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読んだ本の感想あれこれ。
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9784334927769.jpg   発行年月:2011年9月


   言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを
   謳いあげる三浦しをん最新長編小説。

【辞書】言葉という大海原を航海するための船。
【辞書編集部】言葉の海を照らす灯台の明かり。
【辞書編集者】普通の人間。食べて、泣いて、笑って、恋をして。
ただ少し人より言葉の海で遊ぶのがすきなだけ。

玄武書房に勤める馬締光也。
営業部では変人として持て余されていたが、
人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、
辞書編集部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。

定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、
徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。

個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。
言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく――。

しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか――。



                                      (光文社HPより)


最高ですね!!
玄武書房の辞書編集部が13年の年月をかけ編み出した「大渡海」の出来上がるまでの物語。

辞書づくりの過程が少しわかるお話でもあり、日本語って奥が深いなぁ~と今更ながら思いました。

物語の初めはまだ新人だった主人公・馬締光也が辞書が出来上がるときには、編集部の主任としてリ-ダ-シップを発揮している。
馬締という名の通り、真面目な仕事ぶりは、気持ち良い!
ルックスは??の馬締だけど、ちゃんと中身をわかる香具矢と夫婦になっている後半は嬉しかった♪

ラブレタ-もなかなか素敵でした(^^)
語彙の多い人、それを上手く日常でも使いこなせる人って知的で、いいなぁ~。

辞書づくりには外部の協力者も必要なのですね。
監修の松本教授や、辞書にあった紙を開発する製紙会社の開発部の人たちとの関係も信頼関係が出来ていている感じが読んでいて気持ちよかった!

松本先生に出来上がった「大渡海」を見せてあげたかったなぁ~(/_;)


最初から最後までイッキに読み進むことが出来る傑作でした!!
文句なしの五つ星でしょう!


★★★★★
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51So8Ue-6eL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年9月


事件の真相が語られた後に四つの短篇で明かされる、さらに深く切ない男女の真実。
知らなきゃよかった?

謎解きは終わっても、恋心は終わらない。

どうしてこんなふうに「こころ」が書けるんだろう
二十年前から続く因縁は、思わぬかたちで今に繫がり、人を誤らせていく。男は男の嘘をつき、女は女の道をゆく。こんがらがった人間関係を、“ぼんくら”同心・井筒平四郎の甥っ子、弓之助は解き明かせるのか。真犯人が判明した後、さらに深く切ない謎が読者を待つ。男は男で、女は女で、それでも男女で生きていく。
宮部みゆきにしか書けない奇跡の大長編。


                                    (講談社HPより)

ぼんくらシリ-ズ三作目の本書、上下巻と長い話だったけど、その長さが苦にならずにスラスラ読めました。
さすが、宮部さん!


上巻から続く、生薬問屋大黒屋と生薬屋瓶屋に纏わる過去の事件が軸になり、20年経ったこの物語の現代でその因果が思わぬ悲劇を生む。

いろいろな思惑があり、そのために人を殺めてしまう人たち。
本当の悪人は居ないのに、真相を知らないばかりに繰り返される過ち。
そこに恋やら妬みやらが加わって、ごちゃごちゃになる人間関係。
でも、それもまた物語を盛り上げる。

若き同心・間島信之輔も最初は、頼りなさがあったけど、どんどん頼もしくなっていった。
ぼんくらシリ-ズではおなじみの同心・井筒平四郎やその甥・弓之助の活躍も健在!

今回は、弓之助の兄・淳三郎もちゃらんぽらんの性格なのに、やるときはやるじゃん!という活躍で、良かった(^^)

そして弓之助の親友・三太郎(おでこ)の母親・おきえが、なぜ三太郎を捨てたのか?その真相もわかり、こちらはちょっと切なかったなぁ~。
子どもを捨てるなんて、冷たい母親と思っていたけど・・・・そういう事情でしたか?

上巻の付録・登場人物相関図が下巻を読みながらも大変、役に立ちました!
なんせ、登場人物が多いので、「あれ?この人どういう人だっけ?」と忘れること多く・・・^^;

これは図書館本なので、コピ-させて貰って・・・・
今後、またシリ-ズ続編が出るときまで大切に保管しておこうかな?

弓之助が平四郎の後を継いで、立派な同心になる姿が読みたいな。
三太郎は政五郎の後を継いで、岡っ引き。
ふたりが大人になって、事件解決する話がぜひ、読みたい!

そうそう、三太郎の恋心の行方も気になるし・・・。

早くも続きが読みたいわ~。


                                       ★★★★★





 
51XVgaUa5IL__SS400_.jpg発行年月:2011年9月


歌舞伎町のバ-テンダ-が地元東北から国政選挙に打って出る! 新宿で起きた轢き逃げ事件。平凡で幸せな暮らしを踏みにじった者たちへの復讐が、いつしか日本をになう若き政治家を生む希望の物語へと転化する! 一人ひとりの力は弱くても、前を向く勇気と信じる力で日本を変えていく8人の主人公たち。2011年、明るい未来を描けない日本に一閃の光が射す、吉田修一の新たな代表作がここに誕生する!


                                         (朝日新聞出版HPより)


冒頭で登場の九州から東京に夫を訪ねて乳飲み子を抱えた真島美月がこの物語の主人公?
と思ったら・・・
次々に結構、インパクトありの人物達がどんどん登場。

夫の朋生は歌舞伎町のホストクラブで働いていて、クラブのバ-テン・浜本純平と友人関係。
その純平は、以前、ひき逃げ事件を目撃していた。
しかし、犯人として報道された男の顔は、目撃した犯人の顔とは別人だった。

そのことが、後々、重要な話の核になってくる。

そして、ホントの犯人は、世界的にも有名なチェロ奏者・湊圭司。
犯人として逮捕された奥野宏司は、圭司の兄だった。

ひき逃げ事件の真相も明かされ、登場人物たちが次々、繋がっていく。

湊圭司のマネ-ジャ-を勤める園夕子
朋生と純平の勤めるクラブのママである山下美妃

このふたりは大人の女性というかんじで好感が持てました。

真犯人の湊を脅してお金を取ろうと企んだ純平と朋生が、夕子や湊と仲間意識を持っていく過程も予想外の展開で面白かった。

そして、この本の表題の意味「猿蟹合戦」の意味も最後まで読むと納得!

なかなか読み応えのある物語でした。


★★★★

 
41gw2x4rH8L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2010年10月


元数学科教諭オリーヴの不器用な生き方は、周囲を少しだけ変えていく──。ごく普通の人々がかかえる後悔、苦しみ、喜び、希望。かけがえのない人生を静かな筆致で描く、ピュリッツァー賞受賞作


                     (早川書房HPより)




13の話から成る短編連作集。
主人公は、表題通り<オリ-ヴ・キタリッジ>。

最初の話「薬局」では、まだオリ-ヴがというよりも、オリ-ヴの夫・ヘンリ-・キタリッジの営む薬局を中心に、そこに行き来する人々のことが書かれている。
ヘンリ-が知り合った若い夫婦を自宅の夕飯に招待したり・・・・。

そして次の話からは、キタリッジ夫妻の近隣に住む人々が主人公になっている話が多い。
何らかの関わりが夫妻(特にオリ-ヴ)にあるのだけど・・・。

そして、オリ-ヴという女性のいろいろな性格がそれぞれの話のなかで明らかにされていくのが面白い。

自殺を考えて昔住んでいた場所を訪れた元教え子と再会する場面では、教師らしい優しい言葉をかける。
一方、息子の嫁のことは気に入らず口論になったりする「あんな女、死んじゃえばいいのに」なんて口にしたりもする・・・でも口論の翌日にはアップルソ-スを持っていく。
夫が介護施設に入所すれば、毎日通い、道に倒れている人がいれば、心配で近づき、病院まで付き添ったり・・・・

あ~この女性、いいなぁ~。
目の前で起こっていることに関わらずにいられない人なんだろうなぁ~。

そしてオリ-ヴの冷静な考え方が好き。

最後の話の方では70代になったオリ-ヴ。
夫のヘンリ-は、介護施設で亡くなってしまった。
クリストファ-は再婚し、今度の嫁・アンもちょっと変わってるけど、なかなか愉快でオリ-ヴとも良い関係が築けるかも?

そして、道で倒れているところを助けてあげたジャック・ケニソンとは、なかなか良いかんじ?

オリ-ヴの生活を年を追って描いただけの作品だけど、読む終えると、自分のこれからの人生も淡々としてはいるけど、そこにちょっとした喜びやら驚きやら哀しみやらあるんだろうな・・・・・。
なんて思って、しみじみしてしまった。


この年になって読むから感じるものがいろいろあったなぁ~。
若い人には、もしかしたら退屈な本かもしれないけれど・・・・。



★★★★
 
51le3Cd6MBL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年10月


「東京バンドワゴン」の小路幸也が描く、ラブ&ミュージックな物語


平凡な営業マン・石井は、仕事の途中で事故を起こしてしまう。
パニックを起こし、伝説のギタリスト兼ホームレスのシンゴ、バンドマンのコジーも巻き込んで逃げた先は、引きこもりの高校生・聖矢の土蔵で……!?


                                                                        (角川書店HPより)


最初に書かれていることは・・・・後々、真相がわかります。
そのときは「?」なんだけど・・・・。

これは、2011年の6月30日の早朝から翌日7月1日の早朝までの丸一日の出来事。

最初に書かれている話は、この物語の中間くらいに起きた事というかんじかな?

登場人物は・・・
・杉田辰吾60歳・・・・元プロのギタリストで、その腕は一流だったが、現在はホ-ムレス。
・吉川宏52歳・・・・警察官。辰吾のプロ時代を知っていて、ホ-ムレスの辰吾を何かと助けている。
若い頃は、仲間と音楽をやりドラム担当だった。
・石井和正34歳・・・・印刷会社勤務。歌の上手さは抜群。
・小嶋隆志26歳・・・・アマチュアミュ-ジシャンでべ-シスト。
・田仲聖也16歳・・・・いじめが元で現在、引きこもり中。一日、パソコンに向かっている。ピアノ演奏が出来る。
・田仲茉莉26歳・・・・聖也の姉。以前はバンドのマネ-ジャ-をしていたが、現在は飲食業にも経営する音楽会社のため、そちらの企画課に所属。


これらの人物のことが、最初は単独で描かれ、やがて最初に起きたことが発端で、皆が一同に集まる。
何ら違和感なく、偶然が重なって・・・・。

そして、一夜限りのバンド結成。

最初に起きた事の真相も明らかになり、ホッ。

楽しい物語でした♪

音楽が出来るって、いいなぁ~。

読み終えた後で、表紙絵(裏表紙にも3名が描かれてます)の人物を当てはめてみるのも楽しい!


★★★★
 
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