発行年月:2015年9月
「人生に分岐点なんてものはない。
知らない間に、何処かの誰かに、
その道は選ばされている」
アルテーミス【artemis】ギリシア神話に登場する狩猟・貞潔の女神である。のちに月の女神ともなった。
人生には幾度となくこう思う瞬間があります。——あの時、あちら側を選んでいたら―—。しかし、その“あちら側”なんてものはそもそも存在していなくて、私たちは知らず知らずのうちに、何者かの采配によって、その人生を操られていると知ったら……。「アルテーミスの采配」は、何者かによって人生に張り巡らされた“罠”の恐ろしさを描いた長編ミステリーです。
物語は、AV女優のインタビューから始まります。自己実現のためにAV女優といった仕事を選んだ女たちは、口々に自分の人生の選択を正当化していきます。しかし―—その発言は、嘘で塗れているのです。「これは本当に自分の選択だったのか……」。しかしながら、これは決してAV女優を題材にしたミステリーではありません。芸能という世界に張り巡らされた、罠、そして落とし穴を入り口に、著者は、世の中で正当化されている選択のその恐ろしさを問うていきます。殺されていく女優たち、彼女たちの取材をしているうちに、女優たちの不審死の容疑者と疑われる男、その男が残した取材記録を手にし事件の真相を探ろうとする出版社の女。物語の視点は次々と変わり、物語を引っ張る謎もまた、どんどん姿を変えていきます。「殺人犯は誰か」「犯人の狙いは何か」「アルテーミスとは何か」「采配とは何か」……。
キーワードは、「復讐」です。人は無意識のうちに誰かから恨みをかっていて、その誰かが本気で復讐を考えた時、人の人生というのは何とも簡単に歪められるものなのです。人は人に復讐をする時、その人生をもってして、長い時間をかけて、相手の人生ごと呪い、乗っ取るのです。物語を読み終えた時、読者は気付きます。今自分が生きる人生もまた、無意識のうちに自分が傷つけた、誰かの手の中にあるかもしれないと。
謎が謎を呼ぶ一気読みミステリー。すべての想像と推理を裏切るどんでん返しの応酬に息つく暇もありません。ラスト読み終わった時、物語のすべてが、「真梨幸子の采配」だったと気付かされます。
(幻冬舎HPより)
AV業界の内部とそこに関わる女たち。
ふとしたキッカケで本人の意志でなく、足を踏み入れた女性たちがAVの世界から
抜け出せなくなるなんて・・・・恐怖です!
AV女優たちに「アルテーミスの采配」と題したインタビュー本出版のために
インタビューする名賀尻龍彦の話が第一部。
それぞれの女優たちの言葉は、何処か胡散臭さがある。
そして第二部では、インタビューされた女優たちとその関係者たちの話。
それぞれの事情。人間関係のもつれ。
名賀尻はいつの間にか、連続殺人の容疑者にされていて・・・・
しかし、人って怖いな。
誰かを傷つけ、陥れて・・・・。
しかし、著者の真梨さんって、こんな話ばかり書いているけど、どういう人物なんだろ?
ちょっと著者自身に興味沸いてきたわ~^m^
嫌な話なんだけど、最後まで結構、面白く読ませてくれる。
★★★
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発行年月:2015年3月
笑いとは何か、人間とは何かを描ききったデビュー小説。第153回芥川賞受賞。
売れない芸人徳永は、熱海の花火大会で、師として仰ぐべき先輩神谷に電撃的に出会った。そのお笑い哲学に心酔して行動を共にしながら議論を続けるのだが、やがて二人は別の道を歩んでいくことになる。運命は二人をどこへ連れていくのか
(文藝春秋HPより)
凄く期待して読んだので・・・
途中で「?」と違和感ありましたが、我慢して読み終えました。
う~ん。
面白くないわけじゃないけれど・・・ちょっと会話で語り過ぎなところが
嫌でした。
理屈っぽい先輩芸人の神谷が語る言葉には、なるほどね・・・と思う部分も
あるのだけど、そんな語られても・・・・と冷めてしまった^^;
漫才とか、あまり知らないからかもしれないけれど。
でも芸人の著者が書いたものなので、リアリティはある!
人を笑わせる商売って、シンドイことなんだなと思った。
実生活でどん底の状況のときでも、ついつい笑える言葉を選んだり・・・
ちょっと哀しくなってきた(/_;)
芸人・又吉さん、好きなので、次作は、全くお笑いと関係ない話で
「おぉ~凄いじゃん!」と感動させて欲しいなぁ~。
★★
発行年月:2015年12月
出版社の校閲部で働く河野悦子(こうの・えつこ)。
部の同僚や上司、同期のファッション誌や文芸の編集者など、
彼女をとりまく人たちも色々抱えていて……。
日々の仕事への活力が湧く、ワーキングエンタメ第二弾!
(角川書店HPより)
校閲ガール第2弾です!
前回主人公の河野悦子の周りで働く人たちを紹介するような短編連作。
同期で帰国子女の森尾登代子=モーリィ。
校閲部の同期、米岡(ゲイ?)の胸キュン恋バナも面白かった。
新人作家と編集者の関係って特別なんだなぁ~と思わせてくれた貝塚と作家・田巻悠太の
話も良かった。
エリンギと呼ばれる茸原渚音(たけはらしゅおん)に凄い過去があったのも驚き!
登場人物たちそれぞれが主役になった物語、楽しく読めました♪
こんな楽しい人物たちが揃った出版社いいなぁ~。
校閲ガール、まだまだ続いて欲しい!
でもやっぱり、悦子が一番面白い^m^
★★★★
2015年12月
母が他界した五年後に、独り暮らしの父が亡くなった。納骨を済ませ子供たちは実家に集まり、ぽつりぽつりと両親の想い出話をする。遺品整理を始めたところ、父は意外なものを遺していた。そして初めて父の家族に対する想いを知るのであった(「月の庭」より)。それぞれの「人生の閉じ方」を描く終活短編集。
(双葉社HPより)
家族シリーズも8作目ですか?
8編の話、それぞれに出てくる「終の日」のこと。
まだまだ先の人、もうすぐかなぁ~?という人、もうタイムリミットが
迫っている人、既に亡くなり残された家族の話など。
印象に残ったのは
<いちにさんぽ>と<準備万端>かな?
<いちにさんぽ>は、乳癌が脳にも転移し、余命短い瑞希。
夫とは大学の軽音楽サークルで知り合い結婚。
幼稚園年長の娘が居る。
若い人のこういう話は、泣ける。
母親の立場として、幼い娘の成長を見守れずに逝かなきゃいけないなんて無念過ぎる。
でも、夫との関係は素敵。
終の日まで、家族の温かい時間が続きますように。。。
<準備万端>は、40歳独身の希美の母の話。
写真館に遺影を撮りに行くから付き合ってと言われ付いて行く。
その後は、下着を買いに。
倒れたとき、変な下着を着けていたら医者や看護師に見られたとき恥ずかしいから
だとか。
凄いな~こんな風に終の時のこと考えて準備することを楽しめるって
なんだかいいな~。
そうか・・遺影かぁ~。
両親の写真、今度何気なく撮っておこうかな~?^m^
★★★
発行年月:2012年4月
累計30万部を超す著者の家族小説シリーズ、第五弾。ひと月前に再婚した夫には女の子の連れ子がいる。まださん付けで呼ばれる私は授業参観の日が近づき、遠慮と希望が入り交じった複雑な気持ちになる。そして母の日が来て……。「ピンクのカーネーション」など、親子のあり方を見つめる8編。
(双葉社HPより)
色々な家族の話が8編。
どの話もよかった。
<父ちゃんとホットドッグ>
お酒が入ると暴れた父親のことが嫌いでずっと距離を取ってきた。
父が入院したと知り気が進まないけれど見舞いに行き、幼いとき一緒に
ホットドッグを食べた思い出話を父から聞く。
嫌いな父親だったけれど、良い思い出もあったんだと気づけてよかった。
<ピンクのカーネーション>
夫の連れ子の小学2年生の早紀との関わり方に悩む離婚歴ありの由貴。
夫の都合がつかず参観会に1人で向かう
由貴の気持ちを考えたら最後のピンクのカーネーションは最高のプレゼント
だったでしょうね~。
これから新しい家族の絆が結ばれそう。
<七夕生まれ>
ママ友たち4人で旅行を楽しむ。
主婦の誕生日なんてこんなものだろうなぁ~。
確かに一人家族から離れてのびのび楽しむは、最高かも^m^
<だめもと>
単身赴任でタイに3年間住むことになるかも?という状況で
高2と中2の娘二人と旅行する父親。
父親と娘の関係が上手く表されていた。
<裏窓の食卓>
妻を亡くし、マンションを引っ越す。
味気ない食卓だったが、窓を開けると聞こえる何処かの家族の
食事の会話を楽しみながら食事を摂るのが日課に。
なんだか侘しい気持ちになった。
娘さんとの関係が修復しますように・・・・
<埋め合わせ>
家が開業医だったので、父の言いなりで医者になった。
特に自分の志もなく・・・
ふと会話した人から言われた言葉で、自分の生き方を見直すっていい。
<ぶかっこうなおにぎり>
長野の実家から父が出張で上京。マンションに泊まることに。
やや気が重いながらも父と夕方待ち合わせをし、居酒屋で夕食をして
マンションへ。
小学生のときの運動会のお弁当の思い出。
朝起きると父は家を出た後で、おにぎりがラップに包まれて手紙と一緒に
置かれていた。
う~ん。これも泣けたな。
父親の優しさがいい(/_;)
<サンタ失格>
妻と別居して3か月。
小学2年の息子から電話で「サンタさんは絶対いるよね?」と聞かれる。
クリスマス、プレゼントを持ってこっそり家に行く。
別居解消かな?
最後の話がハッピーになれそうなもので良かった♪
家族シリーズ、あまり読んでないので、他のもまた読んでみよう。
森さんって男性だったんだ~とあとがきで気づいた(笑)。
★★★
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自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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