忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[12]  [13]  [14]  [15]  [16]  [17]  [18]  [19]  [20]  [21]  [22
51edmNTsOmL__SX230_.jpg    発行年月:2012年3月


     人生のピークを過ぎてしまった女優とデイトレーダー。
    ふたりはやがて恋に落ちる。
    ひとがひとと出会い、生きていくことのすべてを描いた、
    真心の物語。


                            (ポプラ社HPより)



かつては可愛い女優として評判だった野滝繭美(芸名:滝沢マユ)と
かつてはディ・トレ-ダ-として巨万の富を得た松田健作。

二人の男女があるパ-ティで知り合い、やがて恋人同士に。
出会ったときには、仕事は過去の栄光。
そんなときに惹かれあったのが良かったのかも。

二人で古い洋館を買い、その庭にバラの苗を植えていく。
色とりどりのバラは、綺麗で逞しい。

そんな植物の生命力を見ながら、これからの人生も二人で生きていこう!と
心に決める。

松田が一文無しに近い状態に陥るのは、波乱に満ちた状況なんだろうけど、あまり危機感がない。
ホントの一文無しとは違うからか??
結局、過去の功績を買われて証券会社で、働いているから、二人の経済的な危機はない様子。

健作が夢で見るサラリ-マンの話とか、花の言葉を聞けるイヤフォンの話が、もっと
広がっていくのかと期待したけど、その辺はそのままで、なんだかよくわからなかったなぁ~。


二人の関係は、セレブぶってないかんじで好感が持てたけど
正直、あまり面白みを感じない小説だったな・・・・・^^;


★★★
PR
510pvmI42FL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年7月


いまは恋愛よりも、部活が楽しい-----
すべての世代の胸を打つ、2012年最高の青春小説!

私たちは、演じつづけて何になるのだろう。
本当の喜びも、悲しみも、彼女たちはまだ知らない-----

北関東の高校に通うさおりは、演劇部最後の一年を迎えようとしていた。姫キャラのユッコ、黙っていれば可愛いガルル、天才・わび助らと共に、年にたった一度の大会に挑む。目指すは地区大会突破。そんな時、学校に新しい先生がやって来た。東京の大学で演劇をやっていたというスッゴイ美人。「何だ、小っちゃいな、目標。行こうよ、全国!」。え? すべてはその一言から始まった。
高校演劇は負けたら終わり。男子よりも、勉強よりも大切な日々が幕を開ける。

地方の高校演劇部を舞台に、少年少女たちの一途な思いがぶつかり、交差し、きらめく。
劇作家・平田オリザが満を持して送り出す初めての小説は、誰もが待っていた文化系青春小説の金字塔!


                                      (講談社HPより)



高校の演劇部の話。
演劇のことは、さっぱりわからないけれど、なるほど~劇ってこうして作られるんだぁ~と
勉強になりました。

主人公は演劇部では、演出を手掛ける高橋さおり。
先輩が引退し、部長として部内のまとめ役でもある。

3年生になったばかりのときは、5人しか居なかった部員が、1年生部員が増え12名に。
その後、演劇の強豪校から転校してきた中西悦子も加わる。

大学で演劇をしていて一時は女優の道も考えた吉岡先生も副顧問になり、演劇部の活動がドンドン
活気溢れる部活になっていく。

劇中劇の『銀河鉄道の夜』の雰囲気も楽しめて、良かった。
原作をすぐにまた読みたくなる。

夢中になれるものがあって、一緒にそれを楽しめる仲間が居て・・・・
素晴らしい高校生活だなぁ~。
こんな風に毎日を充実して送れるってうらやましい。

爽やかな青春小説でした!


著者の平田オリザさんは、実際に劇作家として有名な方なんですね。
その世界のことに疎くてお名前すら知りませんでしたが・・・・
機会があれば、実際に平田さんが演出した劇を見てみたいなぁ~。


★★★★★





41nhc4M0MeL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年9月

未来どころか過去の時間も奪われたような……
絶望感に向き合って、見えてくるものは。


平穏に暮らしていたはずの両親。その父が突然いなくなった。
思い出の詰まった実家も売却されていた。
何一つ身に覚えのない母は、
なぜと叫びながらも答えを手繰り寄せていく。
               
苦しみの量というのは、誰にも一定なのではないだろうか。
自分はその苦しみがこれまで少なかったのかもしれない。


だから今少し、その苦しみがやってきたような気がする。
幸せの量は一定ではないのだと確信している。
幸せは自分しだいで増やせるものだ。

                                    
(光文社HPより)


面白かった!!
話は深刻なんだけど・・・。

70歳目前の園原聡子の夫が突然、行方不明。
不倫相手と暮らすことになったという。
そして離婚届け、持ち家は売却されたという。
聡子の手元には自身の名義の預金通帳200万円。
引越しを余儀なくされる。

うわ~最初から凄い。
気が重くなるような深刻な状況。

物語は、冒頭、聡子の夫であった章が自宅で独りで亡くなっていたというところから始まる。
そして、そうなった経緯が時系列で語られる。

大変な状況を助けるのは、聡子の娘・香織と姪の優子。
娘は結婚し、夫と娘2人。
優子は母親を病気で亡くし、父親と暮らす。父親は聡子の弟。
聡子が母親の代わりという気持ちもあり親身になり聡子のことを気遣う。

法律事務所に理不尽な目に遭った母親の無念を相談し、不倫相手を訴えることも出来ると聞き、
章の不倫相手沼田和恵を相手に訴えるが
逆に沼田側からは名誉毀損の訴えが起き、裁判になる。


沼田和恵・・・ひどい女だな。
聡子の夫・章・・・・バカな男だな。

結末は?と気になり一気読みでした!
理不尽な目に遭っている聡子だけど、不幸だと嘆いている様子があまり見られない。
前向きと言うのか?
なんでもっと怒らないのか?と思ってしまう部分もあったが、
終盤、聡子の人柄がわかる言葉で、ああ、こういう考え方もあるんだなぁ~と思った。

自分自身に聡子が言い聞かせる言葉
不幸の量はみんな同じ、幸せの量はその人それぞれ

なるほど・・・・。深い言葉だ!


裁判の結末は、聡子が勝訴し、その後、和恵側は控訴するが、その後の調査で
和恵の証言は偽りが多いことが判明。

勝訴したことよりも、自分には、周りに気遣ってくれる身内が何人もいることに
幸せを感じる聡子。
ああ、こんな素敵な女性の元を去った章が、本当に大ばか者に思える。

ホイッスルの意味もよくわかった。
法律事務所の弁護士・芳川と事務員・涼子も良心的な人たちで
聡子の周りには頼もしい味方がいっぱい。
この先は平穏な日々が続くといいな。
聡子さん、がんばれ!!とエ-ルを贈りたい。

初読みの作家さんだったけど、すごく面白かった。
過去の話にも興味を覚えたので、それも読んでみたい!




 

★★★★★


 



51HH5Zo6OgL__SX230_.jpg   発行年月:2012年10月


   伍代藩士の楠瀬譲と栞は互いに惹かれ合う仲だが、
   譲は藩主の密命を帯びて京の政情を探ることとなる。
   やがて栞の前には譲に思いを寄せる気丈な女性・五十鈴が現れる――
   激動の幕末維新を背景に、己の思いに忠実に生きた
   男女の清冽な姿を描く長編時代小説。


                          (朝日新聞出版HPより)


国学と和歌を教えていた父・檜垣鉄斎の後を継ぎ、此君堂(しくんどう)で和歌を教える栞。
そこに父の代から通っている楠瀬譲。
父は娘の栞が生前は譲の妻となることを望んでいたが、譲は藩主・伍代忠継の勧めで馬廻り役二百石の杉杉浦家の三女・由里を妻に迎え、鉄斎は落胆した。
そして密かに譲に譲に想いを寄せていた栞も同様だった。
しかし、由里が病で没し、譲は、母・弥生と娘・志穂と暮らしている身。

元々は相思相愛の二人ならば、共に暮らせばよいのでは?と思って読んでいたら・・・・
先妻・由里の妹・五十鈴が登場。
栞とは対象的に気が強そう。
そして藩主・忠継も譲と五十鈴を添わせたいと思っているようだと。

ええ?三角関係?なんて今時の恋愛小説のようなものをこの幕末の時代を背景に物語の軸とするのか??とちょっと焦ったりしたけれど・・・・・
さすがは葉室作品、そんなことが軸ではありませんでした^^;

五十鈴も最初は栞びいきで見ていたので嫌なかんじと思ってしまいましたが、
格好いい!
鋭い洞察力で藩主・忠継の妻になってからは、栞と譲を助ける働きをする。

江戸幕府の倒幕を目指し、尊皇攘夷派が企てにより戦を起こす時代のなかで、新しい国造りをする時期だと思いながらも幕府側で政情を探り奔走する譲の姿に攘夷派にいつか命を狙われてしまわないか?と栞と同様、ハラハラドキドキ。

攘夷派の佐倉健吾の存在は最後まで不気味だったなぁ~。

実際、佐倉の企みのせいである疑いをかけられ投獄されてしまう。
しかし、投獄されても志がぶれることはない。
これからの国造りについて同じく投獄された榎本武揚と熱く議論する姿は格好良い。

最後は恩赦のかたちで家に帰ることが出来、ホッとしたけれど、
この先は開拓使として北海道に一家で移住するというところで物語は終わる。

この先の暮らしも厳しいだろうなぁ~。
でも、愛する者と共に生きていかれたら・・・という思いなんだろうな。

「この君なくば一日もあらじ」・・・・・いつまでも胸に残る言葉です。


今回も良い話をありがとうございますm(__)m
著者の葉室さんに感謝!


★★★★★
 
 
51zQNmiuH5L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2008年6月


居場所を求めて駆け抜けた2人。
秀吉の懐刀・黒田官兵衛と、日本人修道士・ジョアン。2人は、未曾有の変革の時を、時代の風を受けて生き抜いた。
高校時代、吉川英治の『黒田如水』を読んで、歴史小説への目が開かれた。――満を持して放つ書き下ろし歴史長編・葉室流 黒田官兵衛。

「ジョアン殿に話したいこと、聞いてもらわねばならぬことが山ほどある」
「聞いていただきたいことは、わたしの方が多いかもしれません」
信長から、キリシタン禁止令の時期を、折々にかかわりあいながら生きてきた2人。お互いの心にあるものを察しながら、時代を体現した黒田官兵衛とジョアンの交歓を、さわやかに描く。


                                           (講談社HPより)



2014年の大河ドラマの主人公・黒田勘兵衛が主役の物語を葉室作品でも読める!!と
大喜びで本を手に取りました。

黒田勘兵衛の知識としては秀吉に仕えた人?くらいの浅い知識のみ^^;
キリシタンだったんですね~。
知らなかったぁ~。
そんな無知なわたしだけれど、逆に「え?そうなの?」という驚きが多々あって、まあまあ楽しめたかな?

しかし、まだ多くを読んでないのでこんなことを言うにはオコガマシイけれど・・・
ちょっとつまらなかったかも・・・・・^^;

黒田勘兵衛なる人物を詳しく知りたかったのですが、時代がキリストの教えが広まり始めたころから、本能寺の変を経て信長の時代から秀吉の時代へと変わるころという歴史的に見たら、ごく短い期間の話で、これはキリシタンの時代を描いた物語だったのかな?


勘兵衛が若い頃に知り合った山口県出身の修道士・ジョアンの方が人物像としては、気になりました。
生い立ちが終盤、明かされましたが、個人的にはジョアンの話をもっと詳しく描いて当時のキリシタンとしての生き方を深く知りたかったなぁ~。

時代の流れでキリシタンたちは、戦乱のなかで利用されたり、蔑まれたり
信仰も命がけになっていったり。

細川ガラシャの物語を、ほかの著者(三浦綾子だったか?)で読んでいたので、キリシタンの背景にあった史実は深く知ることが出来その辺は興味深かった。


                                            ★★★
 
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
2 4 5
6 8 9 11 12
13 14 15 17 19
21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]