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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2012年8月

「不死身の男」と「トラの嫁」。二つの謎めいた物語が、祖父の人生を浮き彫りにする。

自分は死なないと嘯き、賭けを挑む男。爆撃された動物園から逃げ出したトラと心を通わせた少女。紛争地帯で奮闘する若き女医は、二つの物語から亡き祖父の人生を辿っていく。戦争に打ちひしがれた人々の思いを綴る確かな筆致と、鮮やかな幻想性。弱冠25歳でオレンジ賞を受賞したセルビア系作家による、驚異のデビュー長篇。

                   (新潮社HPより)



この表紙の絵に先ずは興味を覚えました。
動物のなかではトラが結構、好きなので。


物語は、女医のナタリアが同じく医師だった祖父の死の知らせを受け、祖父の
生前の語ってくれた物語を思い出しながら、祖父が育ったガリーナ村へと向かう。


祖父が語った「不死身の男」と「トラの嫁」の話。
やはり「トラの嫁」の方が印象的だったなぁ~。

そのトラの嫁と祖父はまだ10歳くらいの時に、大きく関わっていくことになる。
目が見えず、言葉も話せない「トラの嫁」。
トラの嫁と呼ばれる過程の物語が少し残酷な部分もある昔話的なかんじ。

物語の舞台は、はっきり何処と記されていないけれど、著者の経歴や、
隣国との紛争が起きているなどのことから、バルカン半島の旧ユーゴスラビアの
何処かかな?と想像できる。
そんな状況下を考えて、そんななかでの人々の暮らしを考えると何とも重たい気持ちにも
なる物語だった。
著者自身も紛争を逃れてユーゴスラビアからエジプトに渡り、その後、アメリカに移住。
著者の経験が活かされた物語でもあるんでしょうね。


祖父の生き様は凄まじい。
孫のナタリアもその血を受け継いで逞しく僻地での子どもたちの命を救う慈善活動を
していて、尊敬する。

物語を読み終えて最初の祖父が、まだ幼いナタリアを動物園に連れて行って
トラを眺めて会話する場面を読みたくなり、繰り返して読んだ。

25歳でデビューした著者の作品と言う通り、表紙裏の著者の顔写真は
可愛らしい。
こんな凄い文章を書いた人には見えない。


次の作品はまだ書かないのかなぁ~?
日本語訳されたら、ぜひ、次の作品も読んでみたい!


                           ★★★★★

 
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