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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年4月


 屈託を抱えるOLの三智子。彼女のランチタイムは一週間、有能な上司「アッコ女史」の指令のもとに置かれた。大手町までジョギングで行き、移動販売車の弁当を買ったり、美味しいカレー屋を急遽手伝うことになったり。そのうち、なんだか元気が湧いている自分に気付いて……。表題作ほか、前向きで軽妙洒脱、料理の描写でヨダレが出そうになる、読んでおいしい短編集。

                         (双葉社HPより)


第1話から4話まで。
1話と2話の主人公は、おんなじ。
アッコちゃんと言うから・・・・可愛い若い女の子を想像してたら・・・

1話と2話の主人公は、澤田三智子。
<第1話 ランチのアッコちゃん>
恋人に振られ落ち込んでいるとき、職場で唯一の女子正社員である
アッコ部長=アッコ女史=アッコちゃんに、毎朝自分で作ってくるお弁当を1週間、譲ることになり代わりにアッコ女史から、ランチ代とランチ場所の地図を貰う。

月曜日~金曜日まで。
月曜日・・・カレー屋さん
火曜日・・・スムージーのお店で、ラップサンドと苺、マンゴー、オレンジのスムージー
水曜日・・・天丼
木曜日・・・会社の屋上で社長と出前のお寿司
金曜日・・・再び月曜日のカレー屋さんで店番&お客さんの対応

楽しい楽しい♪
料理も美味しそうだけれど、アッコ女史のランチ指定場所で出会う
アッコ女史の知り合いたちとの交流も楽しい。

<第2話 夜食のアッコちゃん>
いきなり、三智子の職場が変わってた。
ああ、そうか派遣社員だっけ・・・・^^;と思ったら・・・
なんとアッコ女史と思わぬところで再会!
アッコ女史がポトフを移動販売してる・・・第1話での職場、小さな出版社は
倒産したという・・・。
そして、三智子は昼間は派遣先の会社で働き、夜、アッコ女史の移動販売のポトフ屋さんを
1週間手伝うことに。
月曜から1週間、いろいろな場所でいろいろなお客さん。
ホストだったり、新聞社の記者だったり・・・・

そして、三智子がなんと1話で知り合った児童書の店主のいえの2階に引っ越していたり
1話と違うことばかり。
でも食事を通して触れ合う人と人の関係は和やかでいいなぁ~。

<第3話 夜の大捜査先生>
こちらから主人公が変わる。
この話の主人公は満島野百合 30歳。
あまり乗り気じゃない合コン会場のお店になぜか、出身高校の教師が・・・
「生徒が店の女子トイレに入ってしまった様子だから、見てきて」と頼まれ
探すが窓から逃走。
先生と一緒に女生徒を追いかけ、移動販売のポトフ屋さんのところで
なんとか捕まえる。


<第4話 ゆとりのビアガーデン>
主人公の佐々木玲美は、些細なミスをベテラン社員に叱責されたのを機に退職。
そして、その会社のあったビルの屋上にビアガーデンを開く

最後の話の玲美の行動力は凄いなぁ~。
最初の会社ではミス連発だったけれど、自分で商売を始めたら結構うまく行く。
そんな様子を最初の会社の社長が見て、自身の考え方をふと改めてみようと思う。

ほんわかする話でした♪


スルスルと読めて、実に楽しい本でした!!
表紙の写真のお弁当、真似して作りたくなるなぁ~(^^)


                        ★★★★★


第2話では、
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発行年月:2013年8月


 まわりが闇でも、明りが灯っているだけでいい――。「その後」を生きる、家族の肖像。

震災後の日々をともに過ごす同棲中の二人、震災の直前に九十一歳で逝った謹厳な父、被災地に暮しつづける酪農一家の、言葉少なにたがいを思いやる姿……。日常の細部と感情のディテールをリアルに描きだし、それぞれの胸に宿る小さな光、生きる意志を掬いとる。大地震を経て生きる日本人をつぶさに見つめようとする短篇集。

                   (新潮社HPより)

3.11の前後の物語が6つ。
東北とは離れた場所で、それを体験した人たちの話が続き、ラストの<団欒>は
実際に被災した酪農家の家族の話。

<助けて>
同棲中の男女。、博嗣と順子。
博嗣は、アナウンサーの仕事で被災地へ。

<渦巻>
娘が結婚し家を出て、夫と2人暮らしの主婦。
やるべきことが見当たらないような日々を送りながらふと思い出す
子どもの頃のこと。母親とのこと。

<父>
大学教授だった父は91歳。
家で寝たきり。
介護は妻任せだったが、その妻が骨折で入院してしまい
勝手が分からないなりに父の世話をする。
ずっと厳格で自分には威圧的だった父。

<枝豆>
草食系男子の研究に協力することにした敦志。
自分では草食系だと思っていないが、そう思ってること自体が
草食系男子に共通することだと聞き不快感を覚える。
じゃ、何系?と問われ・・・

<海と陸>
高校時代のクラスメイト・美保子を見かけて声を掛けた健太郎。
海に一緒に行き、そこで東北へ3度ボランティアで行ったと言う美保子。
確かに高校卒業前、みんなで行こうと言っていた。
美保子は津波は怖い。海に勝ちたい。漁師になりたい。など話し最初は
戸惑う健太郎だけど・・・

<団欒>
震災前、酪農家だった家族のその前と後のこと。



それぞれの話の主人公たちの心理描写は細かい。
和やかな雰囲気の話もあるけれど、そんな日常のなかで3.11は起きたんだと
改めて思った。

<父>は、ちょっと泣けた。
息子と最後、気持ちが通じたようでよかった。


                         ★★★



発行年月:2013年8月


ばかみたいに幸福な時間。
それは、ホンの少しさみしい。
最高の仲間との三年間。
恋、友情、初体験・・・すべてが詰まっている高校の日々。

                (BOOKデータベースより/幻冬舎)




まひる、クロノ、夏海、睦実4人の仲良し高校生の日常がリアルでした。
著者の椰月さん、1970年生まれなのに、何処かの高校生を観察して
書いたのか?と言うくらい言葉のひとつひとつが今どきなかんじでした。

自分の高校生のときもこんな感じだったのかなぁ~?
昔過ぎて忘れたけれど・・・

のほほんと他愛無い会話でこのまま終わるのかと思いきや
終盤、ビックリは事が起きて、驚いた!!

でも、前向きに夢を追い続けよう、それを支えてあげようという
気持ちが持ててよかった、よかった!

彼女たちの今後は明るい!!

同年代の子が読めば、もっと共感できるものも多いんでしょうね。


                          ★★★

 



発行年月:2013年8月


 他人の顔を移植されたら、心は「自分」のままでいられるのだろうか?

交通事故によって脳死となった親友の顔が、大火傷を負った私の顔に移された。彼女の家族は、恋人は、私の親は、そして私は、これまでと同じように、暮らしていけるだろうか? 「顔移植」の可能性と抱える問題点について、医師であり作家である著者が、短編、戯曲、詳細な解説、と縦横無尽に語り尽くした類書なき作品集。

                    (新潮社HPより)


顔の移植手術を受けることになった2人の女性の話を別々に。

<顔のない顔>
アルコール中毒の夫から猟銃で撃たれ顔が粉砕した主婦。
夫は、裁判で殺人未遂の罪で8年の禁固刑が確定する。
離婚も成立し、事件後1年半で職場復帰する。手術の跡も生々しいが
恥じることはないと生活していた。
そして、7年半後、医師の勧めで顔の移植手術を受ける。


<移された顔>
看護師のユミは、職場の医師・リョウを友人のリナに紹介し、二人は恋人同士になる。
そしてユミの2人と共に出かけることが多かった。
ある日、3人で車に乗っているとき、事故を起こし
リナは脳死状態。ユミは顔面を広範囲に重度の火傷で覆われる。
リナの両親の希望と、医師の説得もあり、悩んだ末、リナの顔を移植する手術を受ける
ことに決めたユミ。


2人とも壮絶な人生を歩むことになったわけですが、
二番目のユミの方が、抱えるものがより多かった気がする。
親友の顔を持つことになった気持ち。
想像しようと思っても、なかなか想像し得ない。

しかし、医療の発展はすごいな。
あとがきで、医師である著者が、実際の顔面移植手術の歴史を語りながら
今後の課題(医療現場、法律など)について語っていました。

いろいろと考えさせられる書でした。


                        ★★★★




発行年月:2013年7月


 捜査一課の犬養隼人が高速バス事故現場でみた真相とは?(「赤い水」)。話題作『切り裂きジャックの告白』の犬養隼人が「色」にまつわる難事件に挑む、どんでん返し満載の全7編からなる連作短編集!

                 (角川書店HPより)


俳優養成所出身の渋い二枚目刑事・犬塚隼人が真相究明に挑む7つの事件。


<一、赤い水>
高速バス運行中の事故で死亡したのは、多々良という男性。
運転手・小平は勤務態度も良好、会社側の運行状況も運転手の勤務スケジュールも
何ら違法なしの状況。
事故を起こした小平は事故直後のマスコミの取材にも落ち着いて、自分の落ち度を
謝罪する言葉を述べていた。
その落ち着いた態度に違和感を抱いた犬塚は・・・

<二、黒いハト>
中学校の屋上から飛び降り死亡した雅也。
彼はイジメられていて、親友として助けてやれなかったことを悔やんでいると
言う春樹。
イジメの張本人は都議会議員の息子。
学校の担任も校長もイジメの事実を知らされながら、何の対策もしなかった。
しかし、雅也が飛び降りる前に母親に遺した電話の声の後ろに聞こえた声は・・・・

<三、白い原稿>
ロック歌手でありながら新人文芸賞を受賞した桜庭巧巳が公園脇のベンチで
遺体となって発見される。
死因は泥酔したうえでの凍死。
被疑者は嵐山シュウト。彼も小説家として世に名が知れることを目標としていた。
怨恨か?

<四、青い魚>
釣具店を営む45歳の帆村亮。
そこに客として来た20代の恵美とやがて生活を共にする。
そして、恵美の兄という男・由紀夫も転がり込んで3人での共同生活が始まる。
帆村は、恵美と由紀夫との楽しい生活に満足していたが、
帆村の暴力団員になった弟・照之は、そんな兄の生活を非難し、
2人を追い出せと忠告する。
そして、ある日、3人で船で沖合いに釣りに出て・・・

<五、緑国の主>
ホ-ムレス狩りをしている中学生グループ。
主犯格の少年は14才の小栗拓真。
その少年はホームレスの住処に放火。
そしてその後、殺害された。
死因は毒殺。

<六、黄色いリボン>
10歳の翔は大人しい子どもだが、女の子の格好をしてミチルとして行動すると活発に振舞える。
ワンピースを着て、かつらを被り、髪にトレードマークにしている黄色いリボンを付けて。
両親もそんな行動を認めてくれているが、団地のなかだけという決まり。
両親と自分しか知らない秘密のはずが、ある日、ミチルの名前のダイレクトメールが
届いたり、公園でミチルの名前を呼ぶ男に話しかけられたり、刑事まで翔に
妹のミチルについて知りたいと言われ混乱する。
ミチルは架空の人物のはずなのに・・・

<七、紫の献花>
67歳の独り暮らしの高瀬昭文が包丁で刺されて死亡。
高瀬は第1話で出てきた高速バス事故を起こした会社のバス運行管理担当者だった。
バス会社が倒産し、その後は、タクシー会社の配車担当として勤務していた。
勤務態度は良好でとても有能、人柄も温厚で何故殺されたのか?と同僚たちも不思議がる。
そして、高瀬にはは死亡時1億円の保険に加入しており、その受取人は
陸上選手として将来有望だったが高速バス事故により陸上人生を絶たれた樫山有希になっていた。


どの話もとても面白かった。
いろいろな殺人事件に絡む人々の思惑が、徐々に明かされ、最初の被疑者のほかに
新たな被疑者が現れ、意外な人が犯人だったり、読みながら、いろいろと推理
しながら楽しめた。

でもやはりイジメが絡む第二話の<黒いハト>は、辛い話だった。


                         ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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