くなり、母親と周りが森の家で暮らす。
幼い頃から、英会話スクールに通わせてもらい、学生の時にはオーストラリアに
1年間、短期留学もさせてもらった。
そして、現在は、英語を活かせる仕事を契約会社から斡旋してもらったり、
自ら応募したりの生活。


英語は話せるとは、どこまでのことを言うのか?英子は悩む。
英語が少し話せるからと言って恵まれた環境で、それを活かして仕事するって
なかなか大変なんだと感じた。
一般の事務と時給の差が50円だったり・・・・。

英文学科卒の著者だからこそ、書ける話でしょうかね~。


他は短い話。

<*写真はイメージです>
<おにいさんがこわい>
<スカートの上のABC>
<博士と助手>
<わたしはお医者さま?>


<博士と助手>は、流行のSNSで交わされる若者の言葉を研究している博士とその助手。
なるほど、言われてみればそうかも。
SNSで交わされる言葉って、日常交わされる言葉より、少しオーバーだったりするかもね。
だから、それが元で知り合い同士だったりすると、関係が歪んじゃったり。

若い作家さんだからこそ、書ける面白い話だなぁ~と思った。

ちょっと不思議だったり、怖かったりの要素も、読んでいるとクセになる。
違う本も読んでみたい!



                          ★★★★★
PR




発行年月:2013年12月


 少年のまっすぐな憤怒が眩しい<プリン三部作>と
繊細にして骨のある30代女子のゆれる日々を描いた中編二篇所収

                (文藝春秋HPより)


少年三部作は
<少年とプリン>
6年3組の給食は何故か時々不足する。
今日はプリンが1個足りず、担任の女教師がブチ切れ犯人扱いされた
少年は怒り言い返す

<老人とアイロン>
進路調査のアンケートに「アイロン師になりたい」と書いた中学2年の少年。
それを同居の男からダメだしされて口論。

<ア・ラ・モード>
プリン・ア・ラ・モードが食べたくて注文したのに「ア・ラ・モードならあります」と
言われ心のなかに怒りを感じながらも、承諾する少年。


この3部作の少年は同一人物だろうか?
プリン好きなことで考えると、同一人物かなぁ~?
なんともユーモラスな話で、クスッと笑えた。


ほか2編は、東日本大震災を経験した者たちの話。

<あの日以来>
親戚夫婦が海外移住をしたので、その一軒家に旧友とその知り合いと女3人で
共同生活を始める私。
そして震災が起き・・・
旧友の知り合いは離婚前の夫の元に戻るが、再び帰って来て、私は東北にボランティアに
行った恋人(勤め先のカフェのオーナー兼店長)から「こちらで落ち着こうと思う。いっしょに
やらないか?」と言われ迷う。


<漁師の愛人>
震災後、サラリーマンから漁師になると故郷に戻った恋人と一緒についてきた私。
恋人にはまだ離婚していない妻子がいるが、別居していて夫婦の関係は壊れている。
わたしは「二号丸」と陰で呼ばれている。



2つの話の主人公は女性。
今の生活をこのまま続けていくべきか?多少悩みつつも、周りの人たちとの
関わりを通じて自分の進む道を決心したような話で、読後感が良かった。

どの話も面白く読めた。


                         ★★★




発行年月:2013年4月


良いニュースと悪いニュースがある。

多崎つくるにとって駅をつくることは、
心を世界につなぎとめておくための営みだった。
あるポイントまでは……。 

                 (文藝春秋HPより)


色彩を持たない多崎つくる。
高校時代は名古屋。そして大学進学のため東京へ。
高校時代に仲の良かった4人に突如言われた絶縁宣言。
わけもわからず受け入れ、進学のために東京へ。
残りの4人は名古屋市内で進学。

そして、つくるは、死ぬことばかりを考えるように。
原因はやはり高校時代の友人たちから受けた仕打ちか?


四人は男子2人に女子2人。
男子・・・赤松、青海
女子・・・白根、黒埜

つくるだけ名前に「色」を持たない。
そして、性格上にも色彩が希薄だと思っていた。

成人して36歳になった、つくるは、東京の電鉄会社に勤務している。駅をつくることに携わっている。
死にたいと思っていた時期をなんとか乗り越えた。
そして2つ年上の沙羅に出会い、高校時代の友人のことを話す。
彼女は4人の現在の近況を調べ、それを機に、つくるは彼らに会いにいく。


つくるにとって、沙羅と出会ったことは幸運でした!!
彼らに会いに行き、何故、自分は縁を切られたのか?長年の疑問をぶつける。
そして、わかったこと。

なるほど・・・そいいう事情でしたか?
その為に、つくるは死を考えるまで精神的に追い詰められたのか?
もうちょい、誰か何とかフォロ-してあげてよ!!(怒)

話としては、まあ面白かったけど、ちょっとつくるが気の毒。

でも、これからは、たぶん、明るい未来が待っているはず!!
頑張れ、つくる!!


文章は、やはり独特。
村上作品を読んでる感に浸れました。
こう感じさせるのはさすがだな・・・。


                            ★★★


 
51bTlbz7usL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年12月


希望は、国ではなく、あなた自身の中で、芽吹きを待っている。

多くの人々が、将来への不安を抱えている。だが、不安から目をそむけず新たな道を探る人々がいる。婚活、再就職、家族の信頼の回復、友情と出会い、ペットへの愛、老いらくの恋…。さまざまな彩りに充ちた「再出発」の物語。


                   (出版:幻冬舎)



55歳頃に転機を迎えた男女の物語が5つ。

「結婚相談所」
54歳で離婚した中米志津子。
離婚の原因は、60歳で定年退職した夫と一緒に居るのが苦痛だから。
しかし、58歳でこの先の経済的不安と夫以外の人と付き合ってみたいという2つの理由で
結婚相談所通いを始める。

う~ん、離婚したのに、また再婚しようとする気持ちが理解できない。
経済的不安があるのに、なぜ離婚したんだ???



「空飛ぶ夢をもう一度」
6年前、出版社勤務だったが54歳でリストラされた因藤茂雄。
妻のパ-ト収入だけではこの先、不安なので再就職先を探すがうまくいかず・・・。
なんとか見つけた交通誘導員の仕事中に、中学時代の同級生・福田に再会。
中学時代の思い出などを語る。

茂雄が友の死の後、思うことばに、そうだよ!!と強く共感!
しかし切ない話だなぁ~(;_;)



「キャンピングカ-」
冨裕太朗は58歳で会社の早期退職に応じた。
自由な時間が出来たらやってみたかったのは、キャンピングカ-で妻と日本全国を旅行すること
が。。。妻は乗り気でない。

全く、妻に同感!!
この夫は何を考えているんだか??
一緒に大喜びで、旅行に行く妻は、たぶん、居ないんじゃないかなぁ~?
ま、でも他に生き甲斐を見つけられたようでホッとした。



「ペットロス」
高巻淑子はマンションで定年退職した夫と2人暮らし。
息子が海外赴任で居なくなった寂しさを埋めるため犬を飼うことを夫に認めさせて柴犬のボビ-を飼い始める。
だが、ボビ-は亡くなってしまう。

淑子の夫は、ぶっきらぼうなだけで実は優しい。
妻が病に倒れたボビ-と過ごす時間を横で見ながら、自分も同様に心配していた。

ボビ-の命と引き換えに、夫婦は信頼関係を深めた。

5つの話のなかでは、一番、感動的でした(^^)



「トラベルヘルパ-」
下総源一は63歳の長距離トラック運転手。
本を読むのが趣味になり、本屋に入りそこで、堀切彩子と知り合う。
上品な彩子と親しくなりファミレスでのデ-トにうきうき気分。
しかし10回目のデ-トで明かされたこと。
彩子の生活は厳しい状況だった。

辛い生活のなかで彩子も源一と会うことでひと時の希望があったのかなぁ~?
なんだかこの話も切ない。
でも辛い状況でも理解してくれる誰かがいれば、心強いだろう。



結構、気分が落ち込む話が多かったな。
55歳からの・・・・とあるけれど、転機がおきるのがそのくらいで
実際の主人公達は、それから何年か経ったかんじ。

健康で前向きな気持ちで生活出来る力を今のうちに養っておかなきゃいけないなぁ~
なんて思ったけれど、どうすればいいんだろ???
とりあえず、心身を鍛えてるために適度な運動と規則正しい生活を続けよう!!と
なんだか強く思った^^;


                                         ★★★★





 

51MLaAPNfrL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年4月

生誕90年、三浦綾子9年ぶりの単行本。

「氷点」「銃口」他、キリスト者の視点から人生を見据え、多くの忘れ得ぬ小説作品を残した三浦綾子。生前彼女が多くの雑誌、新聞等に寄稿したまま、単行本に収録されることのなかったエッセイの数々が、生誕90周年を迎える2012年を機に、初めて単行本として刊行される運びとなりました。
三浦綾子さん自著としては、9年ぶりの単行本刊行となります。
著者の人柄と信仰そのままに、温かく真摯な視点で語られるエッセイは、今もそこに三浦さんが健在であるかのようにわたしたちの心に語りかけます。旭川の澄明な丘の上から、わたしたちにより良い人生への気づきをメッセージにして送り続ける、三浦綾子さんと出会ってください。
三浦綾子生誕90年記念および、小学館90周年記念の共同企画としてお届けいたします。


                                          (小学館HPより)


図書館の棚を見ていて、ふと目に留まり借りました。
そういえば、亡くなられたんだ・・・。

「氷点」「塩狩峠」は若いころに読み、感動しました。
キリスト教の信者ということは知っていましたが、巻末の年譜をみても驚くことに、若いころに結核を患い、その後の長い療養生活があり、亡くなるまで、いろいろな病気と闘っていたと知りました。

最初の職業は、学校の先生だったんですね。
教え子が成長してから再会する様子を書かれたお話もあり、生徒からも慕われた先生だったんでしょう。

三浦さんといえば、北海道。
やはり旭川という土地には、特別な思いがあったんですね。

6月になると、隣の農家で自分と三浦さんの為だけに栽培しているグリ-ンアスパラを
いただいて食べるというお話が印象的!
今頃、美味しい時期だなぁ~なんて。


表題の「邂逅」の意味、どういう意味だっけ?と気になり調べました^^;

めぐり合い、偶然の出会い、何か意味がある出会い  だそうです。


表紙の絵も素敵です。


三浦さんの作品、また読み返してみよう。



 

★★★★

 

カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
2 3 4
5 6 7 9 10
12 13 16 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]