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読んだ本の感想あれこれ。
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51fdA3wjdgL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年2月


やっと気づいた。ただ「死ぬなよ」って、それだけ言えばよかったんだ----。
心療内科の薬が手放せない青年、倒産しそうなデザイン会社の孤独な女社長、親の過干渉に苦しむ引きこもり少女。壊れかけた三人が転がるように行き着いた海辺の村で、彼らがようやく見つけたものは? 
人生の転機にきっと何度も読み返したくなる、感涙の物語


                      (新潮社HPより)




3人が出会う前のそれぞれの生い立ちが暗くて重くて、読むのが辛かったぁ~。

田宮由人・・・心療内科にて内服治療中。デザイン会社勤務。

中島野乃花・・・由人の会社の社長。18歳のとき、すべてを捨てて東京に。

篠田正子・・・高校生。母親の過干渉に耐える日々。


それぞれが緊迫した精神状態でそれなりに頑張って生きていて、でも苦しくてどうしようもないという状況で、読んでいるこちらも苦しくなった。
自分が同じ状況に置かれたら・・・と想像してしまって・・・・・。

由人と野乃花は会社の上司と部下の関係。
会社の経営状態が悪化し、破綻寸前のところで、自殺をしようと思いつめる野乃花を由人が見つける。
そして由人がテレビのニュ-スで見た浅瀬に迷い込んだクジラを一緒に見に行こうと提案する。
由人もやっと自分にも幸せな日々が訪れたと思っていたのに恋人に振られ気持ちが落ち込んでいた。
自分も死のうと思っていたのに、目の前で死のうとする人を見て、もうちょっとだけ生きてみようと言う。
人って不思議だなぁ~。

そして、高校生の正子を偶然、見つける。
正子も窮屈な思いをしながら生きていて、そこから逃れたいと思って夜明けの国道を歩いていた。

由人と野乃花は車のなかから正子に声を掛け、クジラを見に行こうと誘う。

ここからは、ちょっと明るい雰囲気になってきて、楽しくなってきた。
クジラが迷い込んでいる海を見に行き、たまたま知り合った雅晴の家に泊めてもらう。
雅晴はクジラ守り隊隊長。祖母と2人暮らしだから遠慮なくと親切。
このおばあちゃんがまた良かったなぁ~。
成り行き上、3人は母親と息子と娘で家族ということになり・・・・・。

クジラが浅瀬に迷い込んだニュ-スは前に見たことあるけど、実際、その土地の人たちには、いろんな影響があるんだ~役所も大変なんだな~と思った。
生きたまま沖に戻してあげれるのが一番いいけれど・・・・。

ここに迷い込んだクジラは耳が聞こえないのでは?ということが調査でわかり、この先海で生きていかなければいけないクジラを自分たちの状況と比べる3人。

クジラはどうなる?
それを見届けた3人はどうする?

結末が気になって終盤は読む速度が速まりました。

ラストは・・・・・よかったぁ~。

静かに泣けました。


★★★★★
 

 
PR
516cj9nrLdL__SX230_.jpg   発行年月:2010年7月


   2011年本屋大賞第2位! 傷つき迷う心にそっと寄り添う希望の物語。

僕の中から湧いて出た初めてのこの感じ。つまり性欲? でも、それだけじゃないはず――高校一年、斉藤卓巳。好きだった同級生に告白されたのに、なぜだか頭の中は別の女のことでいっぱい。切っても切り離せない「性」と「生」を正面から描き、読者の熱い支持を得た驚異のデビュー作



                                          (新潮社HPより)



読み始めは、「なんだこりゃ?」と思いました・・・^^;
高校生男子の自堕落な生活?
我慢して読んでいくと・・・・ふむふむ・・・・なかなか面白いじゃん!


物語は短編連作のかたちで、先の話に出てきた人が次の話の主人公になっていく。

登場人物たちの相関図が頭になかに自然に出来上がっていくのが面白かった。

最初の話で登場の斉藤卓巳くんもあんずも後の話を読めば、普通の常識ある人だったので安心した。
ほかの登場人物たちも少しずつ抱えているものがあって悩んでいたりする。

卓巳の同級生・福田くんや松永七菜。
福田くんは、わけあって祖母と二人暮らし。祖母を食べさせるためにバイトを掛け持ちして頑張っている。
しんどい生活なのに、明るい。

七菜は、勉強の出来る兄がいるけど、その兄のことで気がかりなことが起きて悩む。

ほかにも自宅で助産院を営む母親の話だったり、福田君のバイト先の先輩である元塾講師の田岡の話だったり、どれも惹き込まれる話だった。

それぞれひとりひとりは、悩みを抱えているけど、それぞれがお互いを気にかけたり思いやったりしている様子がいい。


最後の出産の場面は、明るい終わり方でよかった!

これがデビュ-作というけど、これからの作品も是非、読みたいと思わせる作家さんがまた増えて嬉しい!


★★★★★

 
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