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読んだ本の感想あれこれ。
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02165f45.jpg発行年月:2010年7月


太平洋戦争末期、にわかに帝都防衛の拠点となった太平洋上の小さな島。強制的に連れてこられた朝鮮人の少年インスは、厳しい労働に従事しつつ脱出する機会を窺っていた。ある日、インスは島の少女キヨと出会う----。運命に翻弄されながらも結びついて行こうとする少年と少女を中心に、島という世界を丸ごと描き上げる鮮烈な長編。


                        (新潮社HPより)


図書館棚で見つけた本。

第1章 歴史
第2章 戦争が来た
第3章 <島>へ


これは著者が八丈島を訪れたのを機に書かれた物語だそう。
第1章は、序章のようなかんじで、島のル-ツみたいなものが書かれている。

第2章は、太平洋戦争末期。
戦時下というのに、比較的のんびりしていた島にも、大本営の作戦とかで島にも兵士が続々と来て敵艦の姿も見えるようになる。
島民は、ほかの地に疎開するよう半強制的命令が下る。

そんな時代、島民のキヨは、強制労働を強いられる朝鮮人のインスと出会う。
キヨも疎開しなければならなくなり、いっそ二人で島を抜け出そうか?と思ったり・・・
しかし、そんな事が出来るわけではなく、二人は別れる。
いつか戦争が終わって会えるはずだと信じて・・・・。


第3章は、戦争から随分経った現代。
東京から「光るキノコ」の存在を教えてもらい、島に写真を撮りに来たという女性カメラマ・有希たち。
キヨの娘で東京で美容師をしている娘・朝美に話を聞いたという。
カメラマンたちの案内役に、島で獣医をそているキヨの孫・照彦が買って出る。

光るキノコを探しながら巡る島の戦争の痕跡。
そして偶然、見つけたキヨにとってかけがいのない思い出のもの。


戦争の話だけど、重苦しくならず、楽しめた。
けれどやはり戦争って、本当に多くの人を苦しめて、多くの命を犠牲にして、最悪だな。

★★★
 
PR
0dd0a811.jpeg発行年月:2010年9月


あの田口・白鳥コンビ待望の最新刊!

病院内で起きた射殺事件。犯人は高階病院長!?
仕掛けられた完全無比のトリック!
タイムリミットは72時間。二人は東城大学病院を救えるか?


                         (宝島社HPより)


田口・白鳥コンビのお話ならば、読まずにいられない!!
今回は射殺事件が起きるらしい!

そう思って読みましたが・・・前半は、結構退屈でした^^;
医学の専門用語も多いし、人物も「ええと・・この人は・・・」と過去作品を必死に思い出しながらと読み進めるのに時間もかかってしまった。


でも、殺人事件が起きてミステリー色が強くなってくる後半は、その真相解明になるので
面白くなってくる。
病院内で医療メ-カ-の技術者が亡くなる。
事件性は乏しく、死因不明な死と診断処理される。

そして、その後日、また病院内で元警察庁刑事局長の射殺事件発生!

しかもその犯人は高階病院長だというから、驚き!\(◎o◎)/!

すごい展開だわ~。

仕組まれた偽装殺人を解明するのに大活躍のコンビ。
ことに白鳥は凄い!やっぱり凄い鋭い!格好いい!

物語を通して、実社会でも著者の死因究明社会を目指す心意気が強く伝わってきました。

小説を通して、自分の目指す方向性を示していたかんじ。

このコンビのシリ-ズは、まだまだ続きそうですね。


★★★
 
b89404d1.jpg   発行年月:2010年12月


<桜宮>サーガの新たな地平を開く、最新医療ミステリー!

未来医学探究センターに勤める涼子は、コールドスリープによって眠る少年・佐々木アツシをそう名付けた。「彼」が目覚めるとき、医学界、法曹界には様々な問題が立ちはだかる……。



                                          (角川書店HPより)


今回のお話は、コ-ルドスリ-パ-という聞きなれないものが主のお話。
5歳の佐々木アツシは網膜芽腫により右眼摘出をしたが、9歳で病気が再発、今度は左眼摘出を余儀なくされる。
そこで、その治療方法が確立されることを見込んで5年間人工冬眠させることになる。
すごい発想だな。


そして5年間、病院の地下の棺のなかに眠るアツシを見守る医師が日比野涼子。
そばに居続け、様子を見守り、生命維持に務める。

自身の勉強の為もあり、いろんな言語や、学習を流し、それが覚醒後、アツシの脳に睡眠学習の知識として蘇る。
そうか!アツシはそういう事があって、天才になったんだ!!

確か、「医学のたまご」にも登場で飛び級で医学部に入学する少年だ!


そして涼子が、アツシを守るためにした行為はビックリでした!


この物語の続きは、必ずあるはず!

筆の速い海堂さん、早く続きを書いてください(笑)


愚痴外来の田口先生(グッチ-)が教授になって、登場したけど、なんだか物言いも貫禄あって立派になったんだなぁ~なんて嬉しく思ったりしました。

過去作品に登場の人物が出てくるから海堂作品は面白いけど、全部覚えているのは大変だから相関図を作っておいた方が良いかな?^^;


ちなみに表題のモルフェウスとは、ギリシャ神話で眠りを司る神だそうです。


★★★★
37a20b3b.jpg発行年月:2009年9月


驚愕と衝撃!圧倒的感動!
「僕とコジマの友情は永遠に続くはずだった。もし彼らが僕たちを放っておいてくれたなら----」

涙がとめどなく流れる-----。
善悪の根源を問う、著者初の長篇小説

「苛められ、暴力をふるわれ、なぜ僕はそれに従うことしかできないのだろう」
彼女は言う。苦しみを、弱さを受け入れたわたしたちこそが正義なのだ、と。彼は言う。できごとに良いも悪いもない。すべては結果にすぎないのだ、と。ただあてのない涙がぽろぽろとこぼれ、少年の頬を濡らす。少年の、痛みを抱えた目に映る「世界」に、救いはあるのか----。

第60回芸術選奨新人賞受賞

                                            (講談社HPより)

ちょっと前に話題になって、読みたかった本を図書館の棚で見つけ借りて来ました。
胸が苦しくなるほど辛い苛めの場面が続く物語でした(/_;)

主人公の「僕」は特定の苛めグル-プから殴る蹴るなどの暴力を日常的に受けている。
そしてある日、<わたしたちは仲間です>と書かれた手紙を受ける。
差出人は同じクラスの女子たちから苛められている「コジマ」。

二人は手紙のやり取りをするようになり、時々、待ち合わせて会って話す。

お互いがお互いの存在を感じながら何とか日々の苦しみから耐えているかんじでしたが・・・
最後の方で、同じように苛められているけど、その受け止め方には、違いが生じる。

「コジマ」の方が苛める側に対して思う気持ちが強かったのかな?
ただ黙って抵抗出来ずに暴力を受け入れているだけではなく、芯の部分で思っている気持ちは強いかんじだったなぁ~。

苛める側の百瀬と僕の会話は、読みながら腹が立った!
百瀬の言い分には、かなりショック。
こんな考えで苛めが発生するのだとしたら、恐ろしい。


ラストは「僕」には明るい兆しが見えるような事が起きたけど、「コジマ」はどうなったんだろう?
コジマのことが凄く気になって、読後は、何やらモヤモヤ感が残ってしまった。

結局、この物語で著者は何を言いたかったのか?
僕の身体的なことも最初から気になった。
今の医療では容易に治るだろうことだしなぁ~と。
そしてラストはそれが手術により治り・・・・・ヘヴン??

苛められる側と苛める側の心理描写は、すごくリアルなかんじがして、衝撃的ではあったけど・・・・。
評価が意外と高いけど、わたしにはちょっと???

子どもも読んでいる途中なので、感想を聞いてみたいと思う。


・・・・・・子どもの感想を聞こうとしたら・・・ラスト近くで急に読む気力が失せたそう・・・^^;


 
★★
 
24cadca7.jpg発行年月:2010年1月


中学生の杏が出会った、風変わりな女性。
彼女と一緒に過去の事故を調べるうちに、
杏が見つけたものとは・・・・?

死って、案外、淡々としてて、とてもふつうなものだ。
誰にでもあることなので、日本中で毎日何百と起こっていることで、本人や遺族にはそれぞれ特別であるとしても、実際はとても平凡なものである、ってこと。
おとうさんが死んでも天地は裂けなかったし、おかあさんもあたしも発狂しなかった。朝がきて夜がきて、ごはんをたべないとおなかがすいたし、眠くなって眠って目がさめた。-----------本文より

                                             (本の帯文より)


図書館の児童書の棚にあった本。
なんとなく目に留まり借りて来ました。
こういうふと目に留まる本は大抵、自分にとって、すごく良い本だったりするのが不思議。

この本もすごく良かった!

児童書なので、とても読み易い。
主人公の杏は13歳。
夏のある日、学校に行きたくないと思い、さぼる。
その日の出来事。

何故、学校に行きたくないのだろう?と疑問に思いながら、前の日の家のなかの出来事が少し最初に書かれていて、何か暗く重い問題が杏の家族に起こっているようだとわかる。


学校をさぼって向かった図書館で、出会ったちょっと不思議な女性・佐千代。
佐千代は図書館に過去のある事故について調べに来たと言う。

そして、成り行きで二人は実際の事故の現場を訪ねる。
最初、杏は佐千代に対して心を開かず無愛想なのですが、段々と一緒に居る時間を経て、自身の抱えているものについても話し出す。
佐千代の年齢は特に書いてなかったけど・・・1975年に小学生だったというのだから・・・
40歳代くらいかなぁ?佐千代の話す昔話の内容が、自分の小さい頃のこととダブるので、杏との年齢差も親子くらいかも。

年が大きく離れた二人だけど、短い時間のなかでお互いを理解し、絆のようなものが生まれ
人の縁ってこういう不思議なこと起すことあるかもね~なんて思いました。

佐千代が追う過去の事故。
それに同行しながら、杏が思い出を蘇らせる亡き父のこと。

物語の最後では、杏が17歳に成長し、佐千代に手紙を書きその内容が書かれている。
それを読むと、13歳の杏の周りの諸々の暗いことは、その後、明るいことに変わったんだなとわかりホッとしました。

人の死についても、ちょっと考えさせる話ありで、いろいろな意味で深い話で
ず~んと胸の奥に何か刺激を受けるようなお話でした。

上手く表現出来ないけど、こういう本は子どもたちにも読んでもらいたい。


あとがきを読んで、この物語は著者の実体験が元になっているんだと知り、物語を振り返り、なんだか胸が熱くなりました。

著者の実生活とリンクしている物語だったんですね・・・。


初めて読む作家さんでしたが、ヤングアダルトを対象にした本を多く出版されてるみたい。
過去の作品も読んでみようかな?


この表題と表紙絵も内容にピッタリで好きです(^^)

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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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