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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2018年10月


人が死ぬ瞬間に生み出す珠、「ぎょらん」。それを噛み潰すと、死者の最期の願いが見えるという――。十数年前の雑誌に一度だけ載った幻の漫画、『ぎょらん』。そして、ある地方の葬儀会社で交錯する「ぎょらん」を知る者たちの生。果たしてそれは実在するのか? R-18文学賞大賞受賞の新鋭が描く、妖しくも切ない連作奇譚。

                   (新潮社HPより)




都市伝説みたいな話?と思いつつ読んだ。

「ぎょらん」と呼ばれるものは、結局は、なんだったのかよくわからないまま。
でも死者が遺したかった思いが何らかのかたちで
遺したかった人の元に届くのは、いいな。と思えた。


亡くなった人に近い人が、亡くなった人が生前、抱えていた思いに気づくって
大事なこと。


最初の話に出てきた、ニートの青年・御舟が、その後、葬儀社で働き始め
段々と成長していく姿が良かった。

最初の話で出てきた彼とはくらべものにならないくらい社会に適合してきて
良い感じの青年になったけれど、彼は、本来、こういう人だったんだろう。


表紙はちょっと気持ち悪いけど、良い話だった!



                     ★★★★
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発行年月:2020年4月

自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、
母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、
裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。

                 (中央公論新社HPより)




凄い子ども時代を過ごして来たキコとイトシ。


キコには親身にあってくれる親友・美晴がいたのが救いだった。
美晴の恋人・匠と共に、キコを家族の呪縛から離したことが、大きかった。


美晴の勤める学習塾講師の岡田安吾(アンさん)と出会えたこともキコには
大きな安心をもたらしたけれど、ゆくゆくそれが不幸なことになって
しまって辛かった。


キコに恋人・主税の存在が出来たことを喜ばなかった理由が最初は
単なる嫉妬?と思ったけれど、そうじゃなかった。
本当のことを伝えてくれていたら、悲劇は起きなかったかもしれないのに・・・・。



辛いことの連続のキコの人生を変えたのが、同じような環境で、苦しんでいた
少年との出会いというのが運命。
出会うべきして出会った二人。


お互いの存在がお互いの生きる希望になっていくのは、嬉しい。


これからは二人で暮らせる未来を思いながら、お互いがちゃんと生きて
いけそうで良かった。




52ヘルツのクジラの存在は、知らなかったけれど、哀しい生き物だな・・・・。
でも、いつか仲間と出会える日がくると信じて生きているんだろうな。


初めて読む作家さんかも?

違うのも読んでみたいと思った!




                      ★★★★★


発行年月:2020年5月

縄紋時代、女は神であり、男たちは種馬、奴隷でした。〈br〉 〈br〉 フリーの校正者・興梠に届いた自費出版の原稿。それは “ 縄「紋」時代 " に関する記述から始まる不可思議なものだった。読み進めていくうち、貝塚で発見された男女の遺体など、現在にも繋がる共通点が幾つも現れて.....。この著者の正体は誰なのか、「縄紋黙示録」に隠されているメッセージとは。やがて興梠たちの身辺でも異変が起こり始めーー。多くの文豪たちが暮らし、今も有名学区が犇めく東京・文京区を舞台に、過去と現代、そして未来が絡み合う驚天動地の大長編。これは小説か予言なのか。〈br〉 世界まるごと大どんでん返し!

                 (幻冬舎HPより)


表題みたとき・・・「?縄文じゃなくて?」と
興梠と同じことを思った。
なるほど・・・ウンチクが勉強になりました。


興梠のもとに居候として登場の一場直樹と、怪しいけれどのめり込むことになる
「縄紋黙示録」。

二人は良いコンビだなぁ~と思っていたら・・・・



途中までは、イヤミス感があまりなく、単なる古代の歴史が絡んだミステリー?と
読んでいたけど、だんだん、本来の真梨さんのかんじになってきた。

でも、やっぱり、イヤミスは、女性同士の複雑な感情を絡めた話の方が
盛り上がるかなぁ~(^^ゞ



縄文時代・・・たしかに学校の教科書では、あまり詳しく学んだ記憶なし。
一万ナン千年も続いたのぉ~?とそこが一番、驚いた!


しかし、昔の祭事の儀式とか、恐ろしいのが多いな~( ノД`)


ぶっ飛んだ話だったけど、面白かった。

巻末の膨大な参考資料に、またまたびっくり!


この本の校閲、大変だっただろうね・・・・



                          ★★★


発行年月:2019年10月

夫も食べてもらえると喜ぶと思うんで――
死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、
村田沙耶香自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12編。
文学史上、最も危険な短編集!

                     (河出書房新社HPより)


表題作が最初。
凄い話だな・・・・怖(>_<)

亡くなった人を皆で食べる生命式。
主人公・真保は、その儀式に抵抗感を抱いている。
が、親しかった男友達が事故死してその、母親と妹から準備を手伝って
欲しいと言われ承諾し準備から生命式まで一連の儀式に参加する話。


準備はムリ~!!
想像しただけで鳥肌な物語。

正に世にも奇妙な話だな。


津語の<素敵な素材>もなかなでした。
最初の話ほどの強烈さはないけど、人毛の服、骨の指輪、歯のピアス
皮膚のベール。


婚約者にはそんな人の素材のものを身に着けてほしくないナオキ。
結婚したらいっさい、その類のものは自分の目に触れないように
してほしいと約束させる。

婚約者のナナは、それを不服に思いながらも約束。
そして、ナオキの母親に会いにいき、ナオキの父親が亡くなったあと
本人の希望で作ったベールを結婚式で使って欲しいと。
ナオキが反対するかと思ったら、それには嫌悪感を示さないナオキ。


<素晴らしい食卓>は、ちょっと笑えた。
食の好みが全く合わないと一緒に暮らすのは大変だろうな・・・。


ほかの作品もそれぞれ、変わっている人たちの話で面白かった。



最後の<孵化>は、結構、好きだった。
小学生の頃は、しっかり者の「委員長」
高校では天然の「アホカ」
大学では皆に可愛がられ「姫」
バイト先ではちょっと男の子っぽい「ハルオ」
就職してからはミステリアスな一匹狼「ミステリアスタカハシ」


婚約者とは、高校時代の友人の紹介なので「アホカ」のキャラで通していたが
結婚を前に自分のすべてのキャラを見せる。


結果、オーライで良かったのかな?(^^ゞ



いつも不思議な感性を著者には感じる。
読んでいて感動するとか、心地いいとか、全くないのに、なんだかまた読みたくなる。



                          ★★★



発行年月:2019年11月

わたしが人殺しになったのは、この街のせい――。

人格者と評判も高かった夫婦が、身体中を切り刻まれコンクリート詰めされて埋められた。
血を分けた娘と、その恋人によって……。その残虐性から世間を激震させた『文京区両親強盗殺人事件』から18年後。
事件をモチーフにした小説が週刊誌で連載されることになる。そこで明らかになる衝撃の真実とは!?

真梨ワールド炸裂! 極上のイヤミス長篇。
あなたは騙される快感を知る。

                 (徳間書店HPより)



凄惨な事件を小説として掲載する企画。

編集者の橋本(36歳)は、小説家・イイダチヨ(仮名)と共に、事件の関係者の
取材を進めていく。


事件の犯人は大渕秀幸(事件当時21歳)とその恋人・青田彩也子(当時18歳)。
大渕は死刑。彩也子は無期懲役。


取材相手は
市川聖子・・・元轟出版の代理編集長で今はフリーライター。
大渕を可愛がっていた。

オカダカオリ・・・青田彩也子の隣人で幼馴染。O大学准教授。

大渕礼子・・・・死刑囚大渕と法廷画家として会い、何度か面会し結婚。
大渕の再審裁判を開くため奔走。


途中、イイダチヨ=青田彩也子と読んでいる側も思わされてしまう
やり方は、巧い!
最後は気の毒過ぎるけど・・・(;O;)


最後に明かされる本当の黒幕は・・・・この物語のなかでは
ふつうの人物だった。
その人が、元の事件に関係があったとは・・・気づかないよ~


相変わらず、嫌な話だけれど、面白かった。



                      ★★★
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