忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[8]  [9]  [10]  [11]  [12]  [13]  [14]  [15]  [16]  [17]  [18



発行年月:2025年8月


「東海道五拾三次」など当時の日本の情景を描いた武家出身の歌川広重、
常識破りの奇想絵で人気を博す歌川国芳─
切磋琢磨しあう好敵手でもある二人の天才に、
葛飾北斎の娘・お栄も絡んで描かれる秀逸な青春物語にして
絶品の成長小説でもあり、究極の芸道小説。


                  (朝日新聞出版HPより)



初めて読む作家さんだったけれど、とても読みやすかった。

歌川広重と歌川国芳って同年だったのか~。
子どもの頃から知り合いで、そこに葛飾北斎の娘・お栄も加わって
三人集まって絵を描いていたなんて、想像するだけで微笑ましい。


そんな3人がバラバラになって、それぞれの絵師としての道に進む様子が
描かれる。

先に世に名前が知られたのは国芳で、そんな様子を見ながら焦る広重。

広重は幼い時から自分に好意を寄せてくれていた、ゆうを妻にする。
祖父の代か定火消しとして働き、家督を譲られた広重は定火消同心として
働きながら絵描きをする生活。
祖父が若い嫁を貰い、そこに息子が誕生してよかった!
絵描きの仕事に没頭できるようになって旅をしながら東海道五十三次を描いた。
旅に必要なお金は、ゆうが工面して出してくれて、いい女房だったんだな・・・

国芳より、師匠や人間関係には恵まれていたかんじがする。
だからなのか、国芳の絵より、優しい穏やかな印象。

わたしは広重の絵の方が断然、好きなので、この物語を読んで、なるほど・・・と
納得する部分があった。



表紙の絵も、二人の絵でいい。

この作家の作品、他にも読んでみたくなった。




                      ★★★★★
PR



発行年月:2025年7月


「雨は、なぜ降るのだろう」。少女時代に雨の原理に素朴な疑問を抱いて、戦前、女性が理系の教育を受ける機会に恵まれない時代から、科学の道を志した猿橋勝子。戦後、アメリカのビキニ水爆実験で降った「死の灰」による放射能汚染の測定にたずさわり、後年、核実験の抑止に影響を与える研究成果をあげた。その生涯にわたる科学への情熱をよみがえらせる長篇小説。


                   (新潮社HPより)



猿橋勝子さん、名前を初めて知った。
これを読んで、こんなすごいことやった女性がいたんだと驚き感動した。


大正9年(1920年)生まれで2007年9月に87歳で亡くなっている。
生涯、独身で、研究することが大好きで、結婚することで発生する
いろいろなことに時間を取られるのが惜しいと感じて
一時、いいなと思った人はいたみたいだけど、その人との時間にも距離を
置いて、科学の道に全力を注ぐ。


最初は、医者になることを目指し勉強し憧れた吉岡彌生を
目指し、東京女子医学専門学校入学を希望したけれど、面接で実際に
吉岡彌生に会い、「どうしてこの学校を受験したのか?」の質問に
「先生のような女医になりたい」と答えたら
「なりたいと言って
、そうたやすくなれるものではありませんよ」と冷たく返され失望し
医者の道を諦めたとか。


でも、そこで4月開校の帝国女子理学専門学校に入学したことで
偉業を成し遂げることになったとは。
この人なら、女医になったとしても立派に活躍したと思うけれど・・・。


戦後のアメリカが行った水爆実験を危険だと訴え、禁止させることの方が
やはり凄いことだと思う。

最後、女性ひとりでアメリカに行き、アメリカの科学者と
対峙して汚染水の分析を数値化してみせた場面は、圧巻だった。


アメリカの水爆実験により日本のマグロ漁船の乗組員が被災したビキニ環礁での
ことは知っていたけれど、その後、その海水調査もやって
その結果から核実験を食い止めなければ大変なことになると結論が出てのこと。

アメリカ側からしたら煙たい存在だっただろうが、最後はアメリカの科学者にも
認められてた。
そうじゃなかったら、今頃、世界中の海はどうなってしまったんだと
考えると恐ろし過ぎる。


著者は理学部卒の人。
内容には専門的なことも書かれていたけれど、素人でも飽きずに読めた。


表題も表紙の絵も素敵。



                    ★★★★★



発行年月:2021年4月


老舗・桜山ホテルで、憧れのアフタヌーンティーチームへ異動した涼音。
でも初めて提出した企画書は、シェフ・パティシエの達也に却下される。
悩む涼音は、お客様、先輩、そして達也の隠れた努力を垣間見ることで、
自分なりの「最高のアフタヌーンティー」企画を練り直し……。

    
                 (中央公論新社HPより)


連作方式で話が進む。
老舗ホテルのアフタヌーンティーかぁ~。
素敵だろうなぁ~。
もう甘いものとかそんなに食べられないけれど・・・。



遠山鈴音・・・就職して7年。今まではホテル棟ではなくバンケット棟の
宴会接客係として働き、今年、ついに念願のアフタヌーンティーチームへ
異動。
張り切って企画書を提出したもののスイーツ担当のチーフ・飛鳥井達也に
冷たく却下されてしまう。
嫌な奴!と思ったけれど、鈴音はその後、達也が識字障害ではないかと気づく。

二人の関係が少しずつ変わっていく様子も楽しかった。


他のスタッフたちとのこと、常連客の二人。
それぞれ一人で来て楽しんで帰るのだけど、それもいい。


最後は、スタッフの関係者たちを招待してのアフタヌーンティー。


続編では飛鳥井達也と遠山鈴音の新たな生き方が読めそうだな。




                       ★★★★



発行年月:2025年6月


 伊坂幸太郎デビュー25周年に贈る、「幸せ」な短編集!
 【パズル】悩みを抱えた「僕」は、マッチングアプリでしか出会えない「名探偵」に依頼する。
 【竹やぶバーニング】出荷した竹にかぐや姫が混入!?  仙台七夕まつりで大捜索が始まった!
 【透明ポーラーベア】動物園で会ったのはシロクマ好きで行方不明になってしまった姉の、元恋人だった。
 【イヌゲンソーゴ】花咲か爺さん、ブレーメンの音楽隊……俺たちの記憶を刺激するあの男は誰だ?
  【Weather】友人・清水の結婚式に参加した大友は新婦からある相談を持ち掛けられていて――。


                 (PHP研究所HPより)



どの話もよかった。
一番、楽しかったのは<イヌゲンソーゴ>かな?
犬たちが、共通して恨みを抱く男性をいざ、退治!と向かうまでの話。
犬たちの会話が可笑しい。
こんなふうに会話しているのを想像するだけで楽しい。

会話をしていくと最後は、皆が知っている昔話のオチ。


どうしてこんな話を思いつくんだろ?と思っていたら・・・最後に
それぞれの短編を書くことになった経緯があって、<イヌゲンソーゴ>は
「犬についてのアンソロジー」の企画で書いたものだとか。
著者名が犬に変えられる作家を集めて
大崎梢は犬埼梢、木下半太は木下半犬、横関大は横関犬
一番笑えるのは貫井徳郎は・・・貫井ドック郎って・・・・
犬に変えられないからって・・・('◇')


5つ目の話<weather>はふつうに感動する話だった。

表紙も5つの話が表されていてたのしい。


次は長編を読みたいな。




                       ★★★





発行年月:2023年9月



【第30回島清恋愛文学賞受賞作】
「約束して。私のことは跡形もなく忘れる、と。」
久島は、情報も欲望もそつなく処理する「血も涙もない的確な現代人」として日常を生きている。
だが、学生時代に手紙を交わしつづけた望未だけが、人生唯一の愛として、いまだ心を離れない。
望未は手紙の始まりで必ず「最愛の」と呼びかけながらも、常に「私のことは忘れて」と願い、何度も久島の前から姿を消そうとした。
今その願いを叶えるべく、久島は自分のためだけの文章を書き始める――。
愛する人が誰よりも遠い存在になったとき、あらたに言葉が生まれ、もうひとつの物語が始まる。
「永遠の恋人」を描いてきた著者が最高純度で贈る、超越的恋愛小説!


                   (集英社HPより)



主人公の久島は38歳で外資系の通信機器メーカー勤務、独身。

職場のあるビルの共用スペースで知り合った画家の坂城と親しくなり
会話のなかで、自身が中学時代~大学卒業間際まで文通してうた望未に
ついて話す。
そこで、久島と望未が知り合って親しくなっていった様子がよくわかった。
青春時代の二人は微笑ましい。
けれど、望未が事故に遇い、その後は転校してしまい以後、会うことはなく
文通のみの付き合いに。
久島が会いたいと何度も手紙に書くが望未の返事は「NO」
「わたしから文通をやめることはしない・・・・
守ってほしい約束はちゃんと私のことを忘れること」という望未。

手紙の始まりは「最愛の」


久島は社長のお供でいった店で源氏名<ラプンツェル>と知り合う。
lineを交換し以後、やりとり。
彼女は大学院生で高層マンションに住んでいる。
家賃と学費は70歳くらいの男性が支払い、その男性に
誰とも性的関係を持たない間はそのまま援助を続けると約束しているという。
その男性・黒石氏がラプンツェルを通じて久島に会いたいと言われ会う。
自分の命は長くない。マンションはそのまま受け渡すつもりだと。


大学時代、「友達が誰もいなくなったから友達になってくれ」と言って来た
向井。
その向井と入った喫茶店で望未らしい人を見かける。
向井が話をつけてくれて再会。
バイトしている喫茶店そばの大学に通っているという。
事故の後遺症はなかったんだなと安心する久島。
そして、再び文通が再開するが・・・・。

向井が亡くなったときは、軽くショックだった。


大人になった久島が本当に想い続けていたのは、望未だったんだな。
親しくなった女性と結構、簡単に関係を持ち、その相手が離れていこうと
してもとくに何も感じず流れのまま受け入れて。
既婚女性とも関係を持ったり、彼氏のいる女性とも同様。


本当の望未とは会わないまま。

たぶん、ずっと久島にとっても、望未にとっても、お互いが最愛の人
なんだろう。
会えないのにこんなに想い続けられる相手がいるって幸せ?不幸せ?
どっちだろう・・・。

望未として久島の前に現れた妹も、二人に囚われてしまうのか?

ハッピーエンドでない恋愛小説は、切ない。
でも、おもしろかった。




                     ★★★★★

カレンダー
12 2026/01 02
S M T W T F S
1 2 3
4 5 7 10
11 12 14 15
19 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]