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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年9月


 
昭和36年、学校教育に不信を抱く千明から学習塾の立ち上げに誘われ、吾郎の波瀾の教育者人生が幕を開ける。昭和〜平成の塾業界を舞台に、三世代にわたり奮闘する大島家を描いた、著者渾身の大長編!

                  (集英社HPより)



物語の初めは昭和36年。
自分が生まれるちょぃ前。
この当時は、まだ学習塾なんてあまりなかった。

大島吾郎は、用務員室で放課後、生徒に勉強を教えていた。
学校の授業では理解出来なかった子たちが放課後、吾郎の元に来て勉強を教えて貰う。
そこに訪れた一人の児童・赤坂蕗子。
今まで用務員室を訪れる児童とは少し違う。
学校の成績は優秀で、しっかりした子。
そして、その後その母親・千明と出会い塾を始めようと思うので、その手伝いを
してほしいと申し出る。

そこから始まる吾郎の塾で教育者としての暮らし。

その後、吾郎と千明の間に二人の娘が生まれ
それぞれ大人になり、また新たな家族を作り
それでも教育者を引き継ぎ塾を大きくしたり・・・・


学校教育の様子も変わっていき、大手塾の登場など、教育現場の歴史も描いている。

吾郎と千明の考え方(経営方針)の違いから一時は、離れ離れになるのだけど
再会したときには、過去の衝突のわだかまりなく、またお互いの理解者のような
関係になれた。

長女・蕗子の長男・一郎の教育への関わり方も良かった。
勉強が出来る人が良い教育が出来るとは限らないんだな。と。


長い物語だけど、ず~っと楽しんで読めた。

表題の意味も吾郎の言葉で納得!
素敵な物語でした!!



                        ★★★★★
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発行年月:2015年9月


 「人生に分岐点なんてものはない。
知らない間に、何処かの誰かに、
その道は選ばされている」

アルテーミス【artemis】ギリシア神話に登場する狩猟・貞潔の女神である。のちに月の女神ともなった。

人生には幾度となくこう思う瞬間があります。——あの時、あちら側を選んでいたら―—。しかし、その“あちら側”なんてものはそもそも存在していなくて、私たちは知らず知らずのうちに、何者かの采配によって、その人生を操られていると知ったら……。「アルテーミスの采配」は、何者かによって人生に張り巡らされた“罠”の恐ろしさを描いた長編ミステリーです。
物語は、AV女優のインタビューから始まります。自己実現のためにAV女優といった仕事を選んだ女たちは、口々に自分の人生の選択を正当化していきます。しかし―—その発言は、嘘で塗れているのです。「これは本当に自分の選択だったのか……」。しかしながら、これは決してAV女優を題材にしたミステリーではありません。芸能という世界に張り巡らされた、罠、そして落とし穴を入り口に、著者は、世の中で正当化されている選択のその恐ろしさを問うていきます。殺されていく女優たち、彼女たちの取材をしているうちに、女優たちの不審死の容疑者と疑われる男、その男が残した取材記録を手にし事件の真相を探ろうとする出版社の女。物語の視点は次々と変わり、物語を引っ張る謎もまた、どんどん姿を変えていきます。「殺人犯は誰か」「犯人の狙いは何か」「アルテーミスとは何か」「采配とは何か」……。
キーワードは、「復讐」です。人は無意識のうちに誰かから恨みをかっていて、その誰かが本気で復讐を考えた時、人の人生というのは何とも簡単に歪められるものなのです。人は人に復讐をする時、その人生をもってして、長い時間をかけて、相手の人生ごと呪い、乗っ取るのです。物語を読み終えた時、読者は気付きます。今自分が生きる人生もまた、無意識のうちに自分が傷つけた、誰かの手の中にあるかもしれないと。

謎が謎を呼ぶ一気読みミステリー。すべての想像と推理を裏切るどんでん返しの応酬に息つく暇もありません。ラスト読み終わった時、物語のすべてが、「真梨幸子の采配」だったと気付かされます。

                      (幻冬舎HPより)




AV業界の内部とそこに関わる女たち。
ふとしたキッカケで本人の意志でなく、足を踏み入れた女性たちがAVの世界から
抜け出せなくなるなんて・・・・恐怖です!

AV女優たちに「アルテーミスの采配」と題したインタビュー本出版のために
インタビューする名賀尻龍彦の話が第一部。

それぞれの女優たちの言葉は、何処か胡散臭さがある。


そして第二部では、インタビューされた女優たちとその関係者たちの話。
それぞれの事情。人間関係のもつれ。

名賀尻はいつの間にか、連続殺人の容疑者にされていて・・・・


しかし、人って怖いな。
誰かを傷つけ、陥れて・・・・。


しかし、著者の真梨さんって、こんな話ばかり書いているけど、どういう人物なんだろ?
ちょっと著者自身に興味沸いてきたわ~^m^
嫌な話なんだけど、最後まで結構、面白く読ませてくれる。


                        ★★★



発行年月:2015年3月


 笑いとは何か、人間とは何かを描ききったデビュー小説。第153回芥川賞受賞。

売れない芸人徳永は、熱海の花火大会で、師として仰ぐべき先輩神谷に電撃的に出会った。そのお笑い哲学に心酔して行動を共にしながら議論を続けるのだが、やがて二人は別の道を歩んでいくことになる。運命は二人をどこへ連れていくのか

                  (文藝春秋HPより)



凄く期待して読んだので・・・

途中で「?」と違和感ありましたが、我慢して読み終えました。

う~ん。
面白くないわけじゃないけれど・・・ちょっと会話で語り過ぎなところが
嫌でした。

理屈っぽい先輩芸人の神谷が語る言葉には、なるほどね・・・と思う部分も
あるのだけど、そんな語られても・・・・と冷めてしまった^^;
漫才とか、あまり知らないからかもしれないけれど。


でも芸人の著者が書いたものなので、リアリティはある!
人を笑わせる商売って、シンドイことなんだなと思った。

実生活でどん底の状況のときでも、ついつい笑える言葉を選んだり・・・
ちょっと哀しくなってきた(/_;)


芸人・又吉さん、好きなので、次作は、全くお笑いと関係ない話で
「おぉ~凄いじゃん!」と感動させて欲しいなぁ~。


                         ★★




発行年月:2015年12月

出版社の校閲部で働く河野悦子(こうの・えつこ)。
部の同僚や上司、同期のファッション誌や文芸の編集者など、
彼女をとりまく人たちも色々抱えていて……。
日々の仕事への活力が湧く、ワーキングエンタメ第二弾!

                  (角川書店HPより)



校閲ガール第2弾です!
前回主人公の河野悦子の周りで働く人たちを紹介するような短編連作。

同期で帰国子女の森尾登代子=モーリィ。

校閲部の同期、米岡(ゲイ?)の胸キュン恋バナも面白かった。

新人作家と編集者の関係って特別なんだなぁ~と思わせてくれた貝塚と作家・田巻悠太の
話も良かった。

エリンギと呼ばれる茸原渚音(たけはらしゅおん)に凄い過去があったのも驚き!


登場人物たちそれぞれが主役になった物語、楽しく読めました♪
こんな楽しい人物たちが揃った出版社いいなぁ~。

校閲ガール、まだまだ続いて欲しい!

でもやっぱり、悦子が一番面白い^m^


                        ★★★★




2015年12月


 母が他界した五年後に、独り暮らしの父が亡くなった。納骨を済ませ子供たちは実家に集まり、ぽつりぽつりと両親の想い出話をする。遺品整理を始めたところ、父は意外なものを遺していた。そして初めて父の家族に対する想いを知るのであった(「月の庭」より)。それぞれの「人生の閉じ方」を描く終活短編集。

                (双葉社HPより)


家族シリーズも8作目ですか?
8編の話、それぞれに出てくる「終の日」のこと。

まだまだ先の人、もうすぐかなぁ~?という人、もうタイムリミットが
迫っている人、既に亡くなり残された家族の話など。


印象に残ったのは
<いちにさんぽ>と<準備万端>かな?

<いちにさんぽ>は、乳癌が脳にも転移し、余命短い瑞希。
夫とは大学の軽音楽サークルで知り合い結婚。
幼稚園年長の娘が居る。

若い人のこういう話は、泣ける。
母親の立場として、幼い娘の成長を見守れずに逝かなきゃいけないなんて無念過ぎる。
でも、夫との関係は素敵。
終の日まで、家族の温かい時間が続きますように。。。



<準備万端>は、40歳独身の希美の母の話。
写真館に遺影を撮りに行くから付き合ってと言われ付いて行く。
その後は、下着を買いに。
倒れたとき、変な下着を着けていたら医者や看護師に見られたとき恥ずかしいから
だとか。
凄いな~こんな風に終の時のこと考えて準備することを楽しめるって
なんだかいいな~。

そうか・・遺影かぁ~。
両親の写真、今度何気なく撮っておこうかな~?^m^


                      ★★★
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