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自分の備忘録としてのものなので 本のネタバレ的内容も多々あり。
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発行年月:2015年8月


第153回芥川賞受賞作

「早う死にたか」
毎日のようにぼやく祖父の願いをかなえてあげようと、
ともに暮らす孫の健斗は、ある計画を思いつく。

日々の筋トレ、転職活動。
肉体も生活も再構築中の青年の心は、衰えゆく生の隣で次第に変化して……。
閉塞感の中に可笑しみ漂う、新しい家族小説の誕生!

                 (文藝春秋HPより)




健斗は、新卒で5年間勤めた会社を辞め、就活中。
独学で資格試験にも挑みながら前向きに頑張る青年。

自宅には母とその父親である祖父(87歳)が居て、母と健斗は祖父の介護をしながらの
日常。
ディサービスやショートステイを利用し、家庭内では杖があれば自力歩行が可能な
祖父の入浴時の介助は健斗がすることが多い。

祖父の口癖は「早う死にたか」

そんな望みを叶えてあげたいと思う健斗。
良い孫だなぁ~。
祖父の気持ちを理解してあげている。


祖父が倒れて入院した際、見舞いに行き、感じたことは、同感。
チューブだらけで延命を施されているだけの生なら、自分なら要らないな。
そういう意思をちゃんと老いたら家族に伝えておくことが必要かもね。


物語は淡々と深刻にならず今の社会問題なども踏まえて描かれていた。
楽しい話じゃなかったけれど、ただ暗いだけじゃない家族の在り方を
考えさせられたりと、なかなか読みごたえがあった。

文章もとてもわかりやすい。

他の作品も読んでみたくなった。

同時に芥川賞受賞の「火花」より、こちらが断然、好き。


                          ★★★★
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発行年月:2016年2月


 仙台にある「本当寺」というお寺の墓地には、振袖姿のかわいい幽霊がでます。名前は「お鈴」。そう、お鈴さんは江戸時代の呉服屋の娘さん。とある事情で平成の世になっても、いまだに成仏できずにいるんです……。

                    (角川書店HPより)




お鈴さんは、幽霊でした。
呉服屋末広屋の娘で17歳で亡くなっている。
力弥という男が好きだったのに、彼はおナミさんと駆け落ちしてしまった。
お鈴は、そんな二人の末裔を探しているという。

村田カエデ(27歳)は、信用金庫勤務で母と二人暮らし。
カエデが2歳の時に両親は離婚し、父親とは全く会っていない。
が・・・そんな父親が亡くなり、娘あての手紙があると病院で父を看取った
看護師がカエデの元にそれを送ってきた。
そのなかに八木山の本当寺にお参りに来てほしいと。

そして、そのお寺に行った際、出会ったのがまるで舞妓さん姿のお鈴さんと
そのそばにいた呉服屋の番頭だった重兵衛さん。

カエデには二人の姿が見えたけれど、他の者には見えない。

以来、カエデの前に突如現れる。
力弥とおナミを探して欲しいと頼まれて・・・・

で、現在の世で夫婦の佐藤奈美とその夫・力弥に出会う。
二人はお鈴の探している者たち?復讐するの?と思いきや
二人の危機を救う。
なんとも心優しい幽霊です(^^)

他にも困っている人の手助けをして、おせっかいというより
困っている人を見過ごせない性格なんでしょう。

カエデの父親の事も詳しくわかり、母親にナイショにしていた手紙の
ことも実は全部、知っていたとは。

表紙の絵の通り、可愛い幽霊とそれに助けられる人たちの楽しいお話でした♪

ところで、お鈴さんは成仏したのかな?


                       ★★★




発行年月:2015年12月


飛べ! あなたはもう一人じゃない。

交差するはずのなかった、それぞれのままならぬ人生。
小さな勇気が奇跡の連鎖を起こす、書き下ろし群像ミステリー。

尾岸七海(13)は母の再婚相手に身体を求められていた。「この男を本当に殺したい」。島薗元治(74)は妻に先立たれ、時間を持て余している。「若い奴は全くなってない」。永淵亨(32)はネットカフェで暮らし、所持金は1887円。「もう死ぬしかないのか」。山添択(13)は級友にゴミ扱いされて不登校に。「居場所はゲームの中だけだ」。設楽伸之(43)は二代目社長として右往左往している。「天国の父に笑われてしまう」……。全く接点のなかった、困難に直面する一人ひとりの日常。誰かの優しさが見知らぬ人を救う、たった一日の奇跡の物語。

                     (幻冬舎HPより)




日常を苦悩に押しつぶされそうになりながら生きている人たち。
でも、それぞれが何らかのアクションを起こした事で、変わっていく。

一番、気になったのは、13歳の七海と同じく13歳の択。
二人は、ゲーム内のチャットで知り合う。
七海は自分の悩みのタネである義父のことを殺してほしいという。
それに対して択は七海の救うためならと考える。

二人は、<いて><えとろふ>と呼び合う。

七海の願いが叶った後、二人は、実名を教え合い、今後は会うのかな?

イジメに会い、不登校になっていた択の周りの環境も少し良い方向に
向かって行きそう。



13歳の二人を救ったのは、他の大人。
ちょっとしたきっかけで、こんな風に変われたらいいね~。

表題の意味もわかりました。

そして、この表紙の絵も素敵。

ちょっとエグイ場面もありましたが、面白かった。



                     ★★★★




発行年月:2015年3月

ときは一八五四年、徳川家定十三代将軍の時代。14歳の今井一期は、江戸城大奥に潜入し、座敷童子を連れてくるよう命じられる。仲良しの御次“茜”、伊賀者同心の”唐次”、枕絵の妖怪“サダさん“、人が死ぬと泣く妖怪”泣きジジさま”、妙にイチゴになつく犬・猫・狆たちなど、個性ゆたかな面々に囲まれて、イチゴは大奥と江戸の街を駆けまわる。はたして座敷童子の正体とは?

                  (講談社HPより)




表紙本からして、ちょっと怖い?と思ったら、意外と陽気な感じでした。
妖怪やら幽霊やらは出てくるし、不可解な事件めいたこともあるんだけど
主人公・イチゴが可愛らしくて、物語の雰囲気をほっこりムードに包んで
くれている。

肝心の座敷童子の正体は意外でしたが、まあ言われればそうか?

ドロドロに人間関係の大奥の話は、よく読むけれど、このお話は
ちょっと違った大奥の雰囲気を楽しめて面白かった。

家康と妙ちきりんの話がおとぎ話ぽくて良かったな~。


14歳のイチゴがこの先、どう成長して行くのか気になるなぁ~
続編あれば読みたいけど。


                       ★★★★

 



発行年月:2015年4月


 大学を卒業した朋美にとって父親の記憶はおぼろだ。父の膝の上に抱かれた記憶、煙草の匂い、顎にある大きなほくろ。活動家で、理想の世界実現に燃えていた、立派な男――まだ見ぬ父を思うたびに切なくなる。ところが、実業家の母である清子が衆議院議員に立候補した折、夫が在日朝鮮人であったことが報道され、朋美はその事実に衝撃を受ける。なぜ母はそれを黙っていたのか。不安と怒り、拒絶、落胆……複雑な感情が渦巻く。崩れていく理想像。父親の正体はいったい誰だったのか。自身のアイデンティティと向き合うために、朋美は父親の足跡を辿る。一方、日本人である母親と父との出会いにも、秘められたドラマがあった…。母子三代にわたる在日の家族を描く、感動の物語。

                  (朝日新聞出版HPより)



主人公の浜田朋美は、ライターで韓国絡みの記事を書くことが多い。
父は8歳の時に行方不明になり、母・清子は、全国にチェーン展開するエステ事業のほか
ソポーツクラブやリゾートホテルなども手掛ける会社を経営。

父親は在日韓国人だった?
北朝鮮の工作員?

有名人でもある母のことがいろいろメディアに取り上げられ、自分の知らない父の
ことが気になる朋美。


時代は現在と過去を交錯しながら・・・
朋美が誕生するまでの母と父のことなども語られ、二人は信頼し合って朋美が
生まれた。

物語の終盤、父親の居場所がわかり父親代わりのような存在であり父とも
面識があるという黒沢とともに父親が居る大阪に向かう。
自分が娘だと言うことを伏せて、父がなぜ、妻と子の前から姿を消したのかを
本人から直接、聞く。


50年くらい前だとやはり日本人が韓国人に抱く印象は良いものでは
なかったんだろうな。
母・清子は家族の反対を押し切って父と結婚することを望んだ。
それは強い意志。

最後のエピローグでは、父と再会から20年以上経った朋美の近況。
結婚して娘も生まれ、ギクシャクしていた母親・清子との仲も
良くなっていてホッとした。


最初のプロローグを読み返してみるとジ~ンと来るものがあった。


初読みの作家さんなので、ちょっと調べたら、両親が在日韓国人で
結婚を機に日本国籍を取得したとか。
ほかの著も読んでみたいな。


                        ★★★★
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