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読んだ本の感想あれこれ。
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41OCPcrMiDL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年5月


飛びこみ出産の身元不明の妊婦が急死。
それにかかわった「聖職者」たちは、
小さな嘘を重ねるうちに、人生が狂っていく……。
妊婦は誰なのか? 新生児は誰の子か?
傑作医療ミステリ。


                      (幻冬舎HPより)



面白かった!
医療現場を知ってる人なら、このリアル感には引き込まれるかも。

善良でプロ意識の強い、外科医の司馬健吾は、飛び込みの妊婦の帝王切開術を行う。
が・・・妊婦は原因がよくわからないまま血圧低下、意識レベル低下の後、術中に死亡。
新生児は未熟児だったが無事に保育器にて治療され、やがて退院を迎える。

この最初の場面だけで、実際の現場の様子がリアルに浮かんで、自分がそこに居るかのようなハラハラとした緊迫感に襲われました。

司馬医師は、超過勤務続きで疲れていた自身のコンデションから、もしかしたら何かミスを犯したのか?と疑心暗鬼になり、医師としてやってはならない検査デ-タ-などを隠匿してしまう。
この心理は、すごくよくわかる!
こういう状況だったら・・・・・誰もが同じ行動に出てしまうかも。


そして、ほかの登場人物たち。
病院長の大久保、
学校教育では知られる日向夫妻(敏夫・圭子)、
司馬の手術に立ち会った看護師長の春日井と
司馬の恋人でもある看護師の平井瑤子、

司馬を含めた6人の人物たちが、この妊婦死亡の事態に大きく関わっていく。
死亡した妊婦・有馬三恵の人物像も亡くなった後で、段々にわかる。

6人がそれぞれに嘘をつく。
自分にとって大切なものを守りたいために。

しかし、そのことが、自分以外の者を辛い状況に陥れていく。

6人がつく嘘には、ちゃんとした理由があり、それぞれ自分が同じ立場だったら、もしかしたら同様のことをしてしまうかも?と思ってしまうようなこと。
それが怖い。


病院経営の実態、夜間当直の医師や看護師の過酷な労働状況など医療現場の緊迫した問題点などにも触れていてノンフィクションの要素もちょっと感じた。

読後感はすっきりとは言えないけれど、リアリティさはあったかも。

そして、表紙が凝っている!!
広げると白鳥が6羽!
くら~い水辺のなかを漂っているこのかんじは物語の内容そのものだと思う!


初読みの作家さんだけど、なかなか良かった!
違う作品も読んでみたい!


★★★★
 
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