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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2014年1月


 武将の妻たちの凛とした姿

徳川頼宣に嫁いだ加藤清正の娘八十姫の秘話、鍋島直茂の妻と姑の間のふとした会話、伊達家から立花へ嫁に来た母の実家への想いなど。

                 (文藝春秋HPより)


今回は、短編集。
豊臣時代の末期から江戸時代(島原の乱あたり)までに生きた武将の妻たちの物語を
7編。
時代の波に翻弄されながらも、そのなかで強く自分の信念を持って
策略的に嫁ぐ場合も多かった女性たちが秘めていた思いや、嫁いだ先で
感じることを史実に基づきながら、淡々と綴っていた。
淡々と語るなかに、女性たちの思いが強く伝わり、
過酷な状況でも常に凛として生きた女性たちの生き方がとても美しかった。


<汐の恋人>
戦地の朝鮮に居る夫に文を出した瀬川采女の妻・菊子。
その文が、秀吉の目にふれ、それが元で、菊子と会うことにする秀吉。
采女も戦地から秀吉の元に戻り、切腹か?という事態に・・・


<氷雨降る>
京の公家の娘でキリシタンのジュスタ(洗礼名)が島原半島に4万石を領する
有馬晴信の元に嫁する。
関ヶ原の合戦後、晴信は領土問題に巻き込まれ罪を問われるが、キリシタンは自死は
禁じられていると斬首を望みその通りになる。
ジュスタは二人の娘とともに実家に戻り、幕府がキリシタンへの迫害を強める中でも
宣教師たちに潜伏場所を与える。


<花の陰>
細川忠隆と千世の話。
忠隆は、忠興、ガラシャ夫人(玉子)を両親に持ち、千世は前田利家の末の娘。
ガラシャ夫人が石田三成の命を拒み自害した折、一緒に居た千世は前田家に逃れた
ことで細川家の非難を買い、忠興の手前、妻とは離れたままとなった忠隆だが
自身の気持ちは千世を責めていなかった。
二人は再び、ともに暮らすことを選ぶが、忠興の怒りをかうことになる。


<ぎんぎんじょ>
肥前の大名鍋島直茂の継母・慶銀誾如(けいぎんに)が亡くなる。
93歳の大往生であった。
その最期を看取った直茂の正室・彦鶴。
姑の顔をしみじみ見入っている彦鶴に侍女が草花の蒔絵を施した黒漆塗りの文箱を
提げてくる。そのなかには一通の書状。


<くいのないように>
加藤清正の娘・八十姫が徳川頼宜の元に嫁すことになる。
父・清正の当然の死を徳川家康の謀ではないか?と疑っている八十姫だったが
父が嫁入りのときに待たせよと用意してあった清正愛用の片鎌槍の意味と
自分のなまえの由来を知る。


<牡丹の咲くころ>
伊達正宗を祖父にもつ鍋姫が立花忠成の元に嫁ぐ。
当時の立花家は、伊達家にとっては格下。
忠成自身も身分が合わないと戸惑っていた婚儀ではあったが、二人は仲睦まじく暮らす。
その後、起きた伊達騒動。


 

<天草の賦>
1637年島原の乱。
肥後前島原と肥後天草の農民およそ2万8千人が蜂起した。
総大将は16歳の益田四郎時貞(通称:天草四郎)。
その天草四郎の命を救おうと奮起する万という女性。



時代の波に翻弄されながらも、どの女性たちも己の信念は強く持ち、
言いなりになるのではなく、自らが生きる道を切り開くのだというような
力強さも感じた。
本当に凛としていて美しい武将の妻たちの物語でした!!


表紙の絵が、いつもの葉室さんの書とは、違う雰囲気なのも好みです。


                       ★★★★★
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発行年月:2006年11月

「ママに秘密、作ってみない?」その言葉に、少女は頷いた――

女優・脚本家、さらには「BS週刊ブックレビュー」司会者としても幅広く活躍する著者の初小説作品。NHK出版ホームページ上で二〇〇五年十月~二〇〇六年八月まで連載され、大好評を博した『結婚写真』を単行本化。また、脚本家デビュー作を大幅に加筆して小説化した『納豆ウドン』も同時収載。 

                  (NHK出版HPより)


先に読んだ『ティン・ホイッスル』がとても良かったので、デビュー作の『納豆うどん』
を一緒に収録した、本書を読んでみた次第。

う~ん、なかなか面白かった!
『結婚写真』は、母親と娘の関係を描いていて、『納豆うどん』では、両親と娘の関係を
描いていた。

いろいろな家庭環境があると思うけれど、そんななかで家族が信頼し合って
それぞれが一番の理解者で居られたら、最高だな~なんてことを読みながら思った。

最近では情報番組のコメンテーターとして活躍している姿を見ているけれど
女優としての彼女は、最近、あまり見ていないので、演じる姿も見てみたいな。
そして、また素敵な物語も読ませて欲しい。

才能豊かな方なんですね~と改めて思いました。


                         ★★★★



発行年月:2014年1月


 この展覧会はうそかまことか――。クラフト・エヴィング商會の棚おろし的展覧会公式図録。文学、デザイン、アートを軽々と渡り歩く同商會の魅力と新たな世界が満喫できる約3年ぶりの新刊。

                   (平凡社HPより)


何から何までアート作品のような1冊です!!
素敵過ぎます!!

最初の クラフト・エヴイン商會って何ですか?
の書き出しから愉快です。
吉田・篤弘&浩美ご夫妻のセンスには脱帽です♪

商品が写真入りで、展示されて、実際にこんな展覧会があったら行きたい!!
特に商品番号0105番の 雲砂糖 入っている容器、雲砂糖と名付けられた
お菓子のようなものに釘付け!

ほかにもクスッと笑ってしまうようなユーモア溢れる商品も。

これは何度も頁を捲って楽しめます♪


クラフト・エヴイン商會が手掛けた本の装幀は、やはりどれも素敵です。
高校の教科書や参考書の装幀もしていたんですね~。

そして、クラフト・エヴィン商會を贔屓にしている方たちのコメントも
楽しませていただきました。


そして、不思議なのが、この本、ある程度の厚さ(260頁ちょっと)
があるのにすごく軽い。
なんで??そんなこと感じるの、わたしだけ?^^;


また、楽しい本、作ってください!!


                           ★★★★★



発行年月:2013年9月

東野圭吾、全身全霊の挑戦。二○一三年、最大のサプライズ。

悲劇なんかじゃない これがわたしの人生

極限まで追いつめられた時、人は何を思うのか。夢見た舞台を実現させた女性演出家。彼女を訪ねた幼なじみが、数日後、遺体となって発見された。数々の人生が絡み合う謎に、捜査は混迷を極めるが――

                  (講談社HPより)




待ってました!加賀恭一郎シリーズ!

殺人事件の背景にあるもの・・・哀しく切なかったなぁ~。
いろいろな名前の人物が登場するけれど。。。途中で同一人物じゃないかと気づく。
どうしてそうしなければならなかったのか?
そこまでしたのに、それを見破られた事で追い詰められ、人を殺めてしまう。
庇いたい人が居るから・・・同情するような気も少し起きたけれど、
そうする前にほかに方法あったんじゃないか?とも思ってしまう。

そして、今回は、事件の関係者と幼い頃、突然、姿を消した加賀の母親に接点があり
母親の暮らしぶりもわかってくる。
何故、突然、姿を消したのか?
辛かったでしょうね~。
同じ母親として、胸が痛くなりました。

加賀にそんな母親の思いが伝わって良かった!



事件は哀しいものだったけれど、加賀にとっては、母親に関する知りたかった情報が知れて
そして、やっと母親と心が通じたのかな?

 それから、加賀にも、もしかして、ロマンス?という展開もちょっとうれしかった。
今度は、加賀が幸せになる場面も読みたいなぁ~。


やはり加賀恭一郎シリーズは面白い!


                         ★★★★★




発行年月:2014年1月


愛することは受け入れること――。
28歳わたしがアメリカ留学先で出会った底抜けに明るく温かいダニエル。
惹かれていく2人だが、彼には秘密があった。
愛と性、そして生。衝撃の問題作。

                  (河出書房新社HPより)


実話を元に著者が独自に調べて書いた物語とか。

アメリカ留学のため、ニューヨークに住みバイトを始めた先で知り合ったダニエル。
誰からも愛される男性で、カオリも彼に惹かれ二人は仲良くなるけれど・・・

ダニエルの家族。
兄と姉と両親。両親は再婚同士。
兄は父親の連れ子で、姉は母親の連れ子という家族。
ダニエルの子どもの頃の思い出話では、とても仲の良い家族という印象だった。
けれど・・・その家族には、大きな秘密があったと知るカオリ。


こんな事実を知ったら、どうするだろう?
ダニエルから説明を受けるけれど、その説明から更に疑問を抱いてしまうカオリ。
もっとちゃんと最初から真実を話してくれたら良いのに・・・
と思ってしまった。

付き合い始めてから、真実を知らされ、勝手に終わりにしたダニエルには
嫌悪感を抱いてしまった。
カオリが可哀想。
二人でもっと時間をかけて話せば、何か違った二人の未来があったかもしれないのに・・
そうすることは最初から望んでいないということか?
だとしたら、尚更、カオリと恋人同士のような関係を築いたことは罪。

う~ん、なんとも後味が悪いお話でした。

でも、生まれた子が幸せであるといいなとは思う。


                           ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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