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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年12月


飛べ! あなたはもう一人じゃない。

交差するはずのなかった、それぞれのままならぬ人生。
小さな勇気が奇跡の連鎖を起こす、書き下ろし群像ミステリー。

尾岸七海(13)は母の再婚相手に身体を求められていた。「この男を本当に殺したい」。島薗元治(74)は妻に先立たれ、時間を持て余している。「若い奴は全くなってない」。永淵亨(32)はネットカフェで暮らし、所持金は1887円。「もう死ぬしかないのか」。山添択(13)は級友にゴミ扱いされて不登校に。「居場所はゲームの中だけだ」。設楽伸之(43)は二代目社長として右往左往している。「天国の父に笑われてしまう」……。全く接点のなかった、困難に直面する一人ひとりの日常。誰かの優しさが見知らぬ人を救う、たった一日の奇跡の物語。

                     (幻冬舎HPより)




日常を苦悩に押しつぶされそうになりながら生きている人たち。
でも、それぞれが何らかのアクションを起こした事で、変わっていく。

一番、気になったのは、13歳の七海と同じく13歳の択。
二人は、ゲーム内のチャットで知り合う。
七海は自分の悩みのタネである義父のことを殺してほしいという。
それに対して択は七海の救うためならと考える。

二人は、<いて><えとろふ>と呼び合う。

七海の願いが叶った後、二人は、実名を教え合い、今後は会うのかな?

イジメに会い、不登校になっていた択の周りの環境も少し良い方向に
向かって行きそう。



13歳の二人を救ったのは、他の大人。
ちょっとしたきっかけで、こんな風に変われたらいいね~。

表題の意味もわかりました。

そして、この表紙の絵も素敵。

ちょっとエグイ場面もありましたが、面白かった。



                     ★★★★

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発行年月:2015年3月

ときは一八五四年、徳川家定十三代将軍の時代。14歳の今井一期は、江戸城大奥に潜入し、座敷童子を連れてくるよう命じられる。仲良しの御次“茜”、伊賀者同心の”唐次”、枕絵の妖怪“サダさん“、人が死ぬと泣く妖怪”泣きジジさま”、妙にイチゴになつく犬・猫・狆たちなど、個性ゆたかな面々に囲まれて、イチゴは大奥と江戸の街を駆けまわる。はたして座敷童子の正体とは?

                  (講談社HPより)




表紙本からして、ちょっと怖い?と思ったら、意外と陽気な感じでした。
妖怪やら幽霊やらは出てくるし、不可解な事件めいたこともあるんだけど
主人公・イチゴが可愛らしくて、物語の雰囲気をほっこりムードに包んで
くれている。

肝心の座敷童子の正体は意外でしたが、まあ言われればそうか?

ドロドロに人間関係の大奥の話は、よく読むけれど、このお話は
ちょっと違った大奥の雰囲気を楽しめて面白かった。

家康と妙ちきりんの話がおとぎ話ぽくて良かったな~。


14歳のイチゴがこの先、どう成長して行くのか気になるなぁ~
続編あれば読みたいけど。


                       ★★★★

 



発行年月:2015年4月


 大学を卒業した朋美にとって父親の記憶はおぼろだ。父の膝の上に抱かれた記憶、煙草の匂い、顎にある大きなほくろ。活動家で、理想の世界実現に燃えていた、立派な男――まだ見ぬ父を思うたびに切なくなる。ところが、実業家の母である清子が衆議院議員に立候補した折、夫が在日朝鮮人であったことが報道され、朋美はその事実に衝撃を受ける。なぜ母はそれを黙っていたのか。不安と怒り、拒絶、落胆……複雑な感情が渦巻く。崩れていく理想像。父親の正体はいったい誰だったのか。自身のアイデンティティと向き合うために、朋美は父親の足跡を辿る。一方、日本人である母親と父との出会いにも、秘められたドラマがあった…。母子三代にわたる在日の家族を描く、感動の物語。

                  (朝日新聞出版HPより)



主人公の浜田朋美は、ライターで韓国絡みの記事を書くことが多い。
父は8歳の時に行方不明になり、母・清子は、全国にチェーン展開するエステ事業のほか
ソポーツクラブやリゾートホテルなども手掛ける会社を経営。

父親は在日韓国人だった?
北朝鮮の工作員?

有名人でもある母のことがいろいろメディアに取り上げられ、自分の知らない父の
ことが気になる朋美。


時代は現在と過去を交錯しながら・・・
朋美が誕生するまでの母と父のことなども語られ、二人は信頼し合って朋美が
生まれた。

物語の終盤、父親の居場所がわかり父親代わりのような存在であり父とも
面識があるという黒沢とともに父親が居る大阪に向かう。
自分が娘だと言うことを伏せて、父がなぜ、妻と子の前から姿を消したのかを
本人から直接、聞く。


50年くらい前だとやはり日本人が韓国人に抱く印象は良いものでは
なかったんだろうな。
母・清子は家族の反対を押し切って父と結婚することを望んだ。
それは強い意志。

最後のエピローグでは、父と再会から20年以上経った朋美の近況。
結婚して娘も生まれ、ギクシャクしていた母親・清子との仲も
良くなっていてホッとした。


最初のプロローグを読み返してみるとジ~ンと来るものがあった。


初読みの作家さんなので、ちょっと調べたら、両親が在日韓国人で
結婚を機に日本国籍を取得したとか。
ほかの著も読んでみたいな。


                        ★★★★



発行年月:2009年6月

大学受験失敗と家庭の事情で不本意ながら看護学校へ進学した木崎瑠美。毎日を憂鬱に過ごす彼女だが、不器用だけど心優しい千夏との出会いや厳しい看護実習、そして医学生の拓海への淡い恋心など、積み重なっていく経験が頑なな心を少しずつ変えていく……。揺れ動く青春の機微を通じて、人間にとっての本当の強さと優しさの形を真っ向から描いた感動のデビュー作。

                    (光文社HPより)




看護師のわたしが読むと、なんだか懐かしい場面ばかりでした。

実習はホントに辛かった。
精神的に・・・・。

主人公の木崎留美は、最初は、看護師になりたくて看護専門学校に入学したわけでは
なかった。
でも、真面目で相手を思いやり、看護師は合っている職業じゃないかな?と
感じた。

友だちになった、山田千夏も同様、一生懸命、実習の予習をしたり
良い看護師になれる素質を十分に持っていた。

しかし、最後は、千夏は自主退学。

その原因になったのは、実習中、看護記録の修正を強要されたから。

う~ん。
これは、ちょっと、わたしからしたら疑問。

だいたい、看護記録を修正液で書き直させるはありえない。
一度記入したものは、書き直せない。
直す場合は、二重線で消した上に訂正印が決まり事だから。
修正液で消したら、それは不正行為。



ま、それは置いておいて・・・
千夏の正義感に同情する。

実習した病院が悪かったために、将来有望な看護師を潰してしまったと思うと
腹が立つ。

後味悪いラストだったなぁ~。
遠野さんの死もよくわからんし・・・。

それでも、物語としては、まあまあ面白かった。


                         ★★★


 



発行年月:2015年1月


 片田舎の小学校に、東京から美しい転校生・エリカがやってきた。エリカは、クラスの“女王”として君臨していたマキの座を脅かすようになり、クラスメイトたちを巻き込んで、教室内で激しい権力闘争を引き起こす。スクール・カーストのパワーバランスは崩れ、物語は背筋も凍る、驚愕の展開に――。伏線が張りめぐらされた、少女たちの残酷で切ない学園ミステリー

                   (宝島社HPより)



注・・・ネタバレ含みますm(__)m



三部作の学園ミステリー。
<第一部 子どもたち>
<第二部 教師>
<第三部 真相>


第一部では、小学校3年1組の女王的存在のマキの横暴ぶりを最初に描き
そのクラスがそのまま4年生になった始業式に東京から転校してきた
エリカが、女王の座を奪う展開に。

学級委員のメグは、気は小さいのに正義感でクラスの諍いの度になんとかしようと
首を突っ込み、それを見かねた僕も本当は関わりたくないのに、メグを助ける
ために関わらざるを得なくなる。

クラスのなかの微妙な人間関係がよく描かれている。

が・・・・名前が全部カタカナだったりあだ名だったりがちょっと引っかかる。


第二部は、クラス担任の目線から描く4年1組。
ここで急に子どもたちの名前がフルネームになったりする。
あとで、これが読者に対する罠だと気づくのだけど・・・


そして第三部は、第一部の真相。
読んでいたら、段々わかる、第二部は第一部の続きじゃないね^^;


ああ、こういうだましの手があるのね・・・苦笑。

でも嫌な話だ。
恐ろしい話。


一気に読まされたけど、こういうのもアリですかぁ~?
真相がわかると「そりゃないよ~」と一言言いたくなる部分ありあり。^^;

  
後で知ったけど、著者って女性二人のユニットなんですね~
でも、ま、今後の作品もちょっと興味あるかも。
 
 
                           ★★★
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