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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2022年2月


使えないやつは、生きてちゃダメですか?
書店に勤めていた妹が、ビルから飛び降りた。相談したいことがあるとメールをしてきたその日に。結婚と同時に上京し平穏に暮らしていた姉・梢子は、妹に何があったのかを探るため、地元に戻り同僚たちに会いに行く。妹を追い詰めたものは何なのか? 母の過剰な期待と父の無関心、同僚からぶつけられた心ない言葉、思うようにいかない恋愛……。妹の過去を辿ることは、梢子自身の傷に向き合うことでもあって――。

                  (角川書店HPより)



あずさ(25歳)がビルの屋上から落ちるところから始まる。

あずさの姉・梢子(28歳)は、メールで妹から「相談がある、電話していい?」
と言われていたのに忙しいを理由に断ってしまっていた。
妹がなぜ、ビルから転落したのか?
自殺?事故?事件?
その真相を探るため、妹と接点のある人たちに話を聞き始める。



表題から、マイナスのイメージを持って読んでいた。

姉妹の両親、特に母親は、自分の考えを押し付けて子どもを追い詰める人の
印象。
そんな母親や家族からの厄介ごとから逃げている父親。

梢子は、結婚するとき、やっとこの家から解放されると思った。
母親や妹と接することも極力避けてきた。


姉妹の関係や母親とのことが、姉妹が生まれるときからのことでわかってくると
息が詰まるようなかんじがした。
母親の「わたしはふつうじゃない」という言葉も気になった。
母親なりに子どもたちのことを考えていたようだけど、このやり方は
間違っていたと思う。

けれど、妹は、少しずつ、人間関係を広げて考え方も前向きになっていた
ことがわかり、ホッとした。

ビルから落ちた理由もわかり、自殺じゃなかったことにホッとした。

この先、家族は新たな関係を築いていけるといいな。


タイトルは、良い意味だったんだなと理解した。


初めて読む作家さんだけど、ほかの作品も読んでみようかな?



                        ★★★
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発行年月:2021年8月

 二子玉川グレース病院で看護師として働く堤素野子は、31歳になり今後のキャリアについても悩みながら忙しい日々を過ごしていた。患者に感謝されるより罵られることの方が多い職場で、休日も気が休まらない過酷なシフトをこなすが、整形外科医である恋人・翔平と束の間の時間を分かち合うことでどうにかやり過ごしていた。
 あるとき素野子は休憩室のPCで、看護師と思われる「天使ダカラ」という名のツイッターアカウントを見つける。そこにはプロとして決して口にしてはならないはずの、看護師たちの本音が赤裸々に投稿されていて……。心身ともに追い詰められていく看護師たちが、行き着いた果ての景色とは。
 映画「いのちの停車場」やNHK連続ドラマ「ディア・ペイシェント」など、数々の話題作を送り出してきた、現役医師でもある著者の最新作!終末期の患者が多く入院する病棟で働く女性看護師の目を通して、医療現場の現実や限界をリアルに描いたエンタメ長編!
 患者さんに、最期まで笑顔でいてほしいから--

                    (小学館HPより)



卒業して最初の職場は総合病院で3交代勤務をしていた。
まさに、ここに書かれている通りのことを4年間続けて、一緒に働く人たちには
申し訳ないけれど、こんな労働していたら、壊れると感じて転職した。

感謝されることもあって、その時は嬉しいけれど、そうじゃないことの
方が断然、多い職場。


主人公・素野子(31歳)は、良い看護師だと思う。
でも、あまりにも理不尽なクレームが続けば精神的にかなり追い詰められる
のは当然。
人間だから、感情のコントロールが難しいときも出てくる。
読んでいると、辛くなる。


恋人の翔平との別れもダメージ大。
優しくて素野子のよき理解者だと思っていたのに、がっかり。


新人看護助手の小山田貴士(29歳)は、いい助手になりそうで
素野子のよき理解者にもなっていて、唯一の希望かな?



                        ★★★




発行年月:2020年5月


この国から「おじさん」が消える――会社に追いつめられ、無職になった30代の敬子。男社会の闇を味わうも、心は裏腹に男が演出する女性アイドルにはまっていく。新米ママ、同性愛者、会社員、多くの人が魂をすり減らす中、敬子は思いがけずこの国の“地獄”を変える“賭け”に挑むことにーー女性アイドルに恋する三十女の熱情が、日本の絶望を粉砕!著者初長篇にして最強レジスタンス小説。和田彩花(アイドル)感激 小さな叫びでこの世界のバランスは整えられる! 私は勇気をもらった。幾原邦彦(アニメーション監督)仰天 その革命が見える者は勇気を得られ、見えぬふりを生きる者は吐き気を催すだろう。あなたはどっちだ?

                      (中央公論新社HPより)



おじさんがこの世から消える(見えなくなる)世界の話から始まる。

見えなくなるのはいいけど、見られているのに気づかないのも嫌だなと
個人的には思った。


職場である男性から、嫌がらせを受ける敬子。
人事課に訴えたが取り合ってもらえず、同じ職場の非正規職員・歩に話すと
「わたしが倒す」と。

実際、その男性は会社を辞めることに。
女たちの敵が女たちの結束によって、退治させられた様は痛快であった!


けれど、事態は深刻に。

国が縮小国に選ばれてしまって政府は、女性が子どもを産み難い国へと
色々な政策を企てる。
そして実際、国が畳まれてしまうという。


物語としては、なかなか面白かったけど、実際は、こうならないことを祈る。



                     ★★★


発行年月:2021年6月


真梨幸子が放つネコミス登場!
人を魅了してやまない猫たちに惑わされた愚かな人間の行く末、そして猫たちのその後--。
第一話 まりも日記
第二話 行旅死亡人~ラストインタビュー~
第三話 モーニング・ルーティン
第四話 ある作家の備忘録
第五話 赤坂に死す
最終話
小説現代、メフィストに掲載された短編に書下ろしを加え、大幅改稿した著者懇親の猫×イヤミスの傑作登場!

                  (講談社HPより)


表紙の絵はいつもの真梨さんの本とは違い、ほのぼのしていて良い!
いつも怖いから、苦手(^^ゞ


でも、内容は・・・期待を裏切らない嫌な話。
どの話にも猫ちゃん登場。
まりもちゃん。モナミちゃんたちは冷静な目で人間たちを観察している。
辛辣な評価を下しながら・・・。


短編集だけれど、リンクしている。
嫌なことが連鎖されていく・・・・ひゃ~!

後味はやっぱり悪いけど、これは期待通り。
真梨さんだから。


でも、今回は猫ちゃんの会話が入ったりするので、楽しかった。



                     ★★★


発行年月:2021年1月


ラスト10ページ、戦慄のどんでん返し!
作家の私のもとに、死んだはずの担当編集者から不思議なメールが届いた。
意識不明の時に三人の女が“お迎え”に来たというもので、一人目と二人目は亡くなった親族、三人目は誰だか分からないという。
その後、「とんでもない正体が分かった」「三人目の女が、先生のところに現れませんように」という言葉を残して連絡は途切れ……。
三人目の女とは誰なのか? 連続する不審死は、その女が関わっているのか?
とてつもない絶望と衝撃に襲われるラストまでページを捲る手が止まらない、精緻にして大胆な長編ミステリ!

                   (角川書店HPより)




これはホラーなのか???と途中まで読んでいたけれど、違った。

作家のわたしの元に来た担当編集者・尾上まひるからのメール。
自分が以前、住んでいた、マンションMの401号室に住んでいたという共通点。
そしてそのマンションで体験した不可解なこと。


そして、尾上はそのマンションでの転落事故後、亡くなったと聞く、わたし。
でも、尾上から届くメール。



作家のわたしを勝手に女性だと思って読んでいた。
そう思わせられるのは作者の罠かな?


でも不可解なことは、ある人物の意図的なものだったとわかり、ある意味
ゾゾ~ッと背中が寒くなった。

人の不思議な縁が作り出した嫌な話。


一気読みさせるのは、さすがだけれど、相変わらず、嫌な話だったなぁ~(^^ゞ


                       ★★★
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