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読んだ本の感想あれこれ。
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4117f396.jpg   発行年月:2008年7月


17歳のおちかは、川崎宿で旅籠を営む実家で起きたある事件をきっかけに、他人に心を閉ざした。いまは、江戸・神田三島町に叔父・伊兵衛が構える袋物屋「三島屋」に身を寄せ、黙々と働く日々を過ごしている。ある日伊兵衛は、いつも碁敵を迎える「黒白の間」におちかを呼ぶと、そこへ訪ねてくる人たちから「変わり百物語」を聞くように言いつけて出かけてしまう。そして彼らの不思議な話は、おちかの心を少しずつ、溶かし始めていく・・・。おちかを襲った事件とは? 連作長編時代小説。

                                     
(角川書店HPより)


宮部さんの時代物は、以前も読みましたが、読みやすくて好きです!

今回は、いろいろな哀しい過去を持った人たちの話がいろいろ登場する。
ちょっと残酷な死があったり、その死にまつわるいろいろな人々の心情などを描いている。

訪ねて来る人たちが語る話を聞く、おちかにも胸に秘めた重く哀しい過去があり、人の話を聞くうち、自身の秘めた物も吐き出そうと、少しずつ語られる。
なるほど・・・そういう過去でしたかぁ~。
ちょっとやそっとでは忘れられない過去でした。
自分の身に起こったものだと想像したら・・・おそろしい。

訪ねてくる人たちの語る話もおそろしい。
怖いというより・・・おそろしい。
今まで普通に良い人柄で居た人がある事がキッカケで、残酷な過ちを犯してしまう。
そこには、哀しさもありました。

最初の話では、曼珠沙華が咲く間に人の顔を見て、自身の罪の意識を感じると言う男。
ほかには、人を導き、飲み込むという屋敷の話。兄と姉が道ならぬ仲になり起こった哀しい事件の話。
そして、語りを聞いていた、おちかが語った哀しく残酷な事件の話。

その全てが最後の章、人を飲み込む安藤坂の屋敷で、ひとつの物語になる。

死んで行った者も生きている者もお互いがお互いに抱く想いがあって、人間っておそろしいけど優しい。それは紙一重なのかも・・・・なんて思ったりしました。

結構、厚い本ですが、惹き込まれるように読み続けられました。
おもしろかった!!


この続編にあたる本も続けて読んでみましょう!

 

★★★★


 
PR
94864147.jpg発行年月1992年7月(第1刷)
      1999年(第43刷)


怪我のリハビリ中の為、休職中の刑事・本間俊介は、親戚の栗坂和也から行方不明になった婚約者の関根彰子を探して欲しいと依頼される。

捜査の最初で彰子には自己破産の経歴があった事を知る。
そして、そこから次々と明かされる驚きの事実。

                        山本周五郎賞受賞作品


先日、宮部さんの読んだファンタジ-(?)・英雄の書が、やや自分のなかでは期待ハズレだったので、結構、前の作品で、宮部作品のなかでは、人気が高い本書を読んでみました。

面白かった!
やはり、宮部さんは、こういう作品の方が上手い!!

行方不明の女性・彰子を追ううちに、自己破産の事実があり、それから、実は別人・新城喬子になりすましていたという事実がわかり・・・・

二人の女性に、共通してある過去が、借金。
彰子の場合は、自分が作った借金。
喬子の場合は、父親が作った借金。

借りたお金は、返して当然なのですが、クレジットカ-ドによるキャッシングには、恐ろしく高い金利が付いているという事が、借金地獄に陥る原因。
借りた者だけが悪いと言うのは、酷過ぎる!
こういうカラクリは、もう少しどうにかならないものなのか?

彰子の行方を追いながら、もう一人の女性・喬子の行方も追うという話の展開で、二人の女性は、何処に?と自然にその真相を早く知りたい!という気持ちにさせられた。


そして、少しずつ知らされる事実。
う~ん。切なかった。

ラストを、読んだそのときは「え?ここで終わり!?」と、やや拍子抜けでしたが、暫くすると、あの終わり方で、やはりよかったんだと思えました。

二人の女性が、最後まで出てこないからこそ、いいのかも。


重たい話のなかで時々、登場の本間の息子・智が可愛かったなぁ~。
行方不明になった犬を探す場面は、泣けたけど。
母親が亡くなり、本間と二人暮らしだけど、周りの人に手助けされながら、素直で良い子に育ってる。
言うこともシッカリしてるし、思いやりが感じられて。


この本はもう暫くしたら、また読み返したくなるというかんじ!

過去の宮部作品で、まだ読んでないものも多いので、また探して読んでみよう!

★★★★★
e3676f66.jpg   発行年月:2009年2月


   <英雄>を捕え兄を連れ戻すべく、数多くの物語を旅する
   少女の過酷な追跡が始まる------。

   時代を合わせ鏡に、いまを生きる私たちの姿を
   描き出すファンタジ-。

                     
(毎日新聞社HPより)


上巻は、下巻へのプロロ-グ的で、やや読みながら疲れましたが、下巻はなかなか面白くぺ-ジをめくるスピ-ドもUP!

異世界にいよいよ舞台を移して、仲間と共に、<英雄>に魅せられた兄を救おうと旅たつ妹・ユ-リ。
小学5年生の女の子なので、最初は、泣いたり、ちょっと大丈夫か!?と心配しましたが、次第に自分の力を信じ、勇敢に物事に臨む姿に成長を感じました。
子どもって、自分の役割を理解すると、意外と力を発揮したりしますからね。

そして、どうして、優しく賢い兄が、同級生の命を奪ったのか?
その事実も知らされ・・・・・

兄を連れ戻すという目的は簡単には果たせないことだと知るユ-リ。

ブレ-ブ・スト-リ-とこの辺は、ちょっと似た結末だなぁ~。
おおかた予想はしていましたが・・・・^^;


現実の世界に戻ったとき、それでも友理子は、体験により兄の真実を知ったことで、明るく前を向けるようになれたのかな?

辛いことを乗り越えるためには、ちゃんとした事実を知る事も必要なのかも。
そのために、より一層の哀しみを経験するとしても。

善と悪は紙一重。
善を貫こうと悪を滅ぼしたはずが、ほかの悪をも生んでしまう事もある。

その悪を犯すことを覚悟してまでも貫き通す善をユ-リの兄・大樹は選んだのかな?
それはいけないことか?許されることか?

う~ん。むずかしい。

最後、もしかして、ユ-リは再び、旅に出ることになるのかな?という終わり方。

続きが出るのなら、また読んでみたい。
でも、これは、このまま終わった方がいいような・・・・。

最後まで楽しめたけど、ブレ-ブスト-リ-とどうしてもダブってしまって新鮮さがなかったな。

宮部さんには、もっと違うものを読ませて欲しい・・・個人的願望です^^;

★★★
c1b36479.jpg   発行年月:2009年2月


  お兄ちゃんが人を刺すなんて・・・・
  <英雄>に取りつかれた最愛の兄を追って、少女は
  物語の世界に降り立った。
  そこで彼女は、すべての物語が生まれ帰する一対の
  大輪を前に、恐るべき光景を目にしてしまう--------。

                      
(毎日新聞社HPより)


冒険ファンタジ-というかんじでしょうか?
前にあった「ブレ-ブスト-リ-」と似た雰囲気だなぁ~というかんじ。

今回、冒険の主人公は11歳の女の子・友理子。
物語の世界(無名の地)では、印を戴く者として、ユ-リと呼ばれる。


上巻では、行方不明になった兄を探しに妹が、無名の地なる場所に出向くまでの話。
まだ冒険と呼べるものは始まっていない。

兄は、心優しく、賢い14歳の男の子。
その兄が、同級生を刺したという衝撃の事件から物語が始まります。

事件の後、すぐに姿を消した兄の消息は?
上巻では、その事件にかかわりある少女の証言はありますが、詳しい事はよくわからないまま。

下巻で、どうこれが展開していくのか?
心優しい少年が人を刺すまでの残酷な行為に走った本当の原因は?


正直、上巻だけは、この物語の評価は難しいなぁ~。

読みやすかったけど・・・・^^;

早く、下巻を読まなきゃ!

★★★
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