発行年月:2016年5月
このことは、あたしたちだけの秘密よ 朝倉かすみが挑む少女×ふしぎの物語
このことは、あたしたちだけの秘密よ朝倉かすみが挑む少女×ふしぎの物語小学校の帰り道、きらきら光る乳 このことは、あたしたちだけの秘密よ
朝倉かすみが挑む 少女×ふしぎの物語
小学校の帰り道、きらきら光る乳歯のようなものを拾った東城リリア。同級生の清香と沙羅も、似たような欠片を拾ったという。ふしぎな光を放つこれはきっと、あたしたちに特殊な能力を授けてくれるものなのだ。敵と闘って世界を救うヒロイン。あたしたちは、選ばれた――。でも、魔法少女だって、死ぬのはいやだ。(「あたしたちは無敵」)
少女たちの日常にふと覘く「ふしぎ」な落とし穴。表題作のほか、雑誌『Mei(冥)』、WEBダ・ヴィンチに掲載されたものに書き下ろしを加えた全5編を収録。
◆収録作品「留守番」「カワラケ」「あたしたちは無敵」「おもいで」「へっちゃらイーナちゃん」
(角川書店HPより)
表題通り、少女たちの奇妙な物語。
<留守番>
本当の父親は亡くなり、新しい父親と妹と4人で暮らしている卯月(ウーチカ)。
本当の父親はウーチカと呼んでくれたけど新しい父親はウーチャンとしか
呼んでくれない。
妹と留守番しているとき、テレビの裏の三角形の隙間でそいつを見つけた。
<カラワケ>
藍玉(らんぎょく)はアクアマリンの意味。
10日前から顔の皮膚がカラワケになり「おほーばの家」で暮らす。
独りきり、そこで過ごす決まり。
一族の女性は皆、それを体験する。
<あたしたちは無敵>
リリアはある日、建て替え中の家の工事場所で土のなかでつやつや輝くものを
拾う。
偶然、同じものを同じ場所で拾った朝比奈さんと関口さん。
3人は定期的に集まり会議を開く。
その輝くものを飲み込む3人にそれぞれ能力が備わる。
<おもいで>
いとこの結婚披露宴に両親と出席する日の花梨。
ボンボン時計の音を聞き、気づくと17歳の高校生、その次は22歳、28歳。
そして再び小学5年生の自分に戻ったはずだけど・・・・
<へっちゃらイーナちゃん>
わたしは7歳、姉は11歳のとき、家族で摩周湖見物。
晴れて青い摩周湖が綺麗に見えた。
お父さんは突然、機嫌が悪くなるので、言動に気をつけないと。
その翌年、母が病死。
姉が母親の代わりに。
自分だけ何も知らない次女の役目のまま。
最後の話だけ、なんだかムカムカ。
この姉妹の父親に嫌悪感を抱いて・・・。
ほかの話は、それぞれ面白かった。
表題の<あたしたちは無敵>。
こういう友達とのやり取り誰でもしたことあるんじゃないかなぁ~?
少女たちの気持ちを上手く物語のなかで表している話ばかり。
表紙の絵も雰囲気合っていていいです!
★★★★
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