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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年11月


 つらい時、いつも傍らにあった物語。もし、本当にその中で暮らせるなら――。

クリスマスイブの夜、最愛の娘が家出した。どこに? 六年前、父親が贈った童話の中に。娘を探すため、父は小説世界へと入り込む。しかしそこは、自らが作り上げた世界と何かが決定的に違っていた……。人は、どうして物語を読むのだろうか? その答えがほんの少し見えてくる、残酷で愛に満ちたファンタスティックな冒険譚。

                    (新潮社HPより)


クリスマスの季節に読みたかった!!
でも、十分にその雰囲気を楽しめました。

歴史小説家の男が読書家の娘が4歳のとき娘のために作った物語。
年に一度、贈り物を届けるために、金色配達員と銀色配達員は<外の世界>へ向かう。


そして、娘が10歳になったある日、天体観測に出かけると出かけたまま
戻って来ない事件発生。
娘は物語の世界へ・・・。
父親もその後を追うけれど・・・。

娘は銀色配達員の隠し子として、その世界で少しずつ馴染んでいくが
父親は、その世界では<影>として存在。
しかし、その姿を見られるものも。

不思議な雰囲気のあるファンタジーでした。

特別配達員のキツツキの子が、影と出会い歴史を学ぶ者同士だからと
意気投合する場面がユニーク。

女の子を<外の世界の子>と気付きながらも匿うように暮らす銀色配達員と
その手助けをする金色配達員の優しさ良かったなぁ~。

最後は、ハッキリ書かれていなかったけれど、元の世界に父と娘は戻ったのかな?
いろいろと想像するのも面白い。
こういう雰囲気、大好きなので、読んでいる間、とても楽しかった!


これがデビュー作で第25回ファンタジーノベル大賞受賞。
これからも、ステキな作品を読ませていただきたいです(^^)


                        ★★★★★
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発行年月:2013年12月


夜行列車で語られる、愛を超える熱情に生きた女性の生涯。九段の花街で芸者の子として育った〈わたし〉は、置屋で暮らす子・哲治と出会う。それは不思議な運命の糸が織りなす長い物語の始まりだった。       

                    (集英社HPより)


物語は、主人公のわたし(最後まで名前出てこなかったな)が東京に向かう
寝台列車で泣いている女性を見かけ、自分の昔話を語るかたちで始まる。

主人公のわたしは花街のなかにある料亭の娘。
芸者のおねえさんたちを間近に見ながら大きくなり、近所の友だちも
似たような環境のなかで暮らしていた。
そんな友だちの中に居た男の子・哲治とは、小学校2年生のとき始めてその存在に
気付く。
哲治は無口でいつも悲しげな表情をしている目立たない子。
「鶴ノ屋」という置屋の息子だが、両親は亡くなっているという。

主人公は、哲治と居るときが一番ホッと出来る。
そして、二人の最初の約束は、泣く時には哲治が持っている小瓶のなかに
涙を貯めるということ。
泣きたいことがあっても、それからは我慢して、哲治の元で泣く主人公。

二人は中学を卒業すると一旦は、別々の生活環境になり会わないときが続く。
主人公は15歳で家の料亭に客で来ていた男・英而と知り合い、高校卒業と同時に
結婚。
英而の会社の経営状態が悪化し、主人公は高校時代の友人・翔子の
勤務先でパートを始め、そのたあたりから、夫婦関係に溝が出来始める。
夫は家を留守にすることが増える。
そんなとき、偶然、見かける哲治。


幸せな生活が始まったと思うと、出会ってしまう二人。
哲治は、主人公の幸せを考えてか、拒むのだが、主人公の方はそれそれより強い力で
哲治のそばに居たがる。

う~ん、この感覚は理解出来なかったなぁ~。

哲治の何処がそんなにいいのか?
魅力的と思える要素が皆無の哲治だけど、主人公にとっては、かけがいのない存在なんでしょうね~。
誰かとの会話で「あの人は、わたし」っていう言い方してたからね・・・。


英而とはその後、別れ、哲治と暫く一緒に暮らすが、それもまた別れ
その後、出会った徹雄に求婚され結婚。娘が生まれる。
ああ、やっと幸せな日々が来たのね・・・と思ったのに・・・
また偶然、出会ってしまう二人。

なんか、少し前の昼ドラみたい・・・^^;

で、また哲治を選んじゃう主人公。

でも、娘の雪子が良い子に成長してくれて良かった!
離れていても母親を心配してくれる。
そんな存在をもっと大事にしてほしいなぁ~。

最後は、切ないかんじだけど、自分のことを大事に思ってくれる存在が居るのだから
主人公の女性は、幸せなんじゃないかな?

それより、話を聞いてくれていたであろう、泣いていた女性の話も
気になるんだけど、また別の話として書かれるのだろうか?


暗いかんじの話でしたが、夢中になって読みました。
阪神淡路大震災とかオムム事件など事件も織り込まれていたので、
ああ、あのころの話ね・・・と想像しやすかった。


                           ★★★★
 



発行年月:2013年11月

いつも前を行く彼と、やっと対等になれるはずだったのに──。待望の最新長篇小説。

「もしかして、別れようって言ってる?」ごくふつうに恋愛をしていたはずなのに、和歌と仙太郎の関係はどこかでねじ曲がった。全力を注げる仕事を見つけ、ようやく彼に近づけたと思ったのに。母の呪詛。恋人の抑圧。仕事の壁。祖母が求めた書くということ。すべてに抗いもがきながら、自分の道を踏み出す彼女と私の物語。

                   (新潮社HPより)




大学生のとき(18歳)で恋人の仙太郎と出会い、大人になってもず~っと続く仲。
和歌は仙太郎の言うことに感化され、何かといえば仙太郎に意見を求め
その通りにしていく。
大学4年のとき、周りが就職先を見つけたり、大学院への進学を決めたりしているなかで
和歌はどうしようか、迷い、在学中、週刊漫画誌に掲載されたりで社会との繋がりを
築きつつある仙太郎に意見を求め、就職したほうがいいんじゃない?と。
そして、仙太郎のツテで幾つかの会社の面接を受け、幼時教育のテキストを制作している
出版社に就職。

そして、実家の蔵を壊すということで、蔵のなかの物を整理しに実家を訪れたとき
祖母の旧姓・山口多栄とある1冊の本を見つける。
母親からは、祖母のことを聞くにくいため、叔母の房世に聞くと、祖母は以前、作家だったと聞く。
ふと、祖母のことを小説にしたいと思う和歌。
そして、そんな思いを機に小説を書き、出版社に送る。
それが機で作家活動を仕事と平行して行うことに。

仙太郎との仲は続いていて、一緒に暮らすようになっていたが、作家活動を続けていると
家のことがうまく出来なくなり、仙太郎に甘える日々が続く。
仙太郎は、最初、理解ある風だったが、小説を書く生活が主になってくると
お互いの思いにすれ違いが出てくる。

結果、二人は別れて暮らすことに。。。。


半分、同業者みたいな二人だからかな?
理解はしていても一緒に暮らすとなると、やっかみみたいなものも
生まれてきちゃうのかな?

作家として出版社との関わりが深くなっていくなかで、作家だった祖母と
その周りにいた人のことがわかってきて、祖母は、師事してくれた作家・桐島鉄治に
よって、作家としての人生を潰されたのでは?と和歌は推測する。


自分の今の状況と祖母の昔をダブらせて考える和歌。
でも最後は自分の意志で作家の道をあきらめた祖母。

和歌は、作家として今後も生きていくのかな?


作家と言う仕事を女性が続けるのは大変なんだろうなぁ~。
ということがよくわかった。

結婚して、子どもを持って、書いている女性作家さんは凄いな。
なんてことも、感じたり・・・・。


                          ★★★★




発行年月:2013年10月

手が震え文字が血でにじんだり、かすれたりしてひとつも読めない血まみれの手帳。父・吉本隆明の血糖値の記録。それはどんな教えよりもはっきりと、最後まであきらめない父親の姿勢を教えてくれた――。産まれること、生きること、子を育てること、死ぬこと、 看取ること。人間として避けては通れない時を、著者は娘として、親として、一人の女性として真摯に過ごしてきた。どんな苦しみの中にもある輝きと希望を紡ぐ珠玉のエッセイ。

                   (幻冬舎HPより)


表紙の血液らしいものがついた手帳が読む前から、とても気になりました。
ばななさんのお父様の遺された手帳だったんですね。
朝、起きてすぐの数値だとしたら・・・結構高いですね。
目も不自由になられて、それでも日課になっている血糖値検査をして
その数値を手帳に残す作業をしていた。
自分の父親がもしそれを遺してくれたのだとしたら・・・
ばななさんと同様、大切にとっておきたいと思うでしょう。
そこに父親が生きていた証があるわけだから・・・。


ばななさんの周りにいらっしゃる人たちの温かい気持ちも感じられる
ステキなエッセイでした。

写真も素晴らしい。

平凡なことの繰り返しの毎日が、本当は奇跡のようにすばらしい日々なんだと
改めて思わせてくれました。


                         ★★★★★
 



発行年月:2013年11月


大人も子どもも楽しめるユニークな昔話集。

「さるかに合戦」「花咲かじじい」「一寸法師」「笠地蔵」など
誰でも知っている昔話がユニークなエンタテインメントに大変身。
東日本大震災を、取材に訪れた仙台で経験した乃南さん。
復興に取り組む人たちに、物語で勇気と希望を届けたいという
思いも込められた作品集。

                 (文藝春秋HPより)


「さるかに合戦」「花咲かじじい」は、アレンジ少な目でしたが、
次の「一寸法師」は、かなりユニーク一番、面白かった。
おじいさん、おばあさんは40過ぎて望んでいた子どもをやっと授かる。
40歳で昔は、おばあさんというのはショックだけど・・・^^;
やっと生まれた子どもだったけれど・・・小さい。
そして、こんなに小さい子では、自分達がずっと面倒を見なくてはならない。
どうにかして追い出そうと二人で相談している。
優しい夫婦じゃないというか・・・・・戸惑う気持ちはわからないでも
ないけれど・・・・。
そして、おわんの船に乗って針の刀を持って旅に出る一寸法師というところは
昔話のまま。
そして、この一寸法師も結構な悪知恵の持ち主。
小さいけれど、野望は大きい。

打出の小槌で人並みの大きさになった一寸法師は、昔話のように
綺麗な姫と共に暮らすのだけど、その心の奥には憂いがあるというのが
可笑しい。

「三枚のお札」「笠地蔵」も少しアレンジを加えていたけれど、そんなに
意外性はなく普通。

最後の「犬と猫とうろこ玉」は、元の昔話を知らないので
普通の昔話として楽しみました。
本当の昔話も今度、図書館で探して読んでみようかな?


読みやすいので、昔話を知っている子どもが読んでも楽しめそう。


                         ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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