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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2018年2月


 

「もし、君が僕の葬式に来てくれるようなことになったら、そのときは祝福してくれ」
自分の死を暗示するような謎の言葉を遺し、37歳の若さで死んだ医師・土岐佑介。
代々信州を地盤とする医師家系に生まれた佑介は、生前に不思議なことを語っていた。
医師である自分たち一族には「早死にの呪い」がかけられているという――。 
簡単に死ねなくなる時代につきつけられる、私たちの物語。

                   (講談社HPより)



5つの章から成る、短編連作。

早死にする家系の土岐一族。
職業は皆、医師。

最初の章は、37歳で亡くなる土岐祐介の話。
親友の手島が生前、祐介から聞かされていた言葉を思い出す。

その後の章では、土岐家の人々の話。

祐介の父・冬司は、49歳で胃がんで亡くなる。
祐介の祖父。伊織は52歳で登山中に滑落死。
祐介の曽祖父・騏一郎は55歳で肝硬変で亡くなる。
祐介の大叔父(祖父の弟)・長門は50歳入浴中に脳梗塞で溺死。
長門の息子・覚馬は52歳で肺がんで亡くなる。


そんな中、唯一長生きしたのは、祐介の兄・信介。
91歳で施設にいるということで、最終章で88歳になった手島が会いに行く。
その場面が、なんだか衝撃的。
時は2068年の設定。
癌はもはや怖くない病気。手術しなくても薬で治るようになっている。

80歳で亡くなるのは早死と言われる時代。


信介は114歳で同じ施設内にいる母親より先には逝けないと言う。
その姿は、なんだか狂気じみていて
長生きは幸せなことなのか??と疑問が沸く。


著者が問題提起のように書いた<希望の御旗>は、考えさせられた。
治療方法には色々あるけれど、何が何でも延命は、やめて欲しい。
こうなったら、もう自然のままにしてほしいとか、ちゃんと自分の最期を
子ども達に伝えておかなきゃ。

土岐冬司の最期は、なんだか皮肉。
自分が信じていた治療を体験して、間違っていたかもしれないと気づくとは・・・・。


医師の著者が書く物語は面白い!
次回作も期待します!


                     ★★★★★

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発行年月:2018年4月

小国ナスミ、享年43。
息をひきとった瞬間から、彼女の言葉と存在は、湖に落ちた雫の波紋のように、
家族や友人、知人へと広がっていく――。
命のまばゆいきらめきを描く感動と祝福の物語!

                 (河出書房新社HPより)



ドラマ『富士ファミリー』を見たので、ナスミ=小泉今日子のイメージで
読んだ。

ちなみに他のドラマでの配役は
長女、鷹子=薬師丸ひろこ
三女、月見=ミムラ
笑子ばあちゃん=片桐はいり

なすみの夫・日出男の再婚相手・愛子も登場。
愛子にもちゃんと、なすみは影響を与えて逝ったんだな~。
その子ども光が小説の最後には40歳か~

43歳で亡くなった、ナスミはその年のまま、皆の記憶に鮮明に残っている。
なんだか羨ましい。

こんな風にいつまでも自分の言ったこととか、やったことを思い出して
貰える生き方したいな~と思った。

素敵な物語!

ドラマもまた続編、やってくれないかなぁ~。


                        ★★★★★



発行年月:2017年9月

明治29年(1896年)、岩手県花巻に生まれた宮沢賢治は、昭和8年(1933年)に亡くなるまで、主に東京と花巻を行き来しながら多数の詩や童話を創作した。
賢治の生家は祖父の代から富裕な質屋であり、長男である彼は本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は学問の道を進み、後には教師や技師として地元に貢献しながら、創作に情熱を注ぎ続けた。
地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、このユニークな息子をいかに育て上げたのか。
父の信念とは異なる信仰への目覚めや最愛の妹トシとの死別など、決して長くはないが紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の視点から描く、気鋭作家の意欲作。

                       (講談社HPより)




宮澤賢治、知らない人はいないと思う人物だけど、その父親目線とは

面白い!

生まれた時から、病で亡くなるまで、本当に息子のことを愛おしく思っていたことが
伝ってきた。
家は、結構、裕福だったんですね~。
勝手に貧乏な農家の息子というイメージでしたが・・・・^^;

賢治は長男で、下に妹2人と末っ子は弟。
すぐ下の妹・トシとの関係が一番、濃厚だったかな?
同じように、文才があって、共通するものが多かった兄と妹。

でも、妹が先に結核で亡くなり、賢治もその後、同じ病でこの世を去る。


父親の政次郎にしたら、可愛い子どもを二人も亡くし辛かっただろうな。


勝手に抱いていた宮澤賢治のイメージと違っていたのは、幼いころは
結構、やんちゃだったこと。
大人になっても親のスネを結構、かじっていたこと。
 家が裕福で、父親の政次郎に甘えていた部分も多かったんでしょう。
そんな長男の賢治を父親はいつも心配しながら支え続けた。


賢治が童話を書くことに専念するのは、生涯の結構、終盤だったんだな。
存命のうちに、もっと高い評価が受けられたら良かったのに・・・。


読みやすい文章で、面白かった!
もっと他の書も読みたい!


                        ★★★★★




発行年月:2017年5月


 羽野千夏は、民俗学の「口頭伝承」を研究する大学生。“消えない記憶”に興味を持ち、認知症グループホーム「風の里」を訪れた。出迎えたのは、「色武者」や「電波塔」などとあだ名される、ひと癖もふた癖もある老人たち。なかでも「くノ一」と呼ばれる老女・ルリ子は、夕方になるとホームから脱走を図る強者。ほとんど会話が成り立たないはずの彼女が発した「おろんくち」という言葉に、千夏は妙な引っ掛かりを覚える。記憶の森に潜り込む千夏と相棒の大地。二人を待っていたものは……!

                      (講談社HPより)




千夏と老人たちの会話が愉快。
自然と老人たちを語らせるのが上手い!

民俗学っぽい話を語る青村ルリ子(92歳)。
「おろんちく」「がらんど」・・・何やら怪しい気配。

その単語の意味を知りたいとネットに投稿し、反応したのが高校生の立原大地。
母親との折り合いが悪く不登校になり未来を失いかけた大地だったけれど
千夏と交流し、一緒に謎を追ううちに、なんだか活き活きしていった。

老人たちも共通の話題で盛り上がって楽しそう。

認知症の人がこんな風に即、反応するのは、ちょっと出来すぎだとは
思うけれど、物語としては面白かった!

千夏と大地、いいコンビだな~。
本当の姉と弟みたい。


社会問題も絡んで、楽しいばかりじゃない話だけれど、読み始めたら
一気読みだった!

他の作品も俄然、興味が沸きます!


                        ★★★★



発行年月:2017年12月


 

老若男女よ、全力で着飾れ。退屈を吹き飛ばす、
曲者だらけの痛快エンタメ!

「自分の人生は、自分以外のだれにもゆだねるな」死にかけの商店街に突然飾られたコルセット“コール・バ 「自分の人生は、自分以外のだれにもゆだねるな」
死にかけの商店街に突然飾られたコルセット“コール・バレネ”。
それは、少年の人生を変える、色鮮やかな“革命”の始まりだった。

福島の保守的な田舎町で、ポルノ漫画家の母と暮らす男子高生・海色(アクアマリン)。
17歳にして半ば人生を諦めていたが、ある日、古びた紳士服仕立て屋「テーラー伊三郎」のウィンドウに現われた美しいコルセットに心奪われる。
頑固な老店主・伊三郎がなぜ女性下着を――騒然となる町内を尻目に、伊三郎に知識を買われたアクアは、共に「テーラー伊三郎」の新装開店を目指す。
活動はやがて、スチームパンク女子高生や町に埋れていた職人らを巻き込んでいき……。


                       (角川書店HPより)




最高~♪

紳士服専門店の店先に突如、飾られたコルセット。
正式には、コール・パレネと言うそうだけど・・・・

それを目にした高校生の津田海色(アクアマリン=通称アクア)。
母親が官能漫画家で、その漫画の舞台はフランス革命前後ということから
その頃の装飾には、詳しいアクアは、そのコルセットを作った伊三郎に
尊敬の念を抱く。
放課後は、テーラーに立ち寄り、伊三郎の作業を眺める日々。

そして、もう一人そのコルセットに魅了されたのがアクアの同級生・三木明日香。

アクアと明日香は、次第に友情を築き、商店街の高齢女性たちをも巻き込んで
大々的な町おこしへと進んでいく。


紳士服店の伊三郎氏がなぜ、女性用のしかもコルセット作りを始めたのか?

それは亡くなった愛妻への思いやりだった。


いいなぁ~。
みんな楽しそうで。

著者の作品は、初めて読んだけど、ほかのも読んでみたい!

洋服のこと、色々調べたのかな?と思ったら服飾の学校を卒業して
そういう仕事もしてきた人だった!
なるほど~。


                           ★★★★★

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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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