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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2021年5月


愛ゆえに、人は。
『流浪の月』『滅びの前のシャングリラ』本屋大賞受賞&二年連続ノミネートの著者が描く、家族の物語。
すみれ荘のその後を描く「表面張力」を収録した完全版。
下宿すみれ荘の管理人を務める一悟は、気心知れた入居者たちと慎ましやかな日々を送っていた。そこに、芥と名乗る小説家の男が引っ越してくる。彼は幼いころに生き別れた弟のようだが、なぜか正体を明かさない。真っ直ぐで言葉を飾らない芥と時を過ごすうち、周囲の人々の秘密と思わぬ一面が露わになっていく。
愛は毒か、それとも救いか。本屋大賞受賞作家が紡ぐ家族の物語。

                    (講談社(文庫)HPより)



面白かった。
内容は結構、重めだったりするけれど、主人公の和久井一悟(33歳)の
人柄が、ことを大げさにしない姿勢が物語をいい意味で緩くしている。


和久井一悟は、妻を事故で亡くし、当時2歳だった娘は妻の両親が育てることに。
一悟は幼い時から病弱で、社会人の経験なし。
母親が営む下宿屋「すみれ荘」の大家を引き継ぎ、下宿人たちと暮らしていた。

そこに作家の芥一二三も加わることになり、それぞれの下宿人
・玉城美寿々(26歳)・・・子ども用品を扱う店に勤務。PMSで苦しむ
・上郷青子(36歳)・・・フラワーショップ店長、10代の頃から下宿。
・平光隼人(27歳)・・・TVの番組制作会社勤務


一見、和気あいあいとした人間関係のなかに、胸に秘めた闇を明かしていくので
「え?うそ?」と次第にザワザワした気持ちになっていく。


特に青子の告白は、ビックリ!!
本人も悪いことをしている自覚があるのに、やめられないというのが怖い。

でも、それを知った一悟の行動は、最初は、なんで?赦すの?とビックリだったが
よくよく考えたら、一悟の考え方も理解できるものであるし
まあ、それもいいのかな?と思えた。


すみれ荘のその後の話「表面張力」もよかった。
一悟と芥の関係は、ますます深まりそう。
別れて住んでいた娘の一咲ちゃんとも同じように関係を深めていけたら
いいなと思える終わり方にホッとした。


愛し方を間違えた人たち(犯罪だよ、それは!!)の物語。


                     ★★★★
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