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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2025年2月


大ベストセラー『三千円の使いかた』と一緒に読んでほしい新作!それぞれの月収に見合う生活を送る6人。欲しいもの、不要なもの、そして、お金では買えないもの――。【月収4万円の66歳】……年金暮らしで貯金を切り崩す毎日に、ある収入源が!?【月収8万円の31歳】……専業作家を目指し、不動産投資を始める。【月10万円投資の29歳】……普通の会社員が、親の介護を見越して新NISAを利用。【月収100万円の26歳】……パパ活専業で、20代のうちに1億円を稼ぐのが夢!【月収300万円の52歳】……夫の遺産と株式投資で、働かずとも暮らせてはいるが……。【月収17万円の22歳】……介護士。生前整理の会社を立ち上げる――?


                     (中央公論新社HPより)



6人の女性たちのはなし。
最初は66歳の乙部響子。
夫が30歳も年下の女との間に子どもが出来たから別れてほしいと。
住んでいた家を夫の新しい家族に渡し、貯金400万を貰っただけ。

えぇ~っ!?
お人よし過ぎない?と思ったけれど、その後の生活を見ていたら
案外、幸せなのかもれないと思った。

臨時収入的なものもあったりして・・・。

6人の女性が知り合っていく過程もあって面白い。


最後の月収17万の斉藤静香(22歳)は一番、応援したい気持ちになった。
介護職員として働いていて気づいたことから起業を思いつく。

お金がなくてシェアハウスで暮らしていたころ、知り合った年収300万の鈴木菊子や
最初の話の乙部響子ともこれから付き合いながら
自身が起業した生前整理代行の仕事をどんどん発展させていってほしい。


生前整理・・・絶対、これから需要が増えると思う。
自分自身のことを考えても、少しずつ、やらないと!と思った(^^ゞ




                    ★★★★
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発行年月:2025年5月


第173回直木賞候補作! 傑作社会派小説
 首相暗殺テロが相次いだあの頃、インターネット上にもう一つの爆弾が落とされていた。ブログに突如書き込まれた【宣戦布告】。そこでは、SNSで誹謗中傷をくり返す人々の名前や年齢、住所、職場、学校……あらゆる個人情報が晒された。
 ひっそりと、音を立てずに爆発したその爆弾は時を経るごとに威力を増し、やがて83人の人生を次々と壊していった。
 言葉が異次元の暴力になるこの時代。不倫を報じられ、SNSで苛烈な誹謗中傷にあったお笑い芸人・天童ショージは自ら死を選んだ。ほんの少し時を遡れば、伝説の歌姫・奥田美月は週刊誌のデタラメに踊らされ、人前から姿を消した。
 彼らを追いつめたもの、それは――。
* * *
■宣戦布告■
よく聞け、匿名性で武装した卑怯者ども。
SNSなんてなくなればいいのにな。えっ、ダメ? 余計なこと言うなって? そうだよなぁ。やっとおまえら権力者になれたもんな。炎上させて誰かが何かを諦めたときに、社会を変えてやったと実感できるもんな。そうやって表面的な正義感で研いだナイフで、悪意の塊でつくった毒で世直ししてるもんな。
やっぱり俺は週刊誌とおまえたちを赦せない。
だからやってやるよ。俺には俺の、ケジメのつけ方ってもんがあるんだよ。
これから重罪認定した八十三人の氏名、年齢、住所、会社、学校、判明した個人情報の全てを公開していく。
八十三なんて数字は氷山の一角に過ぎない。だが、図に乗ってると、次はおまえの番になるから肝に銘じておけ。
明日にはおまえたちの人生はめちゃくちゃになっている。
奥田美月や天童ショージのように。
せめて今日を楽しめ。あばよ。 


                   (文藝春秋HPより)


面白かった!

音楽プロデューサーの瀬尾政夫がブログで芸能人(芸人の天童ショージと
元アイドル歌手の奥田美月)に対して酷い誹謗中傷コメントを書いた
83人の実名や個人情報を公開する。


実名を晒されて自分自身が窮地に立たされ動揺するコメントした者たち。
自分の社会的地位をなくし自死してしまうものも出てくる。
正直、可哀想とは思えなかった。


瀬尾が天童ショージと奥田美月とどういう関わりがあったのかがわかってくると
より一層、瀬尾のやったことが意味あるものだったんだとわかる。
瀬尾自身は自分のやったことの罪を受け入れる覚悟があってやっている。
誹謗愁傷した者たちには、それによって、どうなるかまで全く考えず
やっている。


天童ショージは不倫を週刊誌に暴露されて、ネット上で叩かれた。
こういうことはよくワイドショーとかでもみる。
でも天童の妻・静香は「放っておいてほしかった」と。
奥さんが可哀そう、子どもが可哀そうと言いながらの誹謗中傷は
その奥さんや子どもも傷つけていることに気づいていない。
そっとしてあげるのが一番いいのに・・・


奥田美月はスタッフへの暴言テープが晒されネット上で叩かれる。
そうなったわけを知らず、バッシング。
誰でも声を荒げたくなる状況はあるのに・・・。


美月の生い立ちは壮絶なもので、最後の場面で、色々あったけれど
美月がちゃんと歌を歌い続けていたことがわかって救われた。


瀬尾との再会もジーンとした。


読み応えあり、今の社会の闇みたいなものに小説の力で考えさせてくれた
いい物語だった。

直木賞あげてほしかったな・・・と個人的には思った。



                     ★★★★★




発行年月:2025年6月


著者6年ぶり、待望の長篇小説
著者6年ぶり、世界が待ち望んだ長篇小説400枚。
内気な人々が集まって暮らすその土地は、“アカシアの野辺”と名付けられていた。たったひとりの家族であるおばあさんが働いているあいだ、幼いリリカは野辺の老介護人に預けられて育った。野辺の人々は沈黙を愛し、十本の指を駆使した指言葉でつつましく会話した。リリカもまた、言葉を話す前に指言葉を覚えた。たった一つの舌よりも、二つの目と十本の指の方がずっと多くのことを語れるのだ。
やがてリリカは歌うことを覚える。野辺の重要な行事である“羊の毛刈り”で初めて披露された彼女の歌は、どこまでも素直で、これみよがしでなく、いつ始まったかもわからないくらいにもかかわらず、なぜか、鼓膜に深く染み込む生気をたたえていた。この不思議な歌声が、リリカの人生を動かし始める。歌声の力が、さまざまな人と引き合わせ、野辺の外へ連れ出し、そして恋にも巡り合わせる。果たして、リリカの歌はどこへと向かっていくのか?
名手の卓越した筆は、沈黙と歌声を互いに抱き留め合わせる。叙情あふるる静かな傑作。


                      (文藝春秋HPより)


特殊な環境で育ったリリカ。
成長して、車を運転して有料道路の料金所を通ることが度々あり
「アカシアの野辺」のお菓子を買いに来る人だ!とその手をみてわかり
親しくなっていく。
そのまま他所で暮らす選択も出来たのに・・・・


リリカがアカシアの野辺のなかで色々な人の死をみる。
それがすごくリアルで、人の亡くる直前の様子をこんな風に書けるのは
凄いなとおもった。
羊が二頭、角が絡まったまま逃走し、その後の二頭が息絶えるまでの
描写も印象に残るものだった。
それを見ているリリカ。

行方不明になった幼い男のこのことを思って、迷子になったその子が遊べるように
と、リリカの祖母がつくった人形たち。
それらも月日の経過とともに朽ちていく。

人も動物も人形もいずれは生きていたころとは違う姿になって最後は
自然のなかに溶けていくんだな・・・とあたりまえのことだけど
改めて考えた。



また暫くしたら、再読したい。



                    ★★★★★



発行年月:2023年11月


誰かの憧れとなれるようなキラキラした素敵な毎日でなくていい。
ちょっとした工夫や小さな楽しみを日々の暮らしの中に
見つけることで毎日を心地よく気分よく過ごして行けたらーーー。
無理をしすぎず、でも自分自身が‘ちょっといいかも‘と思える
そんな60代の毎日を12か月のダイアリーのようにつづりました。

            (発行/主婦と生活社本の表紙裏の文より)



素敵な暮らし方だと思う。
真似できそうなところもいいな。

ちょっと、わたしよりお姉さんだけどほぼ同じくらいの年。
写真の数々もすてき。

洋服の好みもピッタリで、どれもすてき。

同年代の人が素敵に暮らしている様子が見られるのは
なんだかウキウキする(^^)

他の書籍になっているものも手に取ってみよう!




                 ★★★★★



発行年月:2025年6月


『続きと始まり』『百年と一日』が話題の柴崎友香による全く新しい「探偵小説」
「世界探偵委員会連盟」に所属する「わたし」は、ある日突然、探偵事務所兼自宅の部屋に帰れなくなった。
急な坂ばかりの街、雨でも傘を差さない街、夜にならない夏の街、太陽と砂の街、雨季の始まりの暑い街、そして「あの街」の空港で……「帰れない探偵」が激動する世界を駆け巡る。


                   (講談社HPより)





ある日、家に帰る路地が見つからなくなり帰宅できなくなった探偵。

その前には依頼者カフェにいて「自分が探偵されているか探ってほしい」という
依頼を受けていた。
その時、一時的に停電になり、そのことが関係しているのか???


でも凄く困った様子はなく、帰れないまま、宿泊先を用意してくれることを
条件に依頼を受けていく。
時には依頼者の自宅だったり、依頼者が用意した宿泊先に滞在しながら
探偵を続ける。


そして、世界探偵委員会連盟の事務局からの指示で海外へも。
事務局が用意した偽のパスポートを使用して入国したり・・・。

それぞれの国には、ちゃんとサポートしてくれる人もいてなかなか手厚い組織に
所属しているんだな。


ちょっと危ない目にも遇ったりするけれど、緊迫感がなく飄々としている探偵。
途中で、え?女性なの?と気づいて、ビックリ!!

他の国でも宿泊先に帰れなくなったりして、女性で、こういう状況になるって
かなりヤバイと思うんだけど・・・・(◎_◎;)

色んな場所で出会う人たちとのことも楽しかった。
どこの国でのことか書かれていないので、想像しながら楽しんだ。


最後は、最初の国に帰って来て、偶然、知り合いに会って会話。
この後、どうするんだろ?
気になる終わり方だけど、それもいい。


結構、こういうの好き。



                    ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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