発行年月:2025年9月
夫にも誰にも内緒でひとりスリランカへ向かった私が、
善き願いも悪しき願いも叶えてくれる神さまに祈るのは、
ぜったい誰にも言えないあのこと──。
神楽坂、ミャンマー、雑司ヶ谷、レパルスベイ、ガンジス川。
どこへ行けば、願いは叶うのだろう。
誰もが何かにすがりたい今の時代に、
私のための神さまを求める8人を描く短篇集。
(新潮社HPより)
最初と最後の話は家族に関する結構、切実な願いで印象的。
<神さまに会いにいく>
偶然、本屋で見つけた「世界の神さま一覧」
そのなかにスリランカに善き願いばかりでなく悪しき願いも叶えて
くれる神さまがいることを知り、夫が2泊3日でゴルフ旅行にいくという
五月の連休に、自分はスリランカに行こうと決意する。
夫には内緒。
神さまにお願いしたいのは、父親をどうか殺してくれ
うわ~こんな父親、最低だな。
そう願いたい気持ちはわかる。
でも結局、そんな恐ろしいことを願う自分を認めたくなくて
現地にいったけれど願えなかった主人公。
そんな優しさを神さまが理解して叶えてくれるといいのにな・・・・
<絶望退治>
小学校高学年くらいから問題行動を繰り返す息子。
夫婦で息子への関わり方をあれこれ悩んできたが
息子が高校生になったころ、夫は離婚したいと。
住んでいる家、息子が成人するまでの養育費、慰謝料を貰う条件で
離婚に応じ、自身は仕事を始める。
高校は行ったり行かなかったりで何とか卒業は出来たがその後は
仕事をしてもすぐ辞め、相変わらず問題行動を繰り返す。
家のなかは滅茶苦茶。
息子が外出しているときだけホッとする。
縁切りに絶大の効果ありという京都にある縁切りの神さまの元へ。
この母親も結局、うまく願いを言えなかった。
でも、そんな気持ちを神さまなら、なんとか汲んでどうにか楽になるように
導いてほしいな。
他の話もスラスラ読めて、まあまあ楽しめた。
表題作の<神さまショッピング>の主人公が抱えていることは
ちょっとよくわからなかった。
そこまで自分を責めなくていいと思うけど・・・
でも、わざわざ、願いを叶えるために海外までいくというのは
理解出来ないなぁ~。
★★★
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発行年月:2025年3月
定町廻り同心、木暮信次郎につく岡っ引伊佐治は、長い間本所深川を探り歩いてきた。森下町の小間物問屋『遠野屋』の主遠野屋清之介と『遠野屋』の未来を語りあっていると、手下の力助が事件の報せを運んでくる。深川元町の油屋『出羽屋』の離れで放蕩息子一郎太が短刀で喉を突き、自ら命を絶ったという。主忠左衛門と後添えのお栄に話を訊く信次郎、お栄は数日前に一郎太からお金を無心され、大金を渡してしまったと後悔していた。信次郎は、店の者たちを問い詰め、なぜか執拗だ。彼が拘るということは、ただの自死ではないのか。一郎太の馴染みの女『すずや』の夕波も、若旦那が命を絶つなんてありえないと涙する――。 江戸という町に、人は集まり、渦巻き、絡まり合う。正体不明の底知れない相手に怖け、ときに興を掻き立てられ、ときに挑む心持を抱く。 研ぎ澄まされた刃を封印し、揺るぎない商いの未来に情熱をそそぐ清之介、岡っ引が天職の伊佐治、そして、清之介を獲物ととらえ、歪な眼差しで人を見る信次郎。男たちの感情が静かに熱くうねり合う、累計120万部突破、「弥勒」シリーズ最新刊!
(光文社HPより)
このシリーズも長いなぁ~
全然、飽きないけれど・・・・
今回は、小暮信次郎と伊佐治が油屋・出羽屋の長男・一郎太の死の
真相を追う話と、遠野屋清之助が新たな店の商品づくりの話が交互に
進む。
伊佐治はそれぞれと話す場面があるのだけど・・・・
伊佐治が居ないところでの二人は何やら不穏な空気が濃くなるかんじ。
小暮信次郎と伊佐治が追う出羽屋の話は、真相がわかると
なんとも嫌なはなし。
自死に見せかけて殺された一郎太が気の毒過ぎる・・・(ノД`)・゜・。
世間では放蕩息子と噂されていたようだけど、優しいし、ちゃんと家の
仕事のことも考えていた。
自死するわけないと話した夕波の話から、殺されたんだと確信する
信次郎と伊佐治。
夕波自身も死んだ話になっていたのだけど・・・そういう話にしていた
人物が犯人。
しかし、病弱の10歳の次男・良太は、恐ろし過ぎる。
良太は亡くなった一郎太の腹違いの弟。
兄に対する妬みが、この事件の原因だったとは・・・・( ゚Д゚)
遠野屋清之助は、因縁の相手・屋代屋の大番頭・弓之助から
ある依頼を受ける。
請け負うことを知った店の者は皆、驚くけれど、考えあってのこと。
八代屋が春の終わりに催す桜の宴の客に帰り際に渡す引き出物を
用意してほしいというお願いを受けた。
出来上がった、白粉は上出来の品に。
遠野屋清之助が、このまま商人として、穏やかな日々を過ごしてくれたら
いいのに・・・・と思っているけれど、物語の終盤で
小暮信次郎と対峙する様子は、何かとても危険なかんじ。
この物語は、いつも、この後のこと、早く知りたいんだけど!!と
いう気持ちになるなぁ~。
血生臭い事件の合間にある、伊佐治の小料理屋「梅屋」での家族や客との会話は
ほのぼのしていて凄く好き。
★★★★★
発行年月:2025年9月
戦後、連合国軍占領下の日本では米国兵士と日本人女性の間に生まれた子供たちが街中に捨てられ、悲惨な状況に追い込まれていることが社会問題となっていた。
三菱創業者である岩崎弥太郎の孫娘で、外交官婦人でもあった沢田美喜は現状に心を痛め、女性たちが子供を託せる施設、エリザベス・サンダース・ホームの設立に乗り出す。
資金繰り、世間からの差別の目、子供たちの行く末……様々な困難を乗り越え、千六百人近い子供たちを育て上げた女性の物語。
(PHP研究所HPより)
エリザベス・サンダース・ホームを設立した女性の話。
三菱財閥の創業者のひ孫・沢田美喜。
外交官の夫の赴任先だったロンドンで以前、親のない子達が大勢、笑顔で
暮らしていた施設<ドクター・バーナードス・ホーム>で週1回、
ボランティアとして働いた経験があった。
戦争は終わったけれど、実家の洋館はGHQに接収されてしまっていた。
そして、日本に来たアメリカ兵と日本人女性の子どもが捨てらていることに
胸を痛め、そういう子どもを養護する施設の必要性を強く感じた美喜。
幸い、実家の岩崎家で以前、奉公した八重が訪ねてきて夫が亡くなり
故郷に帰ろうと挨拶に寄ったという八重に養護施設を一緒に
手伝ってほしいと頼み、勉強し保育の資格を取り、美喜の片腕として働く。
外交官の夫や実家の父も美喜のやることに賛成し、尽力してくれて
施設<エリザベス・サンダース・ホーム>を造ることが出来る。
そして捨てられた子どもを預かるのだけど、想像するだけで目が回る
忙しさ。
アメリカ人との子どもという世間の偏見が想像以上に酷く
子どもが体調を崩しても医者さえも容易に診てくれないとは・・・。
百日咳に次々、子どもたちが感染し、7名が亡くなってしまった時は
なんとも辛かった。
そして、私立の小学校も開校<聖ステパノ学園>
戦死した三男の洗礼名から付けたそう。
天皇皇后両陛下がホームを訪れたことで少し、近所の見る目が変わるが
それでも金持ちの道楽とか売名行為などの批判も続く。
美喜たちは、そんな雑音にはめげず、子ども達のために尽くす。
彼らがホームを去って自立していかなければならない時期が来ても
まだまだ世間の目は冷たい。
なかなか、普通の日本人のような仕事には就けず大変そう。
美喜はそういう子どもたちを偏見が日本よりは少ないブラジルに呼び寄せる
ことを考え、ブラジルの開拓を試みるが、うまくいかずに終わったのかな?
本当に一生懸命、子どもたちの幸せのために奔走している様子はすごい。
終盤、子どもたちがどんな風に今、生活しているのかが出てきた。
みんな厳しい世間の偏見にも負けず、それぞれが踏ん張って生きていた。
悪い道に逸れた子もいたとは思うけれど、大切に育てて貰えた時が
あったということは忘れていないと信じたい。
美喜の最期はあっけなかった。
海外で仕事中に体調を崩して、そのまま亡くなったのだとか。
葬儀に駆けつけた人の数は凄かったと。
一人の女性として尊敬しかない人だった。
★★★★★
(PHP研究所HPより)
エリザベス・サンダース・ホームを設立した女性の話。
三菱財閥の創業者のひ孫・沢田美喜。
外交官の夫の赴任先だったロンドンで以前、親のない子達が大勢、笑顔で
暮らしていた施設<ドクター・バーナードス・ホーム>で週1回、
ボランティアとして働いた経験があった。
戦争は終わったけれど、実家の洋館はGHQに接収されてしまっていた。
そして、日本に来たアメリカ兵と日本人女性の子どもが捨てらていることに
胸を痛め、そういう子どもを養護する施設の必要性を強く感じた美喜。
幸い、実家の岩崎家で以前、奉公した八重が訪ねてきて夫が亡くなり
故郷に帰ろうと挨拶に寄ったという八重に養護施設を一緒に
手伝ってほしいと頼み、勉強し保育の資格を取り、美喜の片腕として働く。
外交官の夫や実家の父も美喜のやることに賛成し、尽力してくれて
施設<エリザベス・サンダース・ホーム>を造ることが出来る。
そして捨てられた子どもを預かるのだけど、想像するだけで目が回る
忙しさ。
アメリカ人との子どもという世間の偏見が想像以上に酷く
子どもが体調を崩しても医者さえも容易に診てくれないとは・・・。
百日咳に次々、子どもたちが感染し、7名が亡くなってしまった時は
なんとも辛かった。
そして、私立の小学校も開校<聖ステパノ学園>
戦死した三男の洗礼名から付けたそう。
天皇皇后両陛下がホームを訪れたことで少し、近所の見る目が変わるが
それでも金持ちの道楽とか売名行為などの批判も続く。
美喜たちは、そんな雑音にはめげず、子ども達のために尽くす。
彼らがホームを去って自立していかなければならない時期が来ても
まだまだ世間の目は冷たい。
なかなか、普通の日本人のような仕事には就けず大変そう。
美喜はそういう子どもたちを偏見が日本よりは少ないブラジルに呼び寄せる
ことを考え、ブラジルの開拓を試みるが、うまくいかずに終わったのかな?
本当に一生懸命、子どもたちの幸せのために奔走している様子はすごい。
終盤、子どもたちがどんな風に今、生活しているのかが出てきた。
みんな厳しい世間の偏見にも負けず、それぞれが踏ん張って生きていた。
悪い道に逸れた子もいたとは思うけれど、大切に育てて貰えた時が
あったということは忘れていないと信じたい。
美喜の最期はあっけなかった。
海外で仕事中に体調を崩して、そのまま亡くなったのだとか。
葬儀に駆けつけた人の数は凄かったと。
一人の女性として尊敬しかない人だった。
★★★★★
発行年月:2006年11月
『かはたれ』から4年後、八寸は、ふたたび長老の言い付けで、人間界へ出かけることになった。今回は、なぜか中学校の古いプールに棲みついてしまった高貴な血筋の河童、不知を河童界に連れもどすという使命を帯びていた。その中学で、3年生の麻と八寸は再会を果たし、麻の協力で、不知は、すでに命を落とした人間の友だちを待ちつづけていることがわかる。不知の持つ霊力で時間を遡り、不知とその友人を再会させようとするが…。
(福音館書店HPより)
「かたはれ」から4年後のはなし。
八寸は長老から頼まれて、人間界から戻らない美しく賢く特別、霊力も強い
月読み族の生き残り・不知を連れ戻すために再び麻と暮らした思い出の
場所へ向かう。
不知が棲みついているのは、学校の古いプール。
なぜ、不知はそこに居続けるのか?
それには、不知と司という少年が交わした約束があったから・・・
八寸は今度は河童の姿のまま、長老から《見え隠れの珠》を首にかけて
もらう。
姿を隠してくれるが水系のものは見えてしまうという。
雨に濡れたり、くしゃみや鼻水にも注意。
八寸は不知にはすぐに会える。
けれど、どんなに説得してもダメ。
プールで誰かを待っているらしいけど誰を?
そして懐かしい麻とチェストタンとも再会する。
麻は14歳になり、身長も160cm近く、チェストタンは年をとり
活発に動き回ることはなくなっていた。
学校で河童らしきものを見たという騒ぎが起き、焦る麻。
そして随分、前にも同じような騒動があったことを知る麻。
その時、少年で河童を見たといった二階堂晋を探し、会って話をする。
二階堂晋の祖母がお屋敷で働いていた時にお屋敷の坊ちゃんと
銀色の人が楽しそうに話しをしている光景を見たという話も。
そのお屋敷の坊ちゃんは天辰司。
銀色の人は不知。
不知は、司を待っていた。
司と不知の話は、なんとも哀しいものだった。
楽しい時間を過ごしていたのに、戦争が始まり、司は戦場へ。
帰って来たけれど右腕を失い、大好きなヴァイオリンが弾けなくなる。
それでも学校の臨時教師として働いていたが、学校に爆弾が落ち
校舎の梁の下敷きになった司。
火の手が迫る場で不知はなんとか司を助けようとするが
司は「プールのところで待ってろ!後で会えるから・・・」と。
そのまま司と会うことはなく時が過ぎて・・・
麻は学校のピアノを弾いている河合くんを偶然、会い
2人は同じ小学校から来ていて、以前、虐められていたときに麻に助けられた
という話をする。
なんとなく、麻は河合くんになら八寸や不知のことを話しても大丈夫
だと感じ、勇気を出して話す。
それから、なんとかして不知を救う方法を一緒に考える。
河合くんも良い子だな。
八寸や不知の姿も河合君にはすぐに見え、なんとかして音楽で記憶を
取り戻せないかと探り、偶然、フルートで吹いた曲に不知が
「もういちど吹いて」と頼み、その音色が時空を超えた司の元へも届く。
不知と司の再会は短い時間だったけれど、不知はそれによって
八寸と散在ガ池に戻ることを決める。
再び、麻は八寸と別れることになるのだけど。。。。
河合くんと二人、共通の思い出が出来たし、また会える方法も残して貰えた。
この話の続きはもうないのかなぁ~。
ステキな物語だったなぁ~。
★★★★★
発行年月:2025年7月
幼い頃から可愛いものが大好きで、頭のリボンがトレードマークの百花。
”よくわかんない店”で働きながら、マイペースに日々を過ごす彼女は、
あるとき伯母の加代子が営むテーラーを手伝うことになる。
女性であることを理由に、紳士服を作ることが許されなかった加代子は、
夫亡き後、日用品を中心に製作しているが、
あるとき「下着のリメイク」の依頼が届き、
手芸好きの百花の力を借りることにしたのだった。
”よくわかんない店”で働きながら、マイペースに日々を過ごす彼女は、
あるとき伯母の加代子が営むテーラーを手伝うことになる。
女性であることを理由に、紳士服を作ることが許されなかった加代子は、
夫亡き後、日用品を中心に製作しているが、
あるとき「下着のリメイク」の依頼が届き、
手芸好きの百花の力を借りることにしたのだった。
下着にまつわる固定観念を軽やかにすり抜け、
読む人の心をそっと解きほぐす物語。
(文藝春秋HPより)
面白かった!
6歳の頃、のんびり屋で皆をイライラさせたり無視されたりで学校が嫌いな
百花に母が髪にリボンをつけてくれて「堂々としていなさい。そうすれば
周りは自然と敬意を払ってくれるようになるはずだから・・」と。
以来、リボンは百花の心の拠り所。落ち着きたいときはリボンに触れる。
そんな百花は33歳。今も髪にリボンをつけて会社に通う。
会社の社長・西中嶋たかし(52歳)は、なんだかユニーク。
倉庫を改装した店舗兼事務所で雑貨屋(?)を経営。
社長の兄の娘・恵美子(えみちゃん)がたかしの元でアルバイト。
前の会社でうまくいかず外出も出来なくなり、リハビリ中。
百花は社長に信頼されているかんじ。
相談事を聞いて貰うんだから・・・
百花の伯母・加代子は病気で亡くなった百花の母の姉。
テーラー城崎を今は一人で守っている。
義父と亡くなった夫がやっていた店で、義父は今は施設にいる。
加代子は近所の人や口コミで依頼された下着のリフォームをやっていて
裁縫が好きな百花にも手伝いを頼む。
お気に入りのビスチェをリフォームしたいという近所の商店街の肉屋の
奥さんの願いを叶えたり・・・。
百花の父親は今は再婚して再婚相手のマンションで暮らしている。
管理栄養士として病院で勤務していて、家では揚げ物を食べさせて
貰えないからと百花に食事に一緒に行って欲しいと頼む。
離れてもちゃんと交流はあるんだなとちょっと微笑ましい。
百花に別れた恋人・つかさ(女性)から会って話たいと連絡があり
その話もなかなか凄かった。
今、妊娠中で肌に優しい下着を作ってくれないか?と百花が下着の
リフォームの所でも働いているのを知って連絡したらしい。
つかさは、男性も女性も愛せるらしい。
でも、子どもを一緒に育てるのは女性の恋人で男性とは別れ
堕胎しようと思っていたら「産むべきだ」「「産んでほしい」と
今の恋人に言われたと。
結局、百花はその話をその場では断って帰ってきて加代子に相談。
それなら・・・と加代子の洋裁学校時代の同級生で輝かしい経歴の
橘マリエの店を紹介してあげたら?と。
橘マリエの店に出向く百花。
百花はホント、優しくていい人。
その後も病気の後遺症でマヒが残ってしまった女性や、店まで来られない
人たちのために出張テーラーが出来ないか?と加代子と真剣に話を
進める。
実現しそうな様子に、この先の頑張りも読んでみたいなぁ~と
思った。
寺地さんのお話は、やっぱりいいな。
★★★★
読む人の心をそっと解きほぐす物語。
(文藝春秋HPより)
面白かった!
6歳の頃、のんびり屋で皆をイライラさせたり無視されたりで学校が嫌いな
百花に母が髪にリボンをつけてくれて「堂々としていなさい。そうすれば
周りは自然と敬意を払ってくれるようになるはずだから・・」と。
以来、リボンは百花の心の拠り所。落ち着きたいときはリボンに触れる。
そんな百花は33歳。今も髪にリボンをつけて会社に通う。
会社の社長・西中嶋たかし(52歳)は、なんだかユニーク。
倉庫を改装した店舗兼事務所で雑貨屋(?)を経営。
社長の兄の娘・恵美子(えみちゃん)がたかしの元でアルバイト。
前の会社でうまくいかず外出も出来なくなり、リハビリ中。
百花は社長に信頼されているかんじ。
相談事を聞いて貰うんだから・・・
百花の伯母・加代子は病気で亡くなった百花の母の姉。
テーラー城崎を今は一人で守っている。
義父と亡くなった夫がやっていた店で、義父は今は施設にいる。
加代子は近所の人や口コミで依頼された下着のリフォームをやっていて
裁縫が好きな百花にも手伝いを頼む。
お気に入りのビスチェをリフォームしたいという近所の商店街の肉屋の
奥さんの願いを叶えたり・・・。
百花の父親は今は再婚して再婚相手のマンションで暮らしている。
管理栄養士として病院で勤務していて、家では揚げ物を食べさせて
貰えないからと百花に食事に一緒に行って欲しいと頼む。
離れてもちゃんと交流はあるんだなとちょっと微笑ましい。
百花に別れた恋人・つかさ(女性)から会って話たいと連絡があり
その話もなかなか凄かった。
今、妊娠中で肌に優しい下着を作ってくれないか?と百花が下着の
リフォームの所でも働いているのを知って連絡したらしい。
つかさは、男性も女性も愛せるらしい。
でも、子どもを一緒に育てるのは女性の恋人で男性とは別れ
堕胎しようと思っていたら「産むべきだ」「「産んでほしい」と
今の恋人に言われたと。
結局、百花はその話をその場では断って帰ってきて加代子に相談。
それなら・・・と加代子の洋裁学校時代の同級生で輝かしい経歴の
橘マリエの店を紹介してあげたら?と。
橘マリエの店に出向く百花。
百花はホント、優しくていい人。
その後も病気の後遺症でマヒが残ってしまった女性や、店まで来られない
人たちのために出張テーラーが出来ないか?と加代子と真剣に話を
進める。
実現しそうな様子に、この先の頑張りも読んでみたいなぁ~と
思った。
寺地さんのお話は、やっぱりいいな。
★★★★
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HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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