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読んだ本の感想あれこれ。
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51yHGXB2tkL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年8月


市営斎場前に建つ、一軒のうどん屋。暖簾をくぐるのは、命の旅立ちを見届けたひとたち-----。
いま、届けたい物語。

中学二年生のよっちゃんは、祖父母が営むうどん屋『峠うどん』を手伝っていた。『峠うどん』のお手伝いが、わたしは好きだ。どこが。どんなふうに。自分でも知りたいから、こんなに必死に、汗だくになってバス停まで走っているのだ。
おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん。そして『峠うどん』の暖簾をくぐるたくさんの人たちが教えてくれる、命についてのこと-----。

わからないことはたくさんあるの、あっていいの、いまは……




                                      (講談社HPより)


いつも泣かせてくれるなぁ~。

14歳の淑子がうどん屋を営む祖父母の手伝いをしながら学ぶことは、読みながらわたし自身も学ばせてもらったというかんじ。

職人気質っぽいおじいちゃんと、接客上手なおばあちゃん。
この二人がいい!
特におばあちゃんの語るウンチクはメモに取っておきたいようなことばかりでした!

うどん屋のそばに市営の斎場が出来、そこに集う人が、うどん屋に立ち寄ることも多い。
人の死に向き合った人たちに接し続けることで、気づくこと。

後ろの方の斎場の霊柩車を運転するトクさんと別れた奥さんの話は、感動した。
認知症を患ってる元妻の和子さんは、トクさんに会いたがっているというけれど、トクさんは会いにいかない。
それにはちゃんと筋の通った理由があった。
なるほどね・・・・。

見送るひとは死んでいく人に、後ろ髪を引かせちゃだめ・・・・


涙腺を刺激されながら、アッという間に読了の上巻でした。
下巻も読むのが楽しみです。


★★★★
 
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418YQif6XLL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年7月


この物語には、仲直りの方法がいっぱい詰まってる----家族の誕生を描く感動長編。

母を亡くした小学四年生のフミと、親の離婚で三度も苗字を変えなくてはならなかった六年生のマキ。それぞれの父母が再婚して「新米きょうだい」となったふたりの生活はトラブルばかり。でも、ケンカした回数と同じだけ、きっと仲直りができる……。少女たちが過ごした家族の始まりの日々をやさしく見つめる、姉妹小説の決定版。


                                          (新潮社HPより)


フミとマキの心理がよ~く描かれていた。
再婚した夫婦のそれぞれの連れ子のフミとマキ。
妹のフミは本当の母親を病気で亡くしていて、姉のマキは両親の離婚で父親は別の場所で違う家庭を持つ。

新しい家族が生まれ、フミとマキも姉妹になった。

お互いが、何かを我慢し、新しい家族を大切にしていこうと思っている。
けれど、思い通りの行動が出来なかったり、ほかの家族を傷つけることになってしまったり・・・。

本当の家族なら、遠慮なく本音をぶつけることが出来るのに・・・・。

一見、ぶっきらぼうな姉のマキの本音の部分には、胸が切なくなるものがあった。
小学校6年生で、新しい父親が出来て・・・・という状況を自分がそうなったらと置き換えて考えると
マキの言うこと、行動、全て納得がいく。
そして、本当はとても優しい気持ちを持った子なんだということにも気づく。

家族で鍋を囲むシ-ンは、その状況を想像して特にジ~ンとした。
お父さんがちょっと気の毒だったけど
本当の家族でも年頃の娘は取り箸を使わないお父さんは嫌います(笑)
和気藹々と鍋を囲んで楽しい食事が出来る家族に、早くなれますように・・・・・なんて思ってしまった。

けれど、皆が思いやりを持っている家族なので、少しずつ本当の家族になっていくんだろうなぁ~。

表紙の絵が可愛い♪


★★★★


 
5974cb86.jpg発行年月:2010年8月


にゃあん 
あなたのクラスはノアに選ばれました!

黒猫が、首に風呂敷包みを巻きつけて、教室にやってきた。「こんにちは」と、ビ-玉みたいにまんまるな目で見つめてる・・・・・。

ノアはきっと、あなたのクラスが忘れてしまった大切なことを思い出させてくれるはずです---------。

    
                                       (講談社HPより)


この重松さんの児童書は、朝日小学生新聞に掲載されていた物語だそうです。

主人公の大沢健太は小学5年生。
1年生から仲良しの亮平が、なんだか元気のないのが気になっている。

クラスの担任が怪我で入院し、代わりに若い宮崎由子先生(ユッコ先生)が赴任してくる。
けれど、ユッコ先生は、なかなかクラスの皆に受け入れられない。

どこの小学校でも、こういう事ありそう。

自分の意見があっても、周りについ同調してしまって、本音がなかなか言いにくい雰囲気もあり、心で思っている事と違うことを口に出してしまったり・・・。

小学生だけじゃなく、中学生や高校生、大人の職場社会でも、ここに出てきたような事って、沢山ありそう。

ここでは、黒猫のノアが、皆に少しずつ勇気を出すことの大切さみたいなものを気づかせるように仕向けていく。

読んでいて、楽しかったし、最後は感動した!

さすが重松さん!

ラストのエピロ-グでは、ノアがまた違う学校で、何やら仕掛けそうな場面で終わり、この学校でのノアの活躍による変化も読みたいなぁ~なんて思った。

続編、書いて欲しいなぁ~。

大人が読んでも十分、楽しめるお話でした(^^)

★★★★

 
2b177814.jpg発行年月:2010年3月


藤巻大介45歳、あすなろ大学応援団長出向を命ず-----
存続危機の応援団を「合言葉は押忍!」でオジサン達が復活させる、
抱腹絶倒・落涙必至の快作長編。


   
                   (毎日新聞社HPより)



表紙の絵を見て、ん?おじさんの応援団?会社の?あれでも団旗に大学って書いてあるな・・・?
なんて読む前からあれこれ想像しちゃいました。

会社員の藤巻大介が社の命令で、あすなろ大学の社会人入試を受け、大学生になる。
そして、存続の危機にある応援団を建て直すのが使命。
大介の会社社長が元そこの応援団長だった事から始まった無理矢理な辞令。
大介がその大役に選らばたのは、入試を突破できる確実な人物だということ。
大介は早稲田大学の経済学部卒ゆえ。

学ランを着て学校に行く毎日が始まるわけだけど、その初日が笑えた。
45歳で学ラン・・・想像しただけで可笑しい。
そして、大学の応援部には、そこの大学応援部だったOBの山下と齋藤が居て、しごかれる。
彼らも大介と同年代。
おじさん達だけで応援部?と思っていると、普通の大学生も入部して来て、そのやり取りがまた
可笑しい!

ギャグの連発。下ネタも・・・・笑
重松さんって、お笑いのネタとか書かせたら案外いいかも!
お笑いのセンス抜群じゃないかな~?なんて思ったり。

でも、ちょこっとホロリと涙を誘う部分もあったりで、最後まで楽しく読みました。

最後にあった文好きだな。

・・・・応援して応援されて・・・・・そうやって、みんなは生きているんだ。
・・・・勝利は望めなくとも、負けない、あきらめない、その思いを信じる。



★★★

 
305ecd25.jpg   発行年月:2010年2月

 我が子はその瞳で数え切れないほどの光景をみるはずだった
   
 息子は1歳の誕生日をむかえたばかりで眠るように死んだ。
 圧倒的な彼岸の風景と土地に残る死の記憶がもたらした
 奇跡の再生の物語

                            (文藝春秋HPより)


静かに胸を打つ物語でした。

43歳の関根には、再婚した妻・洋子との間に由紀也という息子が居たが、1歳の誕生日を迎えてすぐに突然、息を引き取ってしまっていた。
お互いが「あの時もし・・・していたら・・・」と後悔し自己を責める日々が続いていた。

関根には、先妻・美恵子との間に15歳の娘・明日香がいて、離れて暮らしている。

関根は息子の死後、会社を休み旅に出る。
東京から北に向かって・・・恐山、奥尻島、北海道へと進む。
高校生だが、学校は不登校続きの明日香が、その旅に時々、合流し、いろいろな人々と出会う。

出会う人々は、それぞれ、家族を突然亡くし、年月が経っても未だ心に重たいものを抱えている。
それぞれの亡くした家族の死の受け入れ方、その後の生き方が描かれていて、つい自分がその立場なら?と考えてしまいました。


関根の先妻であり明日香の母親・美恵子も病に侵されホスピスに入院することになる。
ホスピスの医師・富見城と看護師である妻の患者の接し方は、理想的。
窓から見える景色も綺麗のようで
こういう場で死を迎えられたら、幸せだろうな~。


由紀也を亡くしてギクシャクしていた夫婦の関係は、明日香や美恵子、美恵子の知人と接することで、少し柔らかくなった様子。
明日香がしっかりして、かなり皆の気を遣っているのが、やや切なかったけど、
きっとこの先、いろいろな人に助けられて幸せに暮らしていけるかな?


今回も重松さんらしい、優しさが詰まった物語でした♪

★★★
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