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読んだ本の感想あれこれ。
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1147f923.jpg発行年月:2009年9月


父は、昔からよく知っていたようにも、全く見知らぬ人のようにも感じられた。

「今、見ているものとか、ここにあるもの全部。お父さん。桐子。全部、かけらだ」-----二人で参加することになった日帰りさくらんぼ狩りツア-。そこで桐子が眼にしたのは父の意外な顔だった・・・。
川端康成文学賞を最年少で受賞した「かけら」ほか二篇。
人と人とのあいだの微妙な関係を瑞々しいタッチで描いく珠玉の短篇集。

                                     
(新潮社HPより)

「かけら」「欅の部屋」「山猫」の3つの物語。

「かけら」は、ひょんな事から父親と二人だけでさくらんぼツア-に参加する大学生の桐子。
今は、実家から離れて暮らしているが、父親とツア-に参加しながらの父と娘の関わり方が絶妙な描写で、桐子の思うことに「ああ、わかるわかるその感じ・・」なんて始終思いながら読みました。

目で見えるものでなく、人の心の中の思い、父を見て思う娘の気持ち・・・上手い!表現の仕方が!
こんな風に表現出来るのは、スゴイ!

この作家さんは初めてですが、最所のこの「かけら」を読んでファンになりました。
他愛もないことをこんな描写で書けるってなんかいいな。好きだなぁ~。こういう話。

他の話
「欅の部屋は結婚を控えた男性の語り。
暫く前に別れた小麦とのことを、思い出す主人公。
別に未練があるとかじゃないのに、不思議と頭に浮かんでくる。

ソバに居すぎたからじゃないか?・・・・なんて思ったりもしたけど。


最後の話「山猫」これもなかなか面白い設定でした。
若い夫婦が、妻の親類の女の子が東京の大学を幾つか下見したいからと西表島から上京し、夫婦の空いている部屋に少しの間、同居するという話。
女の子と妻、女の子と夫、妻と夫。
いろいろな会話から、若い夫婦それぞれの考え方みたいな物が覗いて面白かった。


ささ~っと読み終えたけど、結構、響くものがあって、不思議な読後感。
この方の文章の書き方が好き!

他の作品も読みたくなった。

結構、好みの作家さんをまた新たに見つけた感じで嬉しい(^^)

プロフィ-ルを見たら、1983年生まれ?
最年少で川端康成賞受賞とあったので、「え?何歳?」と思ったのですが、まだ20代なんですね。
結構、落ち着いた雰囲気の文章なので、30代後半~の方かと思っていました^^;

まだまだ、長くいろいろ書いてくれそうで、楽しみです。


★★★★

 
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