某出版社とのお歳暮を巡る「闘争の記録」、大江健三郎先生とスパークするディスコミュニケーション、そして「人力発電」提案まで、世界がユラユラ反転し始める待望の最新エッセイ集。
(平凡社HPより)
最初から最後まで、笑える。
著者本人が日常で、あれこれ考えることが可笑しい。
中には、共感するのも結構あるけど・・・そんな風に普通思わないでしょ?みたいなのもあって読みながら、ツッコミを入れたくなる。
最初の「蕃爽麗茶」から面白かったなぁ~。
こんな商品名を出しながら、はっきり不味いと言っちゃってる勇気が凄いな、この人と先ずは驚いた!
そして更にお歳暮に贈られたそのお茶を「不味いから要らない」とハッキリ言っちゃうのも凄い。
ま、結構、気を遣いながら断っているのだけれど・・・・
相手側が謝りながら、承知するのに、その後も贈り続けるというのも妙で、その度にガックリする著者の様子が可笑しい。
蕃爽麗茶・・・飲んだことないけど、逆に飲んでみたくなった(笑)
最初からこんなに面白い話で、このまま面白さは持続するのか?と思って次を読むと・・・・
またまた笑える。
もう全部可笑しい!
どこから読んでも笑える。
そして、最後にある補足みたいな話では、写真を載せてくれていたり・・・
スヌ-ピ-好きなわたしとしては
「世界的に有名なビ-グル権のニセモノコレクション」が一番気になった。
文中には、写真がなかったので、
どんなの?見たいよぉ~!と思ったら・・・巻末の「補遺」に、そのニセモノコレクションの写真が載っていてひとり歓喜した!(笑)
ニセモノでも結構、可愛い♪
わたしもコレクションしたいくらいだ!
この著者の作品は、数冊しか読んでないけど、
芥川賞を受賞していたのは、知らなかった^^;
その受賞作品「猛スピ-ドで母は」が気になるので、近いうち読んでみよう!
表題からして気になる!
★★★★★
私たちがあの場所に沈めたものは、いったい何だったのだろう。
五十数年前、湖の底に消えた村。
少年が知らない、少女の決意と家族の秘密。
誰もが生きていくため、必死に「嘘」をついている。
いま最も眩しい作家が描く、成長と再生の物語。
老舗旅館の長男、中学校二年生の逸夫は、自分が“普通”で退屈なことを嘆いていた。同級生の敦子は両親が離婚、級友からいじめを受け、誰より“普通”を欲していた。文化祭をきっかけに、二人は言葉を交わすようになる。「タイムカプセルの手紙、いっしょに取り替えない?」敦子の頼みが、逸夫の世界を急に色付け始める。だが、少女には秘めた決意があった。逸夫の家族が抱える、湖に沈んだ秘密とは。大切な人たちの中で、少年には何ができるのか。
絶望と希望を照らす作家・道尾秀介がおくる、心に染みる人間ドラマ!
(講談社HPより)
表紙の絵と表題から、ダム底に沈んだ村が関わっている話なんだろうなぁ~と少し予測が付きました。
でも、予測が付くからと言って、物語の内容まで予測出来るものではなく、最初から最後まで、後の展開が気になり、スラスラ読みました。
主人公の逸夫は、旅館の息子。
クラスに転校してきた敦子が少し気になり、文化祭準備を機会に親しくなる。
敦子は、母子家庭で、幼い妹の面倒を見たり何かと大変。
学校ではクラスメイトから凄惨なイジメを受けているが誰にも告げず耐えている。
そして学校でタイムカプセルに納めるため、20年後の自分に宛てて手紙を書くという場面で、イジメの実態を全て暴露する内容を書き埋める。
けれど、その手紙の内容を違う内容のものとすり替えたいと思っていて、逸夫に協力を仰ぐ。
逸夫はそのとき、埋めた手紙の内容を見てしまい、敦子がいじめられていた事実に気づく。
また逸夫の祖母・いくは、過去の自責の念に苦しんでいた。
旅館の女将として働き、不自由ない暮らしをしていたはすだったけど・・・・
敦子といくの二人をどうにかして自分の力で救ってあげたいと思う逸夫は優しい子だなと思った。
しかし、二人は深い哀しみを抱えていて、そんなに簡単に救えるかんじはしなかった。
どうなるんだろ?
特に敦子は死を考えていて・・・逸夫が助けられるのか?
ハラハラドキドキ・・・。
途中、敦子がダム湖に身を投げる描写もあり、実際は??と最後までよくわからなかった。
でも、逸夫の気持ちが二人を救ったのかも。
ラストはホッとした!
逸夫は人の気持ちがよくわかる優しい大人になれるでしょうね。
将来、逸夫が継いだ旅館が繁盛するといいのにな。
なんて思って本を閉じました。
“尽果”バス停近くの定食屋「まぐだら屋」。
ある事件をきっかけに東京を逃げ出した紫紋は、
左手の薬指がすっぱり切り落とされている謎めいた女性
マリアと出会い、次第に心惹かれていく。
(幻冬舎HPより)
変わった表題だなぁ~と先ずは思いました^^;
マグダラのマリアに関係あるのかなぁ?なんて思ったら・・・・全く違った!(笑)
まぐだら屋という定食屋のお話だったのですね?
で、「まぐだら」って何?と思ったら・・・・
その地方にある伝説のようなお話があって・・・マグロとタラを合わせたような、それは美味しい魚が獲れる。それを食べるとどんな病気も治る、尽き果てかけた命も救われるとか・・・・
その魚が「まぐだら」。
いつか必ずその魚をつかった「まぐだら定食」を作るというマリア。
マリアの本名は・・・・有馬りあ・・・・ありまりあ・・・まりあと呼ばれるようになったとか。
話の初めは、東京の老舗料亭で料理人見習いをしている及川紫紋(25歳)の話で始まる。
見習いとして厳しい修行にも耐え頑張っていた。
けれど、ある事がキッカケでその場から逃げることになる。
ああ~以前に似たような老舗料亭の事件あったなぁ~なんて思い出した。
紫紋が東京から逃れ、辿りついたのは、「尽果」というバス亭のある場所。
ふらふらと崖の上の小屋を目指し辿りつくと、その小屋が「まぐだら屋」だった。
マリアは明るくハツラツとしているけど、過去には結構、過酷なことがあった。
「まぐだら屋」はマリアが一人で仕切っているけど、お店には女将さんが居てマリアとの関係は険悪なかんじ。
二人の関係は?
そして、紫紋と似たようなかんじで「まぐだら屋」に来た青年・丸弧(まるこ)。
彼もとんでもない事から逃げて来た。
どうなるの?この人たちの今後は?
気になることがどんどん増えていく物語でした。
しかし、可笑しな名前ばかりだな・・・笑
おみせに釣った魚を届けてくれる漁師の克夫(カツオ)さんにも笑った。
結構、登場人物たちの過去は壮絶なものなんだけど、全体の雰囲気には悲壮感がない。
辛いばかりじゃ読むのも辛いから有難かったけど・・・。
逃げてきた彼らが、その場で、自分も人の役に立てるんだと思える体験し、生きる希望を見出していく。
そして、そこから別の場所でも生きてみようと前に進み出す。
気になっていたマリアと女将の関係も、これからは大きく変わりそう。
良い気持ちで本を閉じることが出来るマハさんの物語は、やはりいいなぁ~(^^)
ある夏のこと。旅先で道に迷った私が声をかけた小さな女の子。
ふたりのいっぷう変わった友情が紡ぎ出す、
不思議で素敵な物語----。
(白泉社HPより)
新聞記者をする私が、仕事で出かけた先で道に迷って出会った小さな女の子。
女の子に付いて行き、女の子の家で泊まらせてもらい、一緒にお散歩に出かけたり・・・。
私には恋人が居て、彼には明日、電車で帰る時刻まで教えてあるのに、
なかなかその電車の駅にたどり着けない。
女の子は一人で住んでいて、食事の支度やら、お菓子やら何でも用意してくれる。
家にはお喋りするお皿。なんと車の運転までしちゃうお皿。
そして散歩の途中で出会ったお喋りする風呂敷。
奇妙だけれど、何だか楽しい。
新聞記者の私は、そして突然、恋人の待つ元の場所に戻る。
きっかり帰ると告げた日の告げていた時刻に。
そして、私は恋人とその後、結婚し、子どもが生まれ孫も出来て・・・
すきまのおともだちたち・・・・すきまに落ちたときには又会える。
ファンタジックで楽しいお話でした!
挿絵のこみねゆらさんの絵も可愛くて色使いが素敵!
江國さんの不思議なお話に合っていました。
★★★★
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;