心から一歩も外に出ないものごとは、この世界にはない。心から外に出ないものごとは、そこに別の世界を作り上げていく。

「1Q84」の世界に、もし愛があるなら、それは完璧な愛かもしれない----。刊行以来、日本で、世界で、空前の話題を呼んでやまない長編小説。〈毎日出版文化賞受賞〉
(新潮社HPより)
BOOK1に続いて、持続する面白さ。
1984年ではない1Q84年の世界。
スポ-ツクラブのインストラクタ-であり、殺し屋の青豆と
予備校で数学を教えながら作家活動も続ける天吾の話が交互に語られるかたちはそのままに物語は平行に進む。
けれど。。。後半、二人に接点があったことがわかる。
小学生の頃、ある一時期だけ一緒だった二人がその後は別々に成長しながらもいつも大切な存在として忘れることがなかった。
そして、1Q84の世界で、お互いを求める。
まだ二人は再会していないけど、青豆は天吾を見つけた!
見つけたけれど、声をかけず・・・
ラスト、児童公園で月を見上げる天吾を見つけた青豆が、そばにいこうか迷いつつ結局は静かにその場を去る場面の描写が良かったなぁ~。
ある大物を始末した青豆は、どうなる?
ノンフィッションを書いたと思った「空気さなぎ」を現実のものと理解した天吾はどうなる?
二人は出会うのか?
気になることが増して、それを早く知りたい!!
本当に面白い小説だ!!
村上春樹って、凄いなぁ~
「こうであったかもしれない」過去が、その暗い鏡に浮かび上がらせるのは、「そうではなかったかもしれない」現在の姿だ。

「1Q84」の世界に、もし愛があるなら、それは完璧な愛かもしれない----。刊行以来、日本で、世界で、空前の話題を呼んでやまない長編小説。〈毎日出版文化賞受賞〉
(新潮社HPより)
今更ですが・・・話題になった本なので、読んでみました。
先に読んだ旦那が「面白いよ」と言ったので、期待しながら・・・・
読むまで全くどんな話なのか知らずでしたが、それが良かった。
おぉ~こういう話なんだぁ~!と変な感動があった。
以下ネタばれありなので、これから読む人は、ここで止めた方が良いかも。。。
物語は、二人の話が交互に進む。
一つの話の主人公は、青豆という30歳の女性。
本職はあるのだけど・・・・・殺し屋。
自然死にみせかけた完璧な殺しを見事にこなす。
そして、もう一つの話の主人公は、天吾という29歳の男性。
作家志望であり、予備校で数学の講師として勤務している。
この二人の話が1章ごとに語られ、終盤あたりで、なんとなく共通するものが出てきた。
・宗教法人「さきがけ」
・リトルピ-プル
以前、村上氏は、オウム真理教が起した地下鉄サリン事件を扱った、「アンダ-グラウンド」を書いていたけど、この物語に出てくる宗教法人「さきがけ」は、その教団を意識させるものがある。
BOOK2で、この続きがどうなるのか?
とても気になる。
早く読みたい!!
兎に角、先をどんどん読みたくなる物語。
売れている理由がわかった!
★★★★★
喪失、絶望、再生----もう一人の“私”が紡いでゆく、滑稽で哀しくて、少しだけ切ない九つの物語。『失われた町』『刻まれない明日』に連なる“町”を、気鋭の写真家との奇跡的なコラボレーションで描く連作短編集。午前4時8分で時間が止まり、住民たちは年もとらず永遠に眠り続ける町が舞台の「四時八分」など、喪失感溢れる不条理な三崎ワールド、全開!
(朝日新聞出版HPより)不思議な町を扱った、お話9つ。
どれも面白かった。
非現実的な世界だけど、写真が添えられていることで、リアルな世界が頭のなかに浮かぶという不思議な楽しさがありました。
表題作の「海に沈んだ町」は、切ないかんじ。
次の「団地船」も同じような、なんともいえない哀愁があったなぁ~。
7番目に登場の「橋」は、そこに住む住人の気持ちで読むと、ゾッとした。
ある日、突然、町にある橋を別の物に架けかえると言う話。
市役所から委託されて1件ずつその主旨を説明に廻る女性の言葉は、なにもかもが納得出来ないものですが、納得出来ないと言い返すと、また信じられない言葉が返って来て・・・・・
そして写真の橋には絶句でした!!
ヤダ、こんな橋を渡らないと他に行けないなんて~!と思ってしまった(笑)
読み手によって捕え方はいろいろでしょうけど、こういう類の話は好き。
三崎さんの物語は、いつも不思議。
でもそこがたまらない魅力。
発行年月:2009年7月
いつか忘れなくてはいけない大切な人。
あの感動から3年-------
“失われた時”が息づく街を舞台に描く待望の長編
存在しないはずの図書館から借りられる本
ラジオ局に届く失われた人々からのはがき
響き渡る今はもう無い鐘の音
席を空けて待ち続けているレストラン
「開発保留地区」行の幻のバス
「開発保留地区」------それは10年前、3095人の人間が消え去った場所。街は今でも彼らがいるかのように日々を営んでいる。
(祥伝社HPより)
「失われた町」の続編のような・・・・でも内容はすっかり忘れている^^;
何故、どういう経緯でこの物語でいう「開発保留地区」の人々だけが消えてしまったのか?
ちょっと解らない部分多いのですが・・・・
けれどこの作品だけでも十分、楽しめました。
消えた人々には、家族や知り合いが居て、今も消えた人達を忘れられずに生きている。
時にふと感じる気配。
消えてしまっても存在しているのだ!と信じたい気持ちがあるはずもない気配まで生み出すのか?
未だ居なくなった者たちを忘れられず、その者が居ない世界で前を向いて進もうとしなかった人々だが、少しずつ、それぞれが接触し、お互いの傷を癒していく。
物語は連作方式でいろいろな登場人物が入れ替わりで登場。
最初の話で出てくる「歩く人」も最後で再び登場し・・・読みながらバラバラの個人が互いに結びつきを持っていく様子に希望の光をみるようで嬉しかった。
記憶が薄れている前作の「失われた町」をもう1度、読んでみたくなった。
★★★
恋人と大喧嘩の果て、薬の過剰摂取(オ-バ-ド-ズ)で精神病院の閉鎖病棟に担ぎ込まれた明日香。そこで拒食・過食・虚言・自傷など、事情を抱えた患者やナ-スと出会う。普通と特別、正常と異常・・・境界線をさ迷う明日香がたどり着いた場所はどこか?悲しくて笑うしかない、絶望から再生への14日間を描いた、第134回芥川賞候補作
(文芸春秋HPより)
先に読んだ長女に薦められて読みました。
とても薄い本です。
でもなかなか深い内容でした。
目を覚ましたら、四肢を拘束された状態でベッドに寝かされ・・・・ここはどこ?と思ったら、精神病院の閉鎖病棟だった!
なんて、恐ろしい!!
精神病院の閉鎖病棟の実態を少し見てる元看護師のわたしなので、それが自分の身に起きた事ならその場で発狂するかも・・・・・^^;
主人公・明日香は、雑誌のライタ-として忙しく日々を送っていた普通(?)の女性。
普通の明日香からみたら異常な人達に囲まれる入院生活が始まってしまうわけで、最初はパニックなんだけど、段々とその異常な人達と接するなかで、自分の今までの考え方に変化が起きてくる。
何をもって正常、異常と区別させられるのか?
異常のような患者たちだが、一人一人の言う言葉のなかには、マットウな言葉も多い。
正常なはずの看護師の方がある意味、ちょっと病んでる風だったり・・・・。
実際の精神病院の閉鎖病棟に入院している患者さんは、こんなに他者とコミニュケ-ションはスム-ズに取れないとは思うけど・・・・
なかなか面白い設定でした。
明日香が普通でない環境で14間暮らした末に見つけた今後の生き方が凄くマットウなものだというのも良かったな。
これは映画も作者の松尾スズキ氏が製作したそうで、ならば映画も是非、観てみたい!!
そんな風に思う作品でした。
主演は、内田有紀さん。 ほか宮藤官九郎、りょう、碧井優、妻夫木聡、大竹しのぶ
結構、豪華なキャストだし、映画の方が面白いかも!
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;