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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2020年6月


宮部みゆき、久々の新シリーズ始動! 謎解き×怪異×人情が味わえて、著者が「生涯、書き続けたい」という捕物帖であり、宮部ワールドの要となるシリーズだ。
 舞台は江戸深川。いまだ下っ端で、岡っ引きの見習いでしかない北一(16歳)は、亡くなった千吉親分の本業だった文庫売り(本や小間物を入れる箱を売る商売)で生計を立てている。やがて自前の文庫をつくり、売ることができる日を夢見て……。
 本書は、ちょっと気弱な主人公・北一が、やがて相棒となる喜多次と出逢い、親分のおかみさんや周りの人たちの協力を得て、事件や不思議な出来事を解き明かしつつ、成長していく物語。
 北一が住んでいるのは、『桜ほうさら』の主人公・笙之介が住んでいた富勘長屋。さらに『<完本>初ものがたり』に登場する謎の稲荷寿司屋の正体も明らかになるなど、宮部ファンにとってはたまらない仕掛けが散りばめられているのだ。
 今の社会に漂う閉塞感を吹き飛ばしてくれる、痛快で読み応えのある時代ミステリー。

                    (PHP研究所HPより)




文庫屋として独立するまでの北一。
陰で支えてくれるのは、亡くなった千吉親分のおかみさん松葉。
目が不自由だけれど、勘がよく人の動作やちょっとした空気感でまるで
見えているような洞察力。

北一のよきアドバイザーの役割。


きたきた捕物帖というからには、も一人の『きたさん』はいつ登場?と
期待しつつ読んでいたので、湯屋で働く喜多次の登場に「おぉ~!」となった。
最初は「?」と思ったけれど、なかなかのやり手の様子。
これからの二人が楽しみな新シリーズ!


悪だくみをしているものが最後には、痛い目をみる話たちは
読んでいて小気味いいな。


喜多次の詳しい生い立ちも今後、わかってくるのかな?


                    ★★★★★
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発行年月:2019年7月

親子の救済、老人の覚醒、30年前の自分との出会い、仲良しロボットとの別れ、無差別殺傷事件の真相、別の人生の模索……淡く美しい希望が灯る。宮部みゆきの新境地、心ふるえる作品集。

『さよならの儀式』刊行によせて
〈10年前、新しく始まるSFアンソロジー『NOVA』(大森望責任編集、河出文庫)に参加しませんか----と誘っていただいたとき、これまでのような「なんとなくSF」ではなく、「ちゃんとSF」を書こうと思いました。その積み重ねで出来上がったのが本書です。歳月のなかで私が変化したところと変化しないところが浮かび上がり、作家的血液検査の結果を見るようで、嬉しくもあり恐ろしくもある作品集になりました。〉----宮部みゆき

収録作品(全8編)
「母の法律」
虐待を受ける子供とその親を救済する奇蹟の法律「マザー法」。でも、救いきれないものはある。
「戦闘員」
孤独な老人の日常に迫る侵略者の影。覚醒の時が来た。
「わたしとワタシ」
45歳のわたしの前に、中学生のワタシが現れた。「やっぱり、タイムスリップしちゃってる!」
「さよならの儀式」
長年一緒に暮らしてきたロボットと若い娘の、最後の挨拶。
「星に願いを」
妹が体調を崩したのも、駅の無差別殺傷事件も、みんな「おともだち」のせい?
「聖痕」
調査事務所を訪れた依頼人の話によれば----ネット上で元〈少年A〉は、人間を超えた存在になっていた。
「海神の裔」
明治日本の小さな漁村に、海の向こうから「屍者」のトムさんがやってきた。
「保安官の明日」
パトロール中、保安官の無線が鳴った。「誘拐事件発生です」なぜいつも道を間違ってしまうのか……

                            (河出書房新社HPより)



8編の短編、どれもそれなりに面白かったけれど、やはり宮部さんは長編の方がいいなぁ~。


印象的だったのは、最初の「母の法律」。

虐待を受ける子どもの保護のため、国家が親権を管理する法律・・・マザー法。

実母が死刑囚の二葉は、保護施設のグランドホームで平穏に過ごし、さらに新しい両親の元でも
幸せに過ごした。

が・・・突然、知る事実。
実母と再会する最後の場面・・・・うわ~やりきれない。
二葉はこのあと、どういう風に生きていくんだろう?凄く気になる。



表題作{さよならの儀式」は、ずっと一緒に暮らしてきたロボット・ハーマンに不具合が度々、起こり
廃棄することになったのだが、なかなか決心がつかない女性とその女性に対応する
廃棄手続き窓口の技師のやり取り。

ロボットとはいえ、愛着沸いたら、別れは辛いよね~。



ちょっと哀愁漂う、近未来的なSFの話たち。

まあまあ楽しめた。


                                          ★★★




発行年月:2018年11月


 『希望荘』以来2年ぶりの杉村三郎シリーズ第5弾となります。中篇3本を収録する本書のテーマは、「杉村vs.〝ちょっと困った〟女たち」。自殺未遂をし消息を絶った主婦、訳ありの家庭の訳ありの新婦、自己中なシングルマザーを相手に、杉村が奮闘します。

収録作品――あらすじ――

「絶対零度」……杉村探偵事務所の10人目の依頼人は、50代半ばの品のいいご婦人だった。一昨年結婚した27歳の娘・優美が、自殺未遂をして入院ししてしまい、1ヵ月以上も面会ができまいままで、メールも繋がらないのだという。杉村は、陰惨な事件が起きていたことを突き止めるが……。

「華燭」……杉村は近所に住む小崎さんから、姪の結婚式に出席してほしいと頼まれる。小崎さんは妹(姪の母親)と絶縁していて欠席するため、中学2年生の娘・加奈に付き添ってほしいというわけだ。会場で杉村は、思わぬ事態に遭遇する……。

「昨日がなければ明日もない」……事務所兼自宅の大家である竹中家の関係で、29歳の朽田美姫からの相談を受けることになった。「子供の命がかかっている」問題だという。美姫は16歳で最初の子(女の子)を産み、別の男性との間に6歳の男の子がいて、しかも今は、別の〝彼〟と一緒に暮らしているという奔放な女性であった……。


                     (文藝春秋HPより)



杉村三郎シリーズですね。
離婚して別れて住んでいる娘の桃子ちゃんは小学5年生になりましたかぁ~。
杉村の日常は、割合のほほんとしたもので、大家家族との関係も
微笑ましいのですが・・・・
関わる事案が、なんとも後味悪いものばかり。


最初の話は読んでいて、腹立たしく思えてきた。
こんな人間関係に巻き込まれたら、本当に不幸。
自殺した女性も自殺未遂したという女性も気の毒。
結婚相手の交友関係も自分に降りかかることがあるって
良い関係ならいいけれど、こんな関係は本当に迷惑。

これは殺害した者に大いに同情しちゃいました。


他ふたつも・・・ごちゃごちゃした人間関係に辟易。

だから、時々和む、杉村の日常はいい感じ。



                          ★★★

  
  
  
  発行年月:2018年4月
  
  
  人間の愚かさ、残酷さ、哀しみ、業――これぞ江戸怪談の最高峰!
江戸は神田の筋違御門先にある袋物屋の三島屋で、風変わりな百物語を続けるおちか。塩断ちが元凶で行き逢 江戸は神田の筋違御門先にある袋物屋の三島屋で、風変わりな百物語を続けるおちか。 塩断ちが元凶で行き逢い神を呼び込んでしまい、家族が次々と不幸に見舞われる「開けずの間」。 亡者を起こすという“もんも声”を持った女中が、大名家のもの言わぬ姫の付き人になってその理由を突き止める「だんまり姫」。屋敷の奥に封じられた面の監視役として雇われた女中の告白「面の家」。百両という破格で写本を請け負った男の数奇な運命が語られる表題作に、三島屋の長男・伊一郎が幼い頃に遭遇した椿事「金目の猫」を加えた選りぬき珠玉の全五篇。人の弱さ苦しさに寄り添い、心の澱を浄め流す極上の物語、シリーズ第一期完結篇!

              

もくじ

第一話 開けずの間
第二話 だんまり姫
第三話 面の家
第四話 あやかし草紙
第五話 金目の猫

                   (角川書店HPより)





三島屋シリーズ。

聞き手のおちかに加えて三島屋の次男・富次郎が登場。
おちかにとっては従兄弟。

最初の話<開けずの間>は、行き逢い神を招き入れてしまったことによって
次々起きる不幸に翻弄される三好屋の物語。
語るのは、当時まだ子どもだった三好屋の平吉。

行き逢い神は恐ろしいと最初は思ったけれど、結局は人間の身勝手さが
一番恐ろしい。

読んでいて次々起きる不幸には気が滅入った。


他の話は、一話ほどの怖さはなくて楽しみながら読めた。

お話としては二話の<だんまり姫>が好きかな?
あやかしを呼び寄せる声を持つ、おせいの語り。

大黒家の姫・加代姫(7歳)のおまる係として奉公することになった、おせい。
姫はしゃべらないので、だんまり姫と呼ばれていた。
何故、喋らない?喋れない?
おせいは、10歳で亡くなった一国様と会話し、お城に憑りつかれて
外に行けない一国様を解放してあげる。
あやかしの力を借りながら・・・

最後は姫様の声も戻り、めでたしめでたし。


<面の家>もちょっと不気味。
面が逃げないように見張る仕事を任された、お種の語り。

第四話<あやかし草紙>では、貸本屋を営む瓢箪古堂の若旦那・勘一が
登場。
おちかと良い関係になって、あれよあれよと言う間に夫婦になる顛末。
ちょっとこの急展開には驚いたけど、おちかが幸せそうで良かった

富次郎が聞いた物語を絵にして、それをまとめて<あやかし草紙>と名付けることに。


最後の<金目の猫>は、富次郎とその兄・伊一郎の子ども時代の話。
仔猫を見つけ家に連れ帰るが飼うことは許されず、油屋の娘・お久の元で
飼って貰い、そこを度々訪れる富次郎。猫の名前は、まゆと付ける。
まゆは、富次郎の家に以前いた縫い子の生霊だった。

生霊ってちょっと怖い響きだけれど。これは少し温かい気持ちになれて
良い話だった。


この後、三島屋の百物語は、富次郎が引き継ぐみたい。
新しい百物語もまた楽しみに待ちたい。



                         ★★★★★





発行年月:2017年8月


 それは亡者たちの声? それとも心の扉が軋む音? 正体不明の悪意が怪しい囁きと化して、かけがえのない人々を蝕み始めていた。目鼻を持たぬ仮面に怯え続ける青年は、恐怖の果てにひとりの少年をつくった。悪が幾重にも憑依した一族の救世主に、この少年はなりうるのか――。21世紀最強のサイコ&ミステリー、ここに降臨!

                  (新潮社HPより)


上巻での謎が、次々明かされた。
重興のなかにいた、女・桐播は、五香苑の家守であった五郎助の娘。
五郎助は、桐葉が重興にかけた呪詛が効いているか監視するために家守として
五香苑に入った。


重興が父・成興を殺めたのも呪詛によるものであった。


重興の体のなかにいた琴音という少年は、重興を救うために真実を告げ
謎解きの大きな役目を果たした。

多紀や、館守の石野織部、医師の白登も重興を救うために働き、最後は
重興が呪縛から解かれハッピーエンド。


途中、もしかしたら、これ最後は、哀しい結末で終わるパターン?
とハラハラして読んだので、ラストの正に、この世の春に相応しい
描写にはホッとした。

多紀が幸せになれそうでよかった。よかった。


四人の行方不明の少年たちは可哀想だったな。
でも成仏できたのかな?

哀しく重苦しいこともいっぱいあったけれど、多紀の周りで働く人たちは
皆、心温かい人たちで会話などは和んだ。


最初から最後まで面白かった。



                         ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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